佐々木譲著、角川春樹事務所刊
佐々木さんの著作で、「うたう警官」、「警察庁から来た男」に続く”道警シリーズ”の三作目です。昨年読んだ中で、佐々木さん、今野敏さん、そして麻生幾さんの小説が収穫でしたが、佐々木さんの作品も独特の雰囲気があって非常に気に入っています。本作は、前作の「警察庁から来た男」で解決したと思った事件が、実は・・・、という筋書きなのですが、展開に無理がありません。主人公の佐伯や脇役の人々のキャラクター設定も魅力的です。そして、現場の警察官が、階級社会の典型である警察機構の中で、誇りを持ち続けながら、職務に誠実に向かい合う姿勢に共感を感じます。現実の社会や組織では、多くの利害や思惑が絡み合い、複雑な事情が交錯してプリンシプルが見失われがちであるが故に、小説中では、人としてあるべき筋道を貫く姿に感動を覚えるのだと思います。佐々木さんの作品にはそうした矜恃を示してくれています。女性の扱いがイマイチな感がありますが、こうした作品ではありがちだと思います。
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URL => http://www.sasakijo.com/
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評価は5です。
佐々木さんの著作で、「うたう警官」、「警察庁から来た男」に続く”道警シリーズ”の三作目です。昨年読んだ中で、佐々木さん、今野敏さん、そして麻生幾さんの小説が収穫でしたが、佐々木さんの作品も独特の雰囲気があって非常に気に入っています。本作は、前作の「警察庁から来た男」で解決したと思った事件が、実は・・・、という筋書きなのですが、展開に無理がありません。主人公の佐伯や脇役の人々のキャラクター設定も魅力的です。そして、現場の警察官が、階級社会の典型である警察機構の中で、誇りを持ち続けながら、職務に誠実に向かい合う姿勢に共感を感じます。現実の社会や組織では、多くの利害や思惑が絡み合い、複雑な事情が交錯してプリンシプルが見失われがちであるが故に、小説中では、人としてあるべき筋道を貫く姿に感動を覚えるのだと思います。佐々木さんの作品にはそうした矜恃を示してくれています。女性の扱いがイマイチな感がありますが、こうした作品ではありがちだと思います。
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