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「台湾生まれ日本語育ち」温又柔

2016年04月27日 21時09分52秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「台湾生まれ日本語育ち」温又柔

タイトルだけで、読みたくなる作品。
表紙のヤドカリもいい感じ。

P128
1980年代後半、バブル景気に沸く日本が人手不足緩和のため就労制限のない「定住者」という在留資格を与え、主に南米諸国出身の外国人を単純労働者として迎え入れたことをまったく知らない。円高の日本で1カ月働けば、母国で稼ぐ1年分になる……この時期、「定住者」資格を付与された外国人のほとんどが「日系人」だったということも、まだ知らない。

P165
 2012年7月、『台湾海峡一九四九』が刊行されるや否や、わたしは書店に急いだ。
(そうだろう、と思った。台湾と文学に傾倒する著者が、この本を読まないですます事なんてないでしょう)

P234
 そもそも、中国語と台湾語と日本語と、ひとつずつ数える必要はないのかもしれない。三つの母語がある、というよりも、ひとつの母語の中に三つの言語が響き合っている、としたほうが、自分の言語的現実をぴたりと言い表せるのではないか。

【感想】
著者の人柄のよさ、優しさが偲ばれる文章だ。

【参考リンク】
作家 温 又柔さん|法政大学

温又柔 ×中島京子 『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社)刊行記

【ネット上の紹介】
3歳から東京に住む台湾人作家が、台湾語・中国語・日本語、三つの母語の狭間で揺れ、惑いながら、自身のルーツを探った4年の歩み。

[目次]
1(私のニホン語事始め
なつかしさよ、こんにちは ほか)
2(ペーパーガイジン
「投票」したい ほか)
3(母「國」語の憂鬱
幻の原稿 ほか)
4(イマジナジア―馬祖への旅(1)
台湾海峡の彼方へ―馬祖への旅(2) ほか)
5(失われた母語国を求めて
終わりの始まり)

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