
ジェイムズ・エルロイ著、文春文庫刊。エルロイの四部作の最終作品をやっと読み終えました。文庫本で700頁弱の長篇ですが、それにもまして、エルロイの”物語”は、2/3位読まないと全体像が見えません。しかし、全体像が見え出すと、途端にその世界に引き込まれてしまいます。「ブラック・ダリア」や「LAコンフィデンシャル」の時もそうでした。残念なことに、四部作の内の第三部目の「ビック・ノーウェア」を飛ばして読んでしまいました。なぜなら、私は、ほとんどの本は古本で読むのですが、手に入っていなかったためです。(エルロイの作品は、中々発見できません)本作に至っては、何と50円で購入しました。ほとんど新品と変わらないのに!「ビック・ノーウェア」は、最近やっと手に入ったのでした。
本作には、巻末に、四部作を基にした年表が掲載されています。四部作の舞台となった1937-1958年までの約20年間の年表です。これを見て、改めて、作品の背景が理解できます。(この年表だけで35頁あります)誠に長大な作品群であることが理解できます。
なお、解説は馳星周さんが書いています。私は「不夜城」で馳さんのファンになりましたが、似た味わいが在ると思っていたら、馳さんの解説で、エルロイに対する思い入れ、とりわけ本作に対する執念のようなものを感じました。
エルロイの作品に登場するのは悪徳警官など、どうしようもない人々ですが、それでも、エルロイは、許せる人とそうでない人を峻別しています。恐らくそれは、自らの行いに後悔の念を覚えるか否かなのだと思います。そして、圧倒的な悪漢(ダドリー・スミス)が、物語の真の主人公であることは、エルロイならではと言えるのだと思います。
評価は5です。
本作には、巻末に、四部作を基にした年表が掲載されています。四部作の舞台となった1937-1958年までの約20年間の年表です。これを見て、改めて、作品の背景が理解できます。(この年表だけで35頁あります)誠に長大な作品群であることが理解できます。
なお、解説は馳星周さんが書いています。私は「不夜城」で馳さんのファンになりましたが、似た味わいが在ると思っていたら、馳さんの解説で、エルロイに対する思い入れ、とりわけ本作に対する執念のようなものを感じました。
エルロイの作品に登場するのは悪徳警官など、どうしようもない人々ですが、それでも、エルロイは、許せる人とそうでない人を峻別しています。恐らくそれは、自らの行いに後悔の念を覚えるか否かなのだと思います。そして、圧倒的な悪漢(ダドリー・スミス)が、物語の真の主人公であることは、エルロイならではと言えるのだと思います。
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