約6年振りに国立新美術館で催されている『ルノワール展』において『ムーラン・ド・ラ・ギャレット
(Bal du moulin de la Galette)』(1876年)と同等の呼び物となる作品は『田舎のダンス
(Danse à la campagne)』と『都会のダンス(Danse à la ville)』(共に1883年)だと思う。
この2作品を見比べられる展示がいいのである。実物を見ないと細かな違いがよく分からない
のであるが、屋外で踊る『田舎のダンス』が見物人もおり、女性の表情が豊かで帽子や扇子など
小物も使われ温かな色使いであるのに対して、室内で踊る『都会のダンス』は2人きりで表情も
崩すことなくドレスも真っ白で余分な装飾品も無く全体的にクールな印象だった。