MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『テルマエ・ロマエII』

2014-04-29 00:28:29 | goo映画レビュー

原題:『テルマエ・ロマエII』
監督:武内英樹
脚本:橋本裕志
撮影:江原祥二
出演:阿部寛/上戸彩/市村正親/北村一輝/宍戸開/竹内力/笹野高史/勝矢/キムラ緑子
2014年/日本

 肝心のラストのオチが不発の原因について

 どうしても前作『テルマエ・ロマエ』(武内英樹監督 2012年)と比較して観てしまい、笑いのネタのクオリティーの多少の低下は否めないとしても、よく健闘しているほうではあるだろう。しかし見逃してはならないのはラストのオチである。
 古代ローマ浴場技師ルシウスと別れた山越真実はようやく漫画家として成功を収め、やがて真実のマンガは映画化されることになる。撮影現場を訪れた真実は主人公の「ルシウス」を演じる俳優との初めての顔合わせに挑む。真実の方を振り返った男は典型的なイタリア人だった。その時、遠くの井戸から真美が知っているルシウス(阿部寛)が飛び出してきて、「そいつは偽者だ」と叫ぶというオチなのであるが、このシーンはオチとして正しいのだろうか?
 真実は「本物」のルシウスを知っているのだから、阿部寛が「そいつは偽者だ」と叫ぶことに意味はない。寧ろ、振り向いた男が阿部寛で、井戸から飛び出してくる男が本物の「ローマ人のルシウス」であった時にこそ、このギャグはギャグとして炸裂するはずなのである。現実とフィクションが上手く処理されていないと思う。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする