
セバスティアン・サルガード著、岩波書店刊
本書の巻末に掲載されている謝辞の中で、本書のプロジェクト・ディレクターのレリア・ワニック・サルガードは、本書のテーマを「全世界的規模で起こりつつある肉体労働の段階的消滅」としています。収録写真に多くの労働者が写っていますが、特徴的なのは「眼差し」です。表紙に使われているのは、インドの炭鉱で働く人々ですが、何を思い何を語ろうとしていいるのか具体的には読み取れません。収録作品中には鋭い眼差しもありますが、労働の合間の休息時にはカメラを見ていながら、別なことを考えているような、あるいは気恥ずかしげな、時に鬱屈した雰囲気などが伝わってきます。表紙の写真では中心人物の目が潤んでいますが、その後ろの人物はしっかりとカメラを凝視しています。そして三人目の若い人ははにかんでいるように見えます。
印象に残ったのは金の採掘の現場とクエートの原油流出の場面です。圧倒的な、想像を絶する状況に心底驚きました。どの様にしてこの写真を撮ったのだろうか。風景だけではなく人を中心に捕らえているのだから、その状況に入り込んでいなければ、これだけの臨場感を感じる写真は撮れないのではないか。写真の奥深さを感じました。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/セバスチャン・サルガド
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評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
=> カメラまかせ 成り行きまかせ
=> カメラまかせ 成り行きまかせ その2
本書の巻末に掲載されている謝辞の中で、本書のプロジェクト・ディレクターのレリア・ワニック・サルガードは、本書のテーマを「全世界的規模で起こりつつある肉体労働の段階的消滅」としています。収録写真に多くの労働者が写っていますが、特徴的なのは「眼差し」です。表紙に使われているのは、インドの炭鉱で働く人々ですが、何を思い何を語ろうとしていいるのか具体的には読み取れません。収録作品中には鋭い眼差しもありますが、労働の合間の休息時にはカメラを見ていながら、別なことを考えているような、あるいは気恥ずかしげな、時に鬱屈した雰囲気などが伝わってきます。表紙の写真では中心人物の目が潤んでいますが、その後ろの人物はしっかりとカメラを凝視しています。そして三人目の若い人ははにかんでいるように見えます。
印象に残ったのは金の採掘の現場とクエートの原油流出の場面です。圧倒的な、想像を絶する状況に心底驚きました。どの様にしてこの写真を撮ったのだろうか。風景だけではなく人を中心に捕らえているのだから、その状況に入り込んでいなければ、これだけの臨場感を感じる写真は撮れないのではないか。写真の奥深さを感じました。
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