
杉本貴司著、日本経済新聞出版
今まで、アメリカのネット関係の成功者をテーマにした書籍を色々読みました。
アマゾンでの評価を参考にして選んだお陰か、ほとんどが良い読後感でした。
日本人の成功者の著作は、アメリカ人が書くものとはかなり違った表現で、事実だけでなく人柄や信念などの人間性を色濃く反映している様に感じます。
「プロジェクトX」の様な人間ドラマ仕立ての傾向を感じます。
しかし、どちらの書きぶりも内容が良ければ問題なく、それぞれに味わい深く感じます。
本書は、登場する沢山の人々の行動や考え方と辿った道を跡付けており、記者である著者の在り方を反映していると思います。
また、急激な技術と産業の勃興期の、ネット関係のプレーヤー達を中心とした人々の交流と相互の影響を克明に追跡しています。
それらの事実の積み重ねに加え、それぞれの人物の境遇を織り交ぜ、単なる成功と失敗の物語にしていないところに深い共感を覚えました。
最終章「第12章 ネバー・ギブアップ――敗れざる者たち」では、副題の言葉「敗れざる者たち」が深く心に染みました。
数多くの関係者を取材し、現象を整理して理解し、連載の期日に合わせて原稿を書き続けた苦労を想像し、深い敬意を覚えました。
アメリカだけでなく、日本でも、多くの若者が時代の最先端で、夢に向かって悪戦苦闘した事実を知りました。
素晴らしい著作と思います。
著者の、他の著作も読んでみたいと思います。
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○杉本貴司 ○ネット興亡記: 敗れざる者たち 単行本
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評価は5です。
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