読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

デブの帝国

2011年09月26日 21時15分59秒 | ■読む
グレッグ・クライツァー著、バジリコ刊
現在の世界は食料が偏在しているものの、先進国では十分な食料の供給体制が整っています。このような状況が今後も続くことはあり得ないと思いますが、現時点で、ある国家の国民各層が、飽食による肥満に苦しんでいる状況は、有史以来初めての状況であろうと思います。現に、豊かな日本でさえ、国民の悲願であった好きなだけ白米を食べられるようになったのは昭和40年代なので、つい半世紀程前のことに過ぎません。
さて、本書は、アメリカのあるデブな人が、ふとしたことから減量することになり、見事に成功します。その人こそ著者なのですが、それからしばらくして、アメリカに増えつつある肥満に感心が湧き調べ始めました。その結果、コーンシロップとパーム油が安く大量に供給されることによって、アメリカの食事情が大きく変化し、同時に、男女の勤務形態や人々のリベラル志向、アメリカの経済力の凋落など、様々な状況が、好ましくない食環境を形成し、肥満の蔓延を招いたこと。肥満の危険性の認識が広まるまでに無駄に時間が掛かったため、医療費が大きく増えたのだそうです。
アメリカは様々な論が提起され、様々に議論が交わされる点では日本よりもオープンですが、日本と同様、人々は不都合な真実には目を向けないようです。いまの日本が莫大な借金漬けの状況にありながら、遠くない将来の日本の破綻を見ようとしない状況も同様だと思います。
-------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/肥満
-------------------------------------------
評価は5です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スリーキングス/DVD | トップ | ヒート/DVD »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

■読む」カテゴリの最新記事