
斎藤信哉著、幻冬舎新書刊
タイトルに惹かれて読み始めると、「大量生産は売る為に都合が良いから」日本製のピアノは黒色になったとのこと。
また、日本でピアノが普及し、ヤマハとカワイが大量生産によってピアノを安価に生産して、高度成長期の需要と相まって、日本の一般家庭にピアノが普及したことなどが述べられています。
その後の記述は、高級オーディオ機器を推奨するマニアの議論のようで、非常に偏ったうんちくと自慢話に終始しています。
一般の人々がピアノなどの必需品でないものを買うことが出来、しかも、一定の性能を持つものであることが、大衆社会の文化を底上げしていることを論じていません。
欧米のメーカーが生産する高級品を日本メーカーの普及品と同列に論じる著者の見識を疑いました。
著者も理解はされている思いますが、ご自身の上昇志向故の偏見と感じます。
もっとも、タイトルは出版社が決めるもので、看板に偽りありとは言えません。
もう少し、世間の成り立ちを意識して、欧米の音楽文化の神髄を伝えるという視点で構成したら、印象が変わるかもしれません。
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○斎藤信哉
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