石原俊著、岩波書店刊
マニアはマニアの世界として措き、実用範囲を少し超えたオーディオの在り方を提案しており、類書とは趣を異にしています。本書は2002年に発行されたので、当時の状況を元に書かれていますが、全く古さを感じません。音楽を楽しむことが最終目的であることを踏まえており、マニアックな立場を押さえつつも、マニアのこだわりや知識、テクニックを分かり易く整然と述べています。何より好感を持てたのは、 . . . 本文を読む
1998年公開のアメリカ映画です。突然目覚めた主人公は、記憶をなくしており、謎の一味に付け狙われます。追いつ追われつしつつ主人公は次第に核心に迫って行くのですが・・・。
正統派SF映画としても一流ですが、脚本、美術、演出、CGなど、すべてにおいて一級品です。ヒロイン役のジェニファー・コネリーは、20代後半であるものの、まだ幼さが感じられますが、三年後の輝くばかりの美しさを見せた「ビューティフルマイ . . . 本文を読む
上阪徹著、角川SSC新書刊
クックパッドというサイトの名前に覚えがあり本書を手に取りました。そう言えば、ネットでレシピを調べたときにヒットしたのでした。本書は、そのサイトを立ち上げ成功した経営者の考え方と、具体的なサイト運営の実態をレポートしています。著者は、ビジネスで成功した経営者の共通の特徴を”謙虚”であるとしています。原点を忘れず目先の利害に囚われず経営して行くことで、時代やニーズの変化に対 . . . 本文を読む
200年公開のアメリカとイギリスの合作によるSF映画です。古典的なSF映画のテイストです。全くのご都合主義のストーリー展開です。潔い。監督のケリー・コンランはかなりのオタクだと思います。それにしても、主演のジュード・ロウで、恋人役がグウィネス・パルトロー。フランキーという謎めいた女将校をアンジェリーナ・ジョリーが演じており、本気モードのオタク映画という感じです。映像が素晴らしい。ここまで拘れば、た . . . 本文を読む
常田さんの語りを生で聞く機会があったので、早速出掛けました。もう30年近く前、子供達が小さい頃は、毎週「まんが日本昔話」を見ていました。市原悦子さんと常田富士男さんの語りによる独特の世界は、本当に素晴らしかった。久し振りに、そして本物に触れることが出来ました。
下記URLによれば、常田さんは1937年生まれとのことなので、今は78歳。小柄で髭などが真っ白く、大分お年を召しているように見えましたが、 . . . 本文を読む
1998年公開のアメリカのSF映画です。今日の技術CG映画から見ると見劣りしますが、17年前の時点では、最新のCG技術を駆使して作成されているようです。下記URLによれば、「宇宙家族ロビンソン」を映画化したそうで、成る程、正統派のSF映画です。ゲイリー・オールドマンが悪役で出演していて、良い感じです。
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坂東眞砂子著、文春文庫刊
坂東さんの著作が気になっていましたが、読むのは本作が初めてです。本書は7編の短編が収録されています。それぞれ、冒頭で登場する人物が一人称で語り、その後が物語の本体を三人称で、最後に人物が再度語る、という共通の構成です。どの作品でも女性の濃密な性が含まれており、作品に石を飲み込んだような重い後味を残しています。ホラーと言うよりも、人の業を描いていて秀逸です。
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2010年の日本映画です。緩い性格の主人公の女性は訳あって故郷を飛び出し、東京で五年間暮らしていますが、すべてにおいて「しょーがい」という言葉が口癖です。それが、父親の重い病気で帰らざるを得なくなってしまいます。しかも、成り行きで付き合っていた、バツイチの上司(だった男)と。
帰郷すると、周囲の人達からは散々にこき下ろされ、実家の工場の業績も降りません。おまけに、その工場で働いている同級生に、とん . . . 本文を読む
栗原裕孝著、論創社刊
本書の副題は「BORN TO BE CHEAP」とありますが、ステッペンウルフ「BORN TO BE WILD」のもじりでしょうか。フリーのイラストレーターである著者は、実家で家庭を築いており、30歳を過ぎてオートバイの免許を取ります。250CCのバイクを購入し、少しずつ運転技術を磨いて、行動範囲を広げつつ、やがてツーリング自体からどこかに彷徨うことに狙いがシフトして行きます . . . 本文を読む
2013年公開のアメリカ映画です。潜入麻薬捜査官が任務を終えた後引退します。妻が亡くなり、その地元に娘と暮らし始めるのですが、ふとしたことからトラブルが・・・。
主演のジェイソン・ステイサムが相変わらず格好良い。娘役のイザベラ・ヴィドヴィッチも上手です。最近は日本でも子役が余りに上手いので大人の俳優を喰ってしまうことがあります。将来が楽しみです。
敵役のゲイターを演じるジェームズ・フランコが、ハン . . . 本文を読む
白石一文著、講談社文庫刊
著者の父上の白石一郎さんの作品は何冊か読みました。面白かった。その息子さんがどのような作品を書いているのかに、かねてから興味を持っていましたが、やっと本書を手に取りました。というのも、私の好みの傾向に近い山本周五郎賞を受賞した作品だからです。
さて、読了して茫然自失。全くの新しいスタイルの小説です。主人公である優秀な編集者の視点から物語が進みますが、同時に、多くの引用と思 . . . 本文を読む
地下鉄 大江戸線の上野御徒町駅で降りトイレに入りました。雨の予報で笠を持っていたので、傘を置こうとして目の前を何気なく見ると、写真の通り傘を掛けるよう表示がありました。いかにも手作り感満載で、格好は良くないけれど、一生懸命な感じに好感度が大アップ。恐らく、スリップ防止の樹脂製のシートを頃合いの大きさに切り、両面テープで貼り付けたのでしょう。テプラテープで表示までしてあります。流石日本人!
考えてみ . . . 本文を読む
アナログの素材をデジタル化する機器はそれ程高くありません。私は、ビデオのデジタル化は、BUFFALO の PC-SDVD/U2G を使用しています。バンドルされているソフトは「VHS to DVD 2.5 SE」というものですが、これは、自動的にDVD一枚分の容量でファイルを分割してしまいます。また、ブルーレイドライブなどにバンドルされている動画編集ソフト(PowerDirector)を使っても「 . . . 本文を読む
赤瀬川原平著、東京書籍刊
多彩で面白好きの赤瀬川さんが撮りためた「???」な写真を掲載しています。途中5つの文章が掲載されており、短文ながら、氏の考え方などが凝縮されています。それにしても、写真に添えられたタイトルと短い解説文が素晴らしい。写真はタイトルが付くことにより意味付けられることがよ~く分かります。フツーの写真がへぇ~、という感じになってしまうものもあります。このセンスはすんごい。
私も散 . . . 本文を読む
東武池袋店で開催された伝統的工芸展で見掛けた物に惹き付けられて見入っていると、その店の中村秀子さん(代表とのことです)が声を掛けて下さいました。極上の筆と墨をコラボして開発した商品だそうです。中村さんの会社は筆を、そして色の付いた墨は日本でただ一人の名人が作っている墨だそうですが、色が付いているではありませんか。「私がこれが本当に墨なのですか」と尋ねると「臭いを嗅いでください」とのこと。確かに墨の . . . 本文を読む