
濱嘉之著、文春文庫刊
著者の来歴は、下記リンクによれば「中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁に入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課係長に勤務。2004年、警視で22年勤めた警視庁を退官した。その後衆議院議員政策担当秘書を経て2007年に「警視庁情報官」で作家としてデビューした」との事です。
本作品は2011年出版なので、作家デビューしてから4年後に世に出たようです。
著者の経歴を存分に生かし、組織の構成、階級、慣例など、微に入り細に入り描かれており、戸惑いました。
ここまで必要かな?と感じましたが、読み進める上で、警察特有の組織構造、軍隊のような階級社会、そして年功序列では無い試験による昇進が基本となっているので、それらの知識が必要なのだと納得しました。
大物政治家が大勢の人々の前で刺殺され、犯人は即座に取り押さえられましたが完全黙秘です。
これほどの事件でありながら、犯人の動機や背景などが全く分からない。このままでは、単なる殺人事件で終わってしまうのですが、主人公の青山警部が糸口を辿って、やがて大規模な捜査態勢を敷く必要がある程の広範な犯罪が次第に明らかになってゆき・・・・・。
と言う内容ですが、事件解決の端緒となる過去の類似事案が簡単に分かってしまうのは、いささか「はてな」という感が否めません。
しかし、今まで読んだことの無いタイプの警察小説で、十分に楽しめました。シリーズの既刊作品は12作とのこで、他のシリーズもあるようなので、飽きないように、間を置いて読み進みたいと思います。
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○濱嘉之
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評価は4です。
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