翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

和訳と英訳-その3

2005年03月19日 | 英語・翻訳
先日のリーガル日英の授業で「英日と日英のどちらか難しいと思いますか?」と聞いてみました。
回答はほぼ同数でしたが、英日の方がちょっと多かったかな。

もちろん、どちらも難易度はさまざまですが、どちらか一方を選べと言われれば英日の方が難しい。
なにしろ、ビジネスは日本より○十年先に進んでいますから。(最近の株式をめぐる攻防を見ても、日本がいかに遅れているかがわかるのでは?)
実際、日本では実務化されていない内容も仕事では来ます。
そういう場合は、その数年後にやっと日本で話題が出始めるといった具合。さらにその数年後に法整備の話が出てくる。

これまでの翻訳経験において「心底難しい」と思ったのは2件、どちらも英日です。

一方、日英は固有の難しさがあります。それは日本語独特の表現です。
日本人はストレートに言うと相手に失礼にあたるのではないかという「謙譲は美徳」精神が強い。
でも、これは外国を相手にしたビジネスでは通じません。
六角形の五辺を通るような日本語表現をそのまま英語にしたら一体何を言わんとしているのか相手には通じないでしょう。(あっ、法律も悪文は多いですよ)
この点、活きた英文を体得していればネイティブに通じる英文が書けるようになります(要努力)。

翻訳学習は
英日から入り、日英で鍛錬し、また英日に戻るって感じかな・・・。

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「パズルを解く喜び」、通訳者のろーんうるふさん(リンクに感謝致します)も経験されているのですね。嬉しいですね!