ケンのブログ

日々の雑感や日記

幼い女の子

2024年01月07日 | 日記
コンビニで マスクがないか探そうと思った。

だいたい マスクなどは衛生用品というくくりで除菌スプレーとかウエットティッシュとかそういうものと同じあたりに置いてある。

もう いろんなコンビニに行きつけているとそういうのは感覚的にわかるようになる。

それで 衛生用品がおいてあるあたりに目星をつけて その棚をめがけていくと 棚の下の方に置いてある除菌スプレーやらそういうものを5歳くらいの女の子が一生懸命見ていて その斜め後ろにお母さんが立っていた。

僕はせっかく商品を夢中になって見ている女の子を驚かせてはいけないと思って お母さんの前をそっとかすめ通るように横切って お母さんと斜めに並ぶ形でやはり女の子の後ろからそのあたりにマスクがないか探した。

すると しゃがみこんで棚の下の方の商品を見ていた女の子は お気に入りの商品を見つけたらしく 目の前にあった 商品をちらっと指さして それから 思い切り僕の脚にしがみついた。

もう 女の子はお気に入りの商品を見つけて 夢中で僕の脚をお母さんの脚と勘違いしてしがみついたことは 状況から判断して明らかだった。

女の子は 僕の脚にしがみついて 上を見上げると そこにあったのはお母さんの顔ではなかったので とっさに 僕の脚から離れ 本当のお母さんの足元に 恥ずかしそうに そして とてもショックを受けた様子で うずくまってしまった。

お母さんの脚と思って 全幅の信頼を寄せて 夢中でしがみついた脚が お母さんの脚ではなかった とんだ間違いをしてしまった、その時の子供のショック 恥ずかしさは どんなものだろう。

自分が子供のころ 5歳くらいだったころのことを振り返って想像すると そのショックの程度は容易に推し量ることができる。

夢中になって商品を見ていて お気に入りを見つけたうれしさで 全力で脚にしがみつく そして 間違いと分かると ショックを隠すこともなく うずくまってしまう。本当に聖書に「子供に見習いなさい」と書いてある通りだなと思って僕は感動していた。
感動を隠すために 僕は照れ隠しに 笑った。

すると お母さんが 女の子に 「あんた 間違えるから おじさん 笑ってみえるやないの」と言った。

子供は 自分が勘違いしたショックで そのお母さんの言葉にはほとんど無反応だった。

僕は その時 なんとなく 女の子に その子の間違いを笑ったと思われるのはいやだなと思った。

お母さんの脚と思って 僕の脚にしがみついた子に 間違いを笑われた という記憶を残したくないと思った。

それで 僕は ほんの一瞬ためらったけれど 女の子に 思い切り声のトーンを柔らかくして「間違えたんやね」と言った。

すると 女の子は 無反応だったけれど ちょっと安堵してくれたことはなんとなくわかった。

少なくとも 悪意で女の子に声をかけたわけではない ということは コンビニのお兄さんもわかってくれたみたいで そこで 飴とチロルチョコの勘定をするときに ニッっと笑ってくれた。

結局 マスクは 僕のお目当てのものが見つからなかったので 僕は 飴とチョコを買ったのだ。

ああ でも ほんの 一瞬の出来事だったけれど 僕が生きているかぎり 僕の記憶にのこるほど感動的な出来事だったなと思う。

それは ともかく いちにち いちにち 無事に過ごせますように、それを第一に願っていきたい。