
奥田英朗著、角川文庫刊
愉快で爽やかな一冊でした。もと過激派の闘士であった父は、全くの困り者。喫茶店を営む母に生計を頼り、自分は作家であると自称するものの、稼ぎはなく、家出ごろごろしている。そして、家庭訪問の担任の教師を国家の洗脳教育の手先として論判してしまう。本書はそんな父のいる家庭に長男として生まれた二郎の視点から描かれています。
父親は、知り合いから頼まれて、若者を匿いますが、やがてその若者が起こした騒動が原因となって西表島に引っ越します。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/サウスバウンド
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げんなりした息子の二郎と妹の桃子は、しかし、母がすっかり明るくなり、父親がたくましく働く姿に驚きます。そして地元の人々との交流によって、人の温かさに感化されて行きます。
しかし、平和だったのは、ほんの一時。移り住んだ場所が地上げされており、リゾートホテルが作られることになっていたことから、またまた騒動が持ち上がり・・・。
先の読めない、ありきたりでない展開にハラハラドキドキし、そして少年達の世界が瑞々しく描かれており、秀作でした。同じ作家の著作に登場する伊良部医師のハチャメチャな活躍とは違って、少しはリアリティがあるものの、やっぱりあり得ない話です。しかし、人の心の風景を色彩豊かに描いていて巧です。
評価は4です。
愉快で爽やかな一冊でした。もと過激派の闘士であった父は、全くの困り者。喫茶店を営む母に生計を頼り、自分は作家であると自称するものの、稼ぎはなく、家出ごろごろしている。そして、家庭訪問の担任の教師を国家の洗脳教育の手先として論判してしまう。本書はそんな父のいる家庭に長男として生まれた二郎の視点から描かれています。
父親は、知り合いから頼まれて、若者を匿いますが、やがてその若者が起こした騒動が原因となって西表島に引っ越します。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/サウスバウンド
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げんなりした息子の二郎と妹の桃子は、しかし、母がすっかり明るくなり、父親がたくましく働く姿に驚きます。そして地元の人々との交流によって、人の温かさに感化されて行きます。
しかし、平和だったのは、ほんの一時。移り住んだ場所が地上げされており、リゾートホテルが作られることになっていたことから、またまた騒動が持ち上がり・・・。
先の読めない、ありきたりでない展開にハラハラドキドキし、そして少年達の世界が瑞々しく描かれており、秀作でした。同じ作家の著作に登場する伊良部医師のハチャメチャな活躍とは違って、少しはリアリティがあるものの、やっぱりあり得ない話です。しかし、人の心の風景を色彩豊かに描いていて巧です。
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