原題:『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』
監督:堤幸彦
脚本:西荻弓絵
撮影:唐沢悟
出演:中谷美紀/渡部篤郎/鈴木紗理奈/大河内奈々子/小雪/竜雷太/生瀬勝久
2000年/日本
「古風」の中の斬新さについて
堤幸彦監督は本作を発展させ、やがて自称天才マジシャンの山田奈緒子が主役を務める『TRICK』や、さらに超能力者の当麻紗綾が主役を務める『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』となるのであるが、ようするに『ケイゾク』はまだ「獄門島」や「八つ墓村」の横溝正史的な、人物の特異な能力よりも「厄神島」のような舞台の背景の方が重要視される「古風」を残した作品である。
『TRICK』は『トリック劇場版 ラストステージ』(2014年)で、『SPEC』は『劇場版 SPEC〜天〜』および『劇場版 SPEC〜結〜』(2013年)で見事に完結させており、改めて本作を観なおしてみたのであるが、霧島姉妹が関わった本来の事件を無視したラストの「逸脱感」が、さすがに『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(押井守監督 1984年)を意識してタイトルを付けただけのことはある思い切った展開で素晴らしいと思う。