
西條奈加著、講談社刊
祖父と娘に孫娘が切り盛りする菓子の店、南星屋を舞台とする人情話のシリーズ、二作目です。
店の近くで行き倒れていた男を助けると、男は菓子職人だという。
怪我が治りきらずに難渋していた治兵衛は臨時に手伝ってももらうことにしました。
仕事に掛かると、すこぶる腕の良い職人としれたが、事情を聞くと・・・・。
菓子作りが中心となって、その周囲を親子三人と縁のある人々が触れあいながら、物語が進んでいきます。
今回は、謎解きが重要な要素となっていますが、治兵衛親子の細やかな感情の綾を繊細に書き込んでいて、登場する菓子と同様に美しい。
平易でさらりとした文章ながら、繊細で奥行きのある物語は、やや甘口の端麗な吟醸酒といったところか。続編が楽しみです。
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○西條奈加
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評価は4です。
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