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読書三昧

本は一冊一冊がワンダーランド。良い本との出会いは一期一会。そんな出会いを綴ります。

ぼくたちは、銀行を作った。 ソニー銀行インサイド・ストーリー

2024年05月09日 10時00分43秒 | ■読む

十時裕樹著、集英社インターナショナル刊
日本では、20世紀末の規制緩和により、それまで新しい銀行の設立を想定していなかった金融行政が大きく転換したのだそうです。

かねてから金融業を関連会社で行うことを目指していたソニーが銀行の設立を目指し、銀行業務を全く知らない著者を担当に据えて設立の研究を進めたのだそうです。
本書は、その後設立認可の見通しが立ったと思われる2001年1月31日からブログで書いた記事が元になっているようです。
章ごとに、文中の言葉や人物などに関する解説があり、分かり易く面白く読めます。

組織が全く経験したことが無い業務を開始するのは極めて困難です。
何らかの関連がある領域なら然程でもないでしょうが、見知らぬ業界への進出は大きな不安と困難が伴います。
そこで、その分野の経験者を引き抜いて対応するのが常道ですが、ソニーが実行しようとしたのは、インターネット上で営業する銀行で、国内に経験者はいなかったので、さぞかし大変であったと思います。

担当した著者の十時さんは1987年に入社したそうで、恐らく大学卒業したてで入社したものと思います。
入社後は、財務関係の業務を主として担ったようですが、銀行業務に関しては素人同然であったのでしょう。
氏と上司となった石井氏や部下たちと共に、波乱に満ちた数年間を過ごした後に設立に至る、険しく果てしないと思われる歩みを始めたのでした。

ブログ記事だけに、のんびりした口調で描写されていますが、ご本人の大らかな(?)気質が反映しているのかもしれません。
下記リンク一つ目によれば、設立が成った後も高い志を貫いて、立派な足跡を残しつつあるようです。

下記リンク3つ目によれば、ソニーグループ株式会社代は、子会社1,521社、関連会社数155社、連結子会社1,488社、持分法適用会社は139社を有する持株会社だそうです。

ソニーは、一時期、グループ内のガバナンスが崩壊し、非効率で迷走を極めたため、業績を大きく悪化させましたことがありました。
その対策として持株会社を立てたのでしょうが(?)、グループの舵取りをするには戦略的な視点と洞察力が欠かせず、優れた知性と先見の明を求められるものと思います。

著者は、58歳の2023年(令和5年)4月にソニーグループ株式会社代表執行役社長COO兼CFOに昇格したのだそうです。
銀行設立の時よりも、強烈なストレスと闘っているのではないでしょうか。
益々ご活躍されんことを!
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ソニー銀行  ○十時裕樹
ソニーグループ  ○持株会社
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評価は4です。

※壁紙専用の別ブログを公開しています。
カメラまかせ 成り行きまかせ  〇カメラまかせ 成り行きまかせその2


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