難病

　私は脊髄小脳変性症という、小脳が萎縮していく進行性の難病です。そのためにあらゆる運動機能が、働かなくなるという最悪の状態になる可能性があります。お蔭様で病気の進行速度がゆっくりと進むために、私の今の症状は、バランスのとれないふらふらの足と、ろれつが回らないしゃべり方、両方の目で物を見ると、２重に見えてしまうという困難さ、液体を飲み込もうとしたときに、食道に誘導されずに、器官に誘導されるときがあるので、怖い。このような症状が現れている。一生付き合っていかなければならない症状なので、半分あきらめの境地である。今日は月に一回通っている主治医に見てもらう日である。物体を正確に見るために左目を瞑ってしまう癖があるので、左目が炎症を起こして充血してしまった。今日先生に会ったときに目薬をもらうことにしよう。それに安定剤のデバスは、寝る前に３錠ずつ飲んでいるので、１カ月分必ずもらうことにしている。この薬は私にとって守り神のような薬である。神経がいらだって眠れなくなるときがあるからである。

蝉しぐれ

　
　私の住んでいるマンションからも、激しく蝉しぐれが聞こえる季節になった。２，３日前は１匹だけ泣いていただけなのに、今ではじゃんじゃん泣いている。この声を聞くと、夏がやってきたなと毎年思うのである。いつもの夏なら、とっくに冷房を入れているのに、今年は６月の最後に入れただけで、７月には入れていない日が多いと思う。毎年この季節になると妻が光熱費を気にするので、こっちとしても気にかかる。今年は例年になく涼しいので、すごしやすい。毎年京都は祇園まつりが終わる今頃の季節から、猛暑が続くのだが、今年に限ってはまだ免れているみたいである。こんな悠長なことを言っていたら、これから猛暑が押し寄せてきてえらい目にあうかもしれない。世界的に見れば、エルニーニョだかラニーニョだか知らないが、ペルー沖の海水温度が異常らしい。それが日本にまで影響を及ぼすといわれている。どっちにしても異常気象で、変な天気にならなければ良いのであるが。私はいつまでもこの蝉しぐれが、泣き止まないように、毎年繰り返されるように祈るのみである。