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「図書館革命」有川浩

2011年07月05日 22時15分45秒 | 読書(小説/日本)


「図書館革命」図書館戦争シリーズ 4 有川浩

シリーズ最終巻、ついに終わってしまった。
(最後まで楽しませてもらった)
今回、シリーズ・テーマ『表現の自由』が前面に出ている。
その分、硬派な場面と甘々なシーンのギャップが激しい。
場面に応じて、ギャグとシリアス使い分け、そのあたりを、クリアーすれば楽しめる。

最後の方は、郁が一人で孤軍奮闘。
作家・当麻蔵人を連れて、大阪まで行く。(運転大丈夫か?)
大阪が舞台となるので、私は嬉しい。

P298
豊中インターから阪神高速池田線に入りカーナビの指示で梅田出口を降りるが、ここで早速郁はパニックに陥った。
「梅田、梅田出口ってなってますけど大阪じゃなくて大丈夫なんですか!?」
「この辺りは大阪も梅田も同じ場所を言います、呼び方が違うだけですから!」
「おんなじ場所で地名が違うなんて反則」


確かに、関西の人間でないと分からないでしょうね。
ちなみに、天王寺も阿倍野を含む場合があり、知らない方は混乱する。
(環状線は天王寺駅、近鉄は阿部野橋駅)
漢字では阿倍野と阿部野の2種類あって使い分けるが、混乱を避けるため「あべの」とひらがな表記する場合も多い。(明治22年、天王寺村と阿部野村が合併して東成郡天王寺村となった・・・これが一因と言われる。興味ある方は
、自分で調べてみて)
さてこの後、郁たちは大阪駅前ヒルトンに泊まる。翌日、阪神百貨店に出かけて、変装のため、服を買おうとするシーンが面白い。

店員さんに、郁が言う。P310
「このおじさんを、大阪で一番目立たないおじさんにしてください」
「でしたらお客様、フロアを間違えておられます」
こちらへどうぞ、とおばさんはエレベーターに二人を案内した。
おばさんが下りた階で、二人は問答無用でそのフロアのバックヤードへ引っ張り込まれた。
「ちょお、みんな!おもろいお客さん来はったで!」
「何や、あんた売り場違うやんか」


作業中だったおばさんたちが、「ほい来た!」と役割分担をはじめた。
郁はあっけにとられる。
一体何だこのテンションは、これが大阪のノリか、と。
もう、状況が目に見えるようだ。

【ネット上の紹介】
原発テロが発生した。それを受け、著作の内容がテロに酷似しているとされた人気作家・当麻蔵人に、身柄確保をもくろむ良化隊の影が迫る。当麻を護るため、様々な策が講じられるが状況は悪化。郁たち図書隊は一発逆転の秘策を打つことに。しかし、その最中に堂上は重傷を負ってしまう。動謡する郁。そんな彼女に、堂上は任務の遂行を託すのだった―「お前はやれる」。表現の自由、そして恋の結末は!?感動の本編最終巻。