明日の風に吹かれて

日々の感じることを感じるままを綴っていきます。 明日が佳き日になりますように。

鴨居玲@伊丹市立美術館

2015年12月22日 17時45分24秒 | つれづれ
居玲@伊丹市立美術館

1985年に57歳という早すぎる生涯を自らで閉じてから30年。

なかなか良かった。
良かったというより重かったかな...



背景も殆ど描かず人物だけを粗く描く。その人物には表情がないというか、あるいは虚ろ。

それは恐らく鴨居自身の心の奥底の闇と苦しさなんだろう。

死後、アトリエに残されたパレットの裏には「苦しいのです、苦しいのです」と書かれていたそうだ。


「蝿」
蝿。疲れきって座り、それを力なく目で追う老人

「踊り候え」
酒気と汗を撒き散らし、よたりながら踊る酔っ払い

「風船」
色鮮やかな紙風船を見る老人 その目はまるでただ穴が空いただけのよう

「老兵」
片腕を無くした老兵 そこに漂う怒り、孤独、悲嘆

「出を待つ道化師」
ポスターにもなった作品。本番を前にしたふてぶてしさに漂う虚無感。お前、所詮人生っていうのはさ.,

「酔って候」
この酔っ払いの足取りのおぼつかなさ、いい。

「蛾」コンテ
一気に描く線が素晴らしい

最後の神戸時代は自画像がすこぶる多い。見詰める対象がどんどん内なる自分自身になってきて、最後の最後は自分に追い詰められてしまったということか?