原題:『太陽の子』
監督:黒崎博
脚本:黒崎博
撮影:相馬和典
出演:柳楽優弥/有村架純/三浦春馬/イッセー尾形/國村隼/田中裕子
2021年/日本
原爆開発という「ままごと」について
1945年の夏、京都帝国大学の物理学研究室では主人公の石村修が仲間たちと共に原子核爆弾の研究開発を進めていた。修たちは原爆を開発できればこの戦争は終わると考えており、それは間違いではないのだが、例えば、彼らが原料と考えるウラン235の取り扱いかたはあまりにも杜撰過ぎる。もちろんそれは現在の視点から見るから分かるのであって、当時は修たちも本気で原爆を作ろうと思っていたはずなのではある。
ところが言うまでもなく、8月6日に先にアメリカに原爆を落とされてしまう。修たちは原爆を落とされた広島に調査に行き、その惨状を目にした時、そのあまりにも被害規模の大きさに、修は自分たちの研究は「ままごと」だったと悟ったであろう。例えば、その後地元の京都にも原爆が落とされるという噂を聞き、科学者の目で確かめようと修は近所の山に登るも虚しさが残るだけなのである。もちろんそれは原爆開発のみならず、アメリカに対して戦争をしかけたこと自体が「ままごと」だったことは言うまでもない。
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