読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

グラン・トリノ

2009年04月26日 20時30分38秒 | ■見る
「チェンジリング」に引き続いてのクリント・イーストウッド監督の作品です。しかも、この度は主演です。「チェンジリング」の時もそうですが、登場人物にリアリティがあります。小説でも、リアリティが大きな要素です。とりわけ、本作の主人公は癖のある老人役です。今この瞬間にも、主人公がかんしゃくを起こしそうな時に発するうなり声が思い出されます。目を見開いて歯を食いしばって身内からわき起こる怒りを抑えている。そのような感じでしょうか。
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URL => http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/mainsite/index.html
     http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/mainsite/assets/pdfs/GRAN_TORINO_Final_Notes_and_Bios.pdf
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上記のURLの下ものには、作品の詳しい解説が示されています。それを呼んで映画を観ると、より深く味わえると思います。「自由の国 アメリカ」は、かつて白人が支配し、「白人の人類愛」という思い遣りで黒人や黄色人種が存在を許されているようでした。しかし、世界中から様々な移民を受け入れて来た現代のアメリカは、揺るぎない自信が大いに傾きつつあるようです。経済も危うく、世界の覇権をこのままずっと握り続けることができるのか。ボーイスカウトであったアメリカは、今大きな岐路に立ち至っているのではないか。そうした背景の上に、この作品が登場したように思います。
相変わらず、クリント・イーストウッドの誠実さが込められた作品でした。
評価は4です。

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