
沢木冬吾著、角川書店刊
沢木さんの全著作6作のうち3冊目を読みました。日本が第二次世界大戦で東南アジアの人々の恨みを買ったのは、食料などの物資を日本から送るという兵站が軽んじられ、その能力に欠けたため、現地の人々から略奪したことが大きいと聞きました。日本人の淡泊な性質は、長期的な戦略的視野に欠け、精神論や情緒に流れることが、その結果の大きな誤算だったようです。
本作は、その負け戦をフィリピンで戦った老人を巡る物語です。現地に残った日本人の末裔やその後のフィリピンと日本の戦後が背景となって重層的な物語を構成しています。肝心の狙撃のシーンに難が見られるものの、登場人物の造形がしっかりとしており、作品に厚みを感じました。沢木さんの独自の境地です。本作は2008年に初版が発売された四作目のようです。後3冊も続いて読む予定です。
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URL => https://ja.wikipedia.org/wiki/沢木冬吾
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評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを公開しています。
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=> カメラまかせ 成り行きまかせ その2
沢木さんの全著作6作のうち3冊目を読みました。日本が第二次世界大戦で東南アジアの人々の恨みを買ったのは、食料などの物資を日本から送るという兵站が軽んじられ、その能力に欠けたため、現地の人々から略奪したことが大きいと聞きました。日本人の淡泊な性質は、長期的な戦略的視野に欠け、精神論や情緒に流れることが、その結果の大きな誤算だったようです。
本作は、その負け戦をフィリピンで戦った老人を巡る物語です。現地に残った日本人の末裔やその後のフィリピンと日本の戦後が背景となって重層的な物語を構成しています。肝心の狙撃のシーンに難が見られるものの、登場人物の造形がしっかりとしており、作品に厚みを感じました。沢木さんの独自の境地です。本作は2008年に初版が発売された四作目のようです。後3冊も続いて読む予定です。
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