
高橋治著、文春文庫刊
本書は、高名な小津安二郎の評伝であると思います。(著者も解説者も、そうではないとしていますが)私は、この高名な映画監督の作品をきちんと見たことがありません。ちょっと見ては、正直「退屈」な感じがして見るのを止してしまったのでした。しかし、余りに名声が高いので、本書を手に取りました。
著者と本人との交わりに始まり、知人へのインタビューによって、多くの資料の点検と検討の末に本書を執筆したのだと思います。生涯独身であった小津の交友関係も含め、唯一無二の個性を深く描いて秀逸です。また、「退屈」と感じる映画の作法や意味を監督として同業者であった著者が解説しており、きちんと作品に向かい合おうという気持ちになりました。
本書の最後に収録された「幻のシンガポール」は、本来別な作品であったものを合わせて文庫本化したものだそうですが、この部分は、小津の理解に不可欠で、本書の魅力を更に深めています。
著者は、単純に小津を尊敬しているだけではなく、複雑な思いが本書に込められています。読むのに時間が掛かりましたが、読了して良かったと思える、優れた著作です。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/高橋治
http://ja.wikipedia.org/wiki/小津安二郎
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評価は5です。
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本書は、高名な小津安二郎の評伝であると思います。(著者も解説者も、そうではないとしていますが)私は、この高名な映画監督の作品をきちんと見たことがありません。ちょっと見ては、正直「退屈」な感じがして見るのを止してしまったのでした。しかし、余りに名声が高いので、本書を手に取りました。
著者と本人との交わりに始まり、知人へのインタビューによって、多くの資料の点検と検討の末に本書を執筆したのだと思います。生涯独身であった小津の交友関係も含め、唯一無二の個性を深く描いて秀逸です。また、「退屈」と感じる映画の作法や意味を監督として同業者であった著者が解説しており、きちんと作品に向かい合おうという気持ちになりました。
本書の最後に収録された「幻のシンガポール」は、本来別な作品であったものを合わせて文庫本化したものだそうですが、この部分は、小津の理解に不可欠で、本書の魅力を更に深めています。
著者は、単純に小津を尊敬しているだけではなく、複雑な思いが本書に込められています。読むのに時間が掛かりましたが、読了して良かったと思える、優れた著作です。
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