ケンのブログ

日々の雑感や日記

正代、優勝良かった

2020年09月28日 | 大相撲
昨日、優勝を決めた正代の相撲、立ち遅れ気味だった上に、腰が高くて相手につけこまれる原因になってしまった。いやあ、勝ったから良かったものの、緊張のしすぎと正直思った。

それで今日の新聞を見ると、悪い体勢になるイメージが頭をよぎって朝の5時まで寝付けなかった。取り組み直前まで心臓の鼓動が自分でもわかるほど緊張していたということが書かれている。

そうだったんだ、と思った。

新聞でこういう後日談を読んで、また優勝の感慨を新たにするのもファンの楽しみの一つだ。

テレビが普及したとき、スポーツ新聞が売れなくなるのではないかという懸念があったそうだけれど、ファンはテレビで勝利を見て、またスポーツ新聞で選手のコメントを読んだりするという具合にかえってテレビの普及でスポーツ新聞の売上が上がったという話を聞いたことがある。

よくわかる話だなと思う。

後日談と言って思い出すのはまだ僕が生まれる2年前、昭和35年の大阪場所千秋楽、栃錦と若乃花の史上初の横綱同士千秋楽全勝対決というのがあった。

決戦の前の日、若乃花が不安を紛らわそうと映画館に行くと、前にでかい男が座っていたので見ると対戦相手の栃錦だったという。

そうか、栃錦も不安で映画を見に来ていたのかと思ったら若乃花は気が楽になって翌日の全勝対決に勝利したという。

そのときの映画は若乃花は西部劇だったと言い、栃錦はドイツの恋愛映画だったと言い、両者の言い分が異なっているという。

こういう話をきくと、栃錦と若乃花が決戦の前日に映画館で鉢合わせたっていう話は本当なのかと思ってしまう。

この栃若の全勝対決、左のがっぷり四つの力相撲だけれど、最後は栃錦が左の差手を抜いて若乃花の上手を切りに行って腰が浮いたところを若乃花につけこまれて寄り切りで負けている。

差手を抜いて上手を切りにいけば腰が浮いて危ないことは素人でもわかりそうな気がする。

やはり前日に、映画を見に行くほど緊張していたので動きがぎこちなくなったのかも知れない。

大相撲往年の名勝負というようなテレビ番組で、この栃若の勝負がビデオで流れると、栃錦のファンだったという母は、これは栃錦が負けた相撲だから見たくないと言っていつも目をそむけていた。

まあ、そういういろんな後日談があるところも相撲の楽しみの一つだと思う。

しかし、正代も本当に土俵下で感慨深そうな顔をしていることが新聞の写真で見ると改めて伝わってきて胸がジーンとなる。

最近の安定していて思い切りの良い取り口を見ると横綱を狙える雰囲気があるような気がするので本当に正代には頑張ってほしいなと思う。

熊本の人も喜ぶと思うし、、、。




貴景勝婚約

2020年08月31日 | 大相撲
ネットのスポーツニュースに大関貴景勝がもと大関北天佑の次女の方と婚約したと出ていた。

北天佑って見た瞬間、北の富士さんがよく千代の富士と北天佑の相撲はわかりませんよ と言っていたことを思い出した。

本当に千代の富士と北天佑の相撲は北天佑が思い切りの良さと怪力で千代の富士を破ることも多く、北の富士さんのおっしゃるとおりわからないなと僕も思っていた。

あともうひとつ忘れられないのが昭和59年夏場所13日目、北天佑が横綱隆の里を破れば13日目にして北の湖の24回目(結局これが北の湖の最後の優勝になった)が決まるという一番があった。

すでに勝ち残りで土俵下にいる北の湖の目の前で北天佑は隆の里を突き落としで破った。

その瞬間、北天佑は土俵下にいる北の湖の方を振り返りニコッと笑った。

あの当時も、そして今も、勝ち力士が土俵の上でニコッと笑うことは本当に珍しいこと。そしてなんと土俵下の北の湖も土俵下から立ち上がる間際に北天佑に視線を送って一瞬ニコッと笑った。

あの土俵や土俵下では笑わなかった北の湖が一瞬ニコッとした。

本当にあの場面は心あたたまる場面だったなと思う。

北の湖と北天佑は同じ三保ケ関部屋だったので北天佑が兄弟子の援護射撃をした形になるわけだけれど。

それで北の湖、最後の優勝、北天佑と検索ワードを組み合わせて検索してみたら北天佑が隆の里を破って北の湖に微笑みかけ、北の湖も微笑み返す動画が出てきた。

いやあ、懐かしいな。

ついでに、そのときの北の湖のインタビュールームでの優勝インタビューの動画も出てきた。

久しぶりに復活優勝できた理由はなんですか、(このときは二年以上、優勝がないという本当に北の湖にとってどん底のときだった)とアナウンサーに問われた北の湖は
一瞬言葉を考えて
「これも、声援を送ってくださった皆さんのおかげです」と答えている。

本当に北の湖らしいなと思う。

そういえば北の富士さん、いつか、白鵬の明日の対戦相手は誰?とアナウンサーに質問してアナウンサーが貴景勝と答えると「こりゃ、わからんね」と言った。

横綱の対戦相手のことを北の富士さんが「こりゃわからんね」、という場合は、北天佑の時代もそして今も、相手が思い切ってやってくるから予想がつかないという意味である場合が多い。

貴景勝には北の富士さんから、これからもそう言われるような思い切った相撲をとってほしいなと思う。

そしてどうぞお幸せに。

婚約おめでとうございます。








大相撲の本場所も終わって

2020年08月02日 | 大相撲
大相撲7月場所は照ノ富士の優勝ということで幕を閉じた。

今場所は前半戦は全く見ていなくて中日から主な上位の取り組みだけ見始めた。朝乃山は星は上がっていたけれど取り口にちょっと鋭さを欠くような感じでどうかなと思っていた。

白鵬が休場してしまった。最近、休場が多いけれど場所の後半になって、しかもそこそこ星も上がっているのに休場するということはある意味、勇気と忍耐のいることのような気がする。やはり休むということはそれはそれで不安なことだと思うので、、、。大栄翔に破れた相撲が良く言えば慎重すぎ、悪く言えば思い切りにかけるような取り口だったのでとうかと思っていたら怪我を押してとっていたとのことだった。

僕が見た限りの数番は張りても封印して基本的にはまわしを取りに行く立ち会いだったけれど、白鵬の年齢になって立会の形を変えるというのも大変なことのように感じる。

すごいひとなのだなあと思う。

照ノ富士は優勝に絡んできてからの2,3番しか見なかったけれど、まわし、特に右前回しの引きつけは強烈だなと思う。あの大きい体で千代の富士なみの前回しの引きつけなのだからそれは相手力士にとっては脅威であると思う。

昨日、対戦した正代はそのまわし、特に右前回しの引きつけが強いことは十分にわかっていて、照ノ富士の右前回しが手にかかっても、もろ刺しで、休むことなく前に出た。そこに勝因があったわけだと思う。

北の富士さんが照ノ富士の優勝をたたえつつも、足が悪い状態でこれからも相撲をとらなければならないことを指摘しておられた。

本当に、上体の引きつけは強烈でも下半身がどうなのか、そこを相手につかれたらどうなるのか、それは来場所以降の見どころになるとおもう。

いずれにしてもあれだけ怪我をして序二段にまで落ちてまた上がってきて優勝って奇跡的なことではある。

大関から陥落した力士の優勝は魁傑以来ですとアナウンサーが言った時はそうだなあと思った。

魁傑が大関から陥落してそれでも優勝したときもずいぶん感動したなあと思いだした。感動という意味では今回の照ノ富士の優勝よりも魁傑のときの方が感動した。

なにしろあの頃は僕はまだ子供だったから。

昨日、僕のブログに、電車の冷房はどうなっているのか、そもそもコロナのときの電車の冷房について包括的に考えることのできる専門家はいるのか。いないのかもしれないという主旨のことを書いたつもりだ。

今日、新聞を読んでいたら、阪大の小林名誉教授を取材して要約した言葉としてこんなことが書いてあった。

「新型コロナの場合はどうでしょうか。感染防止という観点だけで言えば、濃厚接触を断つしかない。と専門家の考えは極めて明瞭です。しかし、いつまで自宅で巣ごもりを続けるべきなのか、感染リスクをある程度許容しながら経済活動を維持すべきなのか。政治と交わる境界領域で何を重視するのか、科学だけでは答えがたいトランスサイエンスの問題と言えます」

と書いてある。

まあ、読んでいてそのとおりと思えることが書いてあるなと感じる。

感染防止という観点だけで言えば濃厚接触を断つことという書き方がしてある。

この感染防止という観点だけで言えばという副詞的表現が科学の特色を言い当ててるようにも思う。

つまり、科学というのは観点が限られるものであるということ。

観点を限るからこそ、その限られた観点の中で証明された知識、つまり科学的知識を得ることができる。

しかし、科学が想定した観点を超えれば、もうその科学的知識の有用性はどこまで価値のあるものなのかは一概には判断できない。

最後には政治的決着が必要になる。

電車の冷房に関しても、窓を開けたほうが感染の可能性は低くなる、それはきっと確実性の高い事柄なのだと思う。

しかし、それで強烈な冷気に当てられてしゃっくりがとまらなくなったり、別の意味で体調を崩したり電車に乗ることに不快感を示す人がたくさん出てきたら、必ずしも窓をあけつつ空調の機械も運転するという考え一本槍ではいかなくなる。

そこが鉄道の会社にとってもしんどいところなのだと思う。

今、コロナ対策でなんか不自然だなあ、これでいいのだろうかと思う事柄は、科学的に言われていることを、あまりにも単純に実行してしまって包括的な考えにかけることから生じている場合がほとんどであるように思う。

そこから、どのように、より快適な方向を見つけていくか。

ときの流れというものももちろん必要だし、科学の知識一本槍ではどうにもならないということを悟ることが大切であるように思う。

春の陽気 白鵬の張り手

2020年03月19日 | 大相撲
昼間暖かなお天気。自宅最寄り駅前の桜のつぼみが一気に膨らんだ。ブルゾンを脱いで上はカッターシャツ一枚でも寒くないお天気。春だなと思う。これでコロナがなければと思う。隣町の駅で袴姿の若い女性を何人か見かける。卒業のシーズンだなと思う。今日は大阪府の公立高校の合格発表。入学 卒業のシーズンだなと思う。

白鵬と正代の相撲を見る。白鵬、右で張っていった。そのあとも何度も張り手を繰り出す。あれだけ何度も張り手に行っては自分のバランスを崩してしまう。

実際の相撲を見ているときはそれほとわからなかったけれどあとでスローで再生されたビデオを見ると張り手に行って上体のバランスが微妙に崩れたところを正代に下から入られて負けている。

取りこぼしと言うよりは本当に完敗という負け方に見える。白鵬が自らのばたばたした動きで相手に主導権を握られて自分の体を相手にあそこまでコントロールされて負けるという場面をそんなに見たことない。

白鵬の張り手は腰から安定してスッと出てくるので、相手につけ入るスキを与えないし自らの体勢もくずさない。今日の張りては手だけで張りに行って上体が伸びる形になっている。

こんな白鵬もほとんど今までに見たことがない。本当に白鵬には申し訳ないけれど、全盛期の勢いがなくなったと思わざるを得ない。とはいうもののまだトップと星の差一つだから優勝の可能性は十分にある。それに一日も長く相撲を取ってほしいと願う。

大相撲春場所四日目 高安負傷

2020年03月11日 | 大相撲
大相撲春場所、四日目結びの一番。鶴竜と高安の取り組み。鶴竜はもろざし。高安外四つの展開。鶴竜は外四つの高安に右からおっつけられて土俵際に詰まる場面があった。

そのあとも外から締め付けられて回しが引けず苦しい展開。しかし高安も決していい体勢ではなく長身なのに外四つで窮屈そうに構えていた。

高安はその後寄ったけれど鶴竜の一枚回しが伸びて腰高の寄りになる。回しが伸びたこともあるけれど、それにしても高安は腰が高い。

そこを鶴竜にまわりこみながら突き落とされた。そのとき左のつま先が俵にかかり足の自由を失ったため、左足が伸び切った状態でこけることになってしまった。

土俵にこけた高安は起き上がれずうめき声を発していた。このブログ記事を書いている段階でまだどんな怪我かニュースを確認していないけれどあれだけ伸び切った状態で何百キロという力がかかればかなり大きな怪我のように思う。

高安が土俵から降りたあとアナウンサーが「鶴竜心配ですね」と言った。確かに鶴竜も勝つには勝ったけれど相手にもろざしをゆるし土俵際の逆転の突き落としでは、今場所のこれからの相撲は心配。もっと高安に元気があったらおっつけで持っていかれる展開であったように思う。

ところが解説の北の富士さん、アナウンサーに「鶴竜心配ですね」と振られたとき。「タ」という音声を口から発して言葉が出てこなかった。タは高安のタであろうと察したアナウンサーは「高安の怪我は確かに心配です。しかし鶴竜の相撲内容も心配ですね」と念を押した。

北の富士さんは心ここにあらずという感じで「まあ、そうですね」と言った。あの場面は北の富士さん。高安の怪我のことで頭がいっぱいになってしまってなかば放心状態であったと想像する。

こういうのって人柄だなと思う。高安が大関で怪我を押して無理に出場していたとき「こんな相撲を取ってるくらいなら休めばいいんですよ」というようなことを北の富士さんは言っていた。

あのときは本当に心配して北の富士さんは言っていたのが、今になってわかる。「休めばいい」と一見、辛口の発言のようにも思えるけれどよく考えて言っておられるんだなと思う。

まだ僕が小学生の頃、北の富士さんと一緒に横綱を張っていた玉の海がなくなったとき車から降りた北の富士さんに記者がマイクを向けたら、北の富士さんは、ハンカチで目を拭いながら「むごい。かわいそうに」と言ってあとは言葉にならなかった。

次の日の新聞の見出しは「むごい、かわいそうに。北の富士男泣き」だった。あのころから北の富士さんの気質って根本は変わらないなと思う。