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湘南ファイブ通信

湘南ファイブが、時事問題、社会問題、季節の便り等について、通信・コメント・写真を発信します。

動物愛護法の改正と武田薬品研究所の巨大な動物実験施設

2011-08-14 16:20:41 | 環境問題
動物愛護法の改正と武田薬品研究所の巨大な動物実験施設


<湘南エチカの会と武田問題対策連絡会が、来年の動物愛護法の改正に実験動物規制条項を入れるよう環境省に要請>

来年(2012年)の動物愛護管理法の改正に向け、現在、環境省に設けられた「動物愛護管理のあり方検討小委員会」で改訂内容が検討されている。改訂項目に、実験動物の規制条項を挿入するよう、8月1日、環境省に対し、動物愛護団体である湘南エチカの会や武田問題対策連絡会が下記のような要望書を提出した。同じ内容の要望書が、動物実験に関係ある厚労省、文科省、農水省にも提出された。
<要望事項>
(1)動物実験施設および実験動物繁殖施設を登録制(又は届出制)にし、国は動物の飼育状況や、基準・指針に基づいた3Rの実施状況等の把握をすること。
(2)動物実験の国際原則である3R(苦痛の軽減・使用数の削減・代替)をより実効性のあるものとすること。
これは、現在、我国では動物実験が薬品会社、大学、研究所等で自由にやられているが、諸外国に比べ動物実験を規制する法律は無く、実験動物福祉や実験動物公害から生活環境を守る立場から、上記のような要請をしたものである。


<武田薬品など医薬品業界は、実験動物規制条項反対の陳情>

これに対し、動物実験を盛んにやっている薬品業界や実験動物業界などから、規制反対の陳情も出されているとのことである。薬品会社の最大手である、武田薬品工業は、今年2月、年間マウス換算で700万匹も飼育出来る巨大な動物実験研究所を完成させ、動物実験を主体とした新薬開発を進めようとしている。動物実験が規制を受ければ自由な研究が阻害され、新薬開発に遅れをとるためとのことであるが、欧米のように、基礎研究をしっかりやり目的を定めた動物実験をやる開発姿勢に対し、我が国のように何の規制も無く自由に動物実験をやらなければ新薬は開発できないという業界の姿勢は、動物実験・新薬開発の後進性の現れと言うべきである。

   ー武田薬品湘南研究所の巨大な動物実験施設ー 5階建て7棟 延べ14万m2 


福島原発事故について責任感を持たない経団連 ー脱原発は国民の声ー

2011-07-24 23:37:04 | 環境問題
福島原発事故について責任感を持たない経団連 
    ―脱原発は、管首相だけでなく国民の声―



7月22日、経団連の夏季フォーラムが軽井沢で開かれ、管首相の「脱原発」に批判が集中したとの事である。今回、国民は、事故の原因を聞けば聞くほど、どんなに日本の実体に合わない安全対策軽視の原子力発電所の建設が進められてきたかを知らされた。多くの日本の原子力発電所は、手っ取り早く原子炉の冷却水を得るため、ほとんどが海岸線近くに建てられている。しかし、海岸近くに建てられているため、今回のように地震に寄る津波によって、冷却系統が破壊され、原子炉が爆発し、広範な地域に放射能がまき散らされ、チェルノブイリ事故と同じレベル7の大事故になった。地震国であるにも係わらず、安全対策が施されていなかったためである。その結果、多くの人が家を捨て避難を余儀なくされ、学校や保育園、食料や牛肉に至るまで放射能で汚染されるという大事故に至ったものである。こうした中で「脱原発」は、管首相だけではなく国民の声となっている。

 このような大事故、大被害を起こしたにもかかわらず、軽井沢に集まった経団連首脳からは、財界が積極的に原子力発電を進めてきた責任について反省する発言は全く聞かれなかった。米倉会長などは、「管首相の頭には被災地の苦しみはまったくない」等と他人ごとのように言っているが、彼らは、首相に文句を言う前に、自らの原子力発電を積極的にすすめてきた責任について国民に謝罪すべきではないか。しかし、経団連の夏季フォーラムでは、事故の責任に着いての発言はほとんど無く、もっぱら、「今後とも3割の原発依存は必要だ」、「管さんがなんと言おうとも原発の海外展開は進めてゆく」、「脱原発は、いかに日本が悲惨な国になるかを忘れた議論だ」など原発推進の発言だけに終始していた。

今回の事故が、どんなに日本国民を苦しめたか、世界にどれだけ大きな被害をもたらしたか、日本の技術がどれだけ世界の評判を落としたか、彼らは気づいていないのだろうか。経団連が事故の反省もなく、原発の海外展開は進めてゆく等と言っても、世界は誰も信用しないだろう。大災害に遭っても整然と行動し復興に取り組む日本人、そしてまた、どんなに追い詰められても、ひるまずひたむきに闘い女子Wカップ優勝を勝ち取った撫子ジャパンが世界から高く賞賛された反面、全く反省のない、身勝手な議論しか出来ない経団連のレベルの低さ、倫理観の無さは、日本人として世界に恥ずかしい限りである。


武田薬品長谷川社長の株主総会マイク取り上げ事件(その3) 動議提案者の抗議と武田薬品の回答

2011-07-06 19:20:37 | 環境問題
6月24日の武田薬品株主総会に於ける長谷川社長の動議提案者にたいするマイク取り上げ事件のその後の顛末について、レポートします。
株主総会終了3日後の6月27日、動議提案者から武田薬品に対し長谷川社長のマイク取り上げ事件対する「抗議・要求書」が提出され、それに対し6月30日武田薬品から「回答書」が出されました。
動議提案者の「抗議・要求書」と武田薬品「回答書」の主な遣り取りは次のようなものです。
①、動議提案者は、事前に文書を提出し後残りわずかであることを承知しながら、長谷川社長はマ  イクを取り上げ、発言を封じたのは不当だと主張しているのに対し、武田回答文書は十分発言  させたと回答してきた。しかし、動議提案者の提案時間は後45秒程度で終了するのに、長谷  川社長の発言封じに要した時間は2分もかかり、返って無駄な時間を要したことになった。他  人の意見を最後まで聞けない長谷川社長の性格を伺い知る事の出来る一幕であった。
②、次いで動議採決の不当性に対する武田の回答は、武田顧問弁護士の意見も聞いた上での回答で  あるとの事であるが、このような専門家の意見が必ずしも正しいと言うことは出来ない。
③、発言封じ部分に対する株主への周知徹底要求については、武田薬品の回答はいずれも出来ない  との事であった。ただし、株主総会議事録には、動議の提案はあったことを記録にとどめると  の見解は示されており、どんな議事録になるか、後日、議事録の閲覧、謄写を武田薬品に要求  したところ、東京本社でなら閲覧、謄写が出来というのが武田の回答であった。

しかし、この問題の本質は、単に株主総会の遣り取り云々の問題ではなく、原子力発電と並んでバイオ研究は新しい分野の研究であり、安全と言われた原子力発電では取り返しの出来ない事故が起こった中で、バイオ研究の危険性を認識し、必要な設備を設置することが、企業の社会的責任(CSR)になっていることに武田薬品長谷川社長として気づいて貰いたいと言うのが、今回の動議の最大の眼目です。是非、経済同友会代表代表幹事でもある武田薬品長谷川社長に再考を求めたいものです。
以下、動議提案者の「抗議・是正要求書」並びに武田薬品の「回答書」を添付しておきます。



      第135回定期株主総会に於ける議長(長谷川社長)の
                違法な議事進行に対する抗議と是正要求書             
                       2011-6-27 修正動議提案者 

第135回株主総会に於いて、株主の第1号議案に対する修正動議の発言中、議長である長谷川社長の、発言中止ならびに係員を使ってのマイクを取り上げ等の行為は、会社法第304条で認められている株主の提案権を不当に侵害する違法行為であり、ここに文書を持って厳重に抗議するとともに、その是正を求めるものである。
長谷川社長が、発言中止を求めたのは、長くなったから止めろというものである。しかし、株主総会に於ける修正動議提案は、単なる株主の一般発言や質問とは異なり会社法に保証された株主の権利で在り不当に制限されるものではなく、また、今回の提案発言が最終段階に入っていることは、長谷川社長も事前に動議提案者が会社に提出した提案文書を見て承知しているにも係わらず、敢えて結論を言わせないまま不当に発言の中止を強要してきたものである。動議提案者は、こういうことが起こらないよう事前に、武田薬品に、提案文章を送付し、総会に於ける文書配布もしくはUSBによる画面表示を求めた。しかるに貴社は、提案者の提案文書の配布もまたUSBによる画面表示も受け付けず、株主総会の前日、口頭発言は保証するからと口頭発言を求めてきたものである。修正動議提案者は、今回、こうした武田薬品の求めに応じ株主総会に於いて、口頭による修正動議の提案を行ったものである。しかし、長谷川社長は、事前のお互いの約束を破り、一方的に「発言の中止を強要し」、提案者は、結論部分の発言が出来ないまま、「マイクを取り上げられてしまった」のである。
こうした長谷川社長の行為は、総会議長としてあるまじき行為であり、提案者の提案権を奪い、一般株主の提案を聴く権利を奪う会社法304条に違反する重大な違法行為を行ったものであるといわなければならない。(経済同友会代表幹事でもある長谷川社長の行為としては、あまりにも乱暴で度量が狭く、他の批判を受けつけない独善的、強権的やり方を目の当たりにしたのは、株主として驚くべき出来事であった。)
また、修正動議の取り扱いについての議事進行においても、本来、当初議題とは別に、討論・採決を行わなければならない問題であるにもかかわらず、当初議題の採決を先行させ、当初議題が拍手で承認されたから修正動議は否決されたとの詭弁で、修正動議の討論も採決も行わないまま総会を終結させてしまったのである。この点についても、長谷川社長は総会の議事進行を司る議長として行なわなければならない本来の責務を怠るという重大な違法行為を行ったものであると言わなければならない。
よって、修正動議提案者として、今回の株主総会は重大な違法行為、瑕疵があり、かかる違法行為に対し厳重に抗議するとともに下記の是正措置を行うよう、要求するものである。
                   記
①、今回の株主総会で一連の不適切な議事進行を行った長谷川社長は、株主の権利を著しく侵害し  たもので在り、株主にたいし謝罪を表明すること。
②、本抗議・是正要求文書を貴社公式HP上に掲載すること
③、途中で発言妨害された修正動議を、全文印刷し、今回の株主総会報告文書とともに全株主に送  付すること。
④、会社の公式HP上でも全文掲載すること。
⑤、株主総会議事録にも全文掲載すること
⑥、今回の修正動議が、討論、裁決いずれも行われなかったということは、審議未了ということで  あり、次回株主総会において継続審議事項として再審議すること。
以上について、6月30日までに、武田薬品工業長谷川社長並びに株主総会担当法務部の正式回答を求める。



             「抗議・是正要求書」に対するご回答書

2011ー6ー30 武田薬品工業株式会社法務部

貴殿が弊社に対し2011年6月27日付けで送付されました「第135回定期株主総会に於ける議長(長谷川社長)の違法な議事進行に対する抗議と是正要求書」と題する書面(以下、「抗議・是正要求書」といいます。)について・以下のとおりご回答申し上げます。

弊社の第135回定時株主総会(以下、「本株主聡会」といいます。)における議長の議事運営は、適法かつ適切なものであり、抗議・是正要求書で貴殿が述べられるような違法ないし項庇は一切ございません。
即ち、まず、本株主総会において貴殿の修正動議の内容等を記載した書面の配布や画面表示を行わないことについては、本株主総会に先立って貴殿からの電話によるお問い合わせにご回答申し上げた際にも既に十分ご説明させて頂いており、また・これらを行わないことは、総会会場についての施設管理権および議長の議事整理権に基づく正当な措置であったということを、ご理解いただきたく存じます。
また、本株主総会において、貴殿が修正動議(かかる修正動議を以下、「本修正動議」といいます。)を提案された際、議長は、貴殿に本修正動議の内容及びその提案理由を述べるための十分な時間をご提供申し上げ、現実に、貴殿からは、本修正動議の内容は勿論・その提案理由についても、議場の一般株主の皆様が十分理解し得る程度のご説明を頂戴しております。議長が、本修正動議の提案理由を簡潔に述べて頂くべく、議事整理権に基づいて貴殿のご発言を初めて遮ったのは、貴殿が本修正動議に関するご説明を始められてから既に5分半以上も経過した後でしたが、貴殿はその後もさらに説明をお続けになり、議長がご発言を打ち切らせていただいた時点までに・本修正動議の内容の合理的な説明は終了し、その提案理由の趣旨も議場の一般株主の皆様に十分伝わっていたことは明らかです。
即ち、(イ)貴殿が準備されていた2011年6月24日付け「第1号議案『剰余金の処分の件』に対する修正動議」と題する書面に記載された本修正動議の提案理由の大要のご説明は既に終えられていたこと、ロ)ご説明いただかなかった箇所の説明がないと本修正動議の提案理由が株主の皆様に合理的に理解されなかったなどとは到底考えられないこと、(ハ)貴殿もご高承のとおり、議場からも「趣旨は分かった」等、貴殿のご発言を打ち切らせるべきとの趣旨のご発言が複数の株主からなされており、議場の一般株主の皆様も本修正動議の審議のために必要な説明は十分受けたと認識されていたことから、本修正動議の審議のために必要な提案理由のご説明は十分にしていただいたことは明らかです。
さらに、質問の機会をお待ちの株主様が他に多数おられたことや、それを踏まえて議長から貴殿にご発言を簡潔におまとめいただくよう複数回お廉いしたにもかかわらずお聞き届けいただけなかったことも考え合わせれば、貴殿のご発言を打ち切らせていただいた議長の議事運営が適法かつ適切なものであったことは明らかです。
また、貴殿からは修正動議の採決方法が違法であったとのご主張もいただいておりますが、第1号議案について、弊社の提案した原案を貴殿の修正案に先んじて株主様にお諮りしたこと、および原案が承認可決されたことをもって、原案と両立しない内容の貴殿の修正案は否決されたものと看徹したことは、いずれも一般に認められた会社法上適法な採決方法であり、この点についての貴殿のご主張は失当であると申し上げざるを得ません0
以上の次第でございますので、抗議・是正要求書記載のご要望①は、当社としてお受けする理由がなく、謝罪の表明はいたしかねます。また、抗議・是正要求書記載のご要望②③④のいずれも、弊社においてこれらの行為を行う義務は何らなく、お受けできません。
抗議・是正要求書記載のご要望⑤につきましては、弊社といたしまして、本株主総会の議事録は、会社法及び会社法施行規則に従い、適法に作成させていただく所存でございますが、株主総会の議事につきましては、株主総会の議事の経過の要嶺及びその結果(会社法施行規則第72条第3項第2号)を記載すれば足りることとされており・貴殿から本修正動議のご提出があった事実等については当然に記載させていただくものの、本修正動議の全文を議事録に記載することは予定しておりません。抗議・是正要求書記載のご要望⑥につきましては、本修正動議は適法な審議を経て原案の可決によって既に適法に否決されていることから、次回株主総会において継続事項として取り扱う理由はございません。
なお、当日の議長による議事運営が適切・適法であったという点を含め、以上ご説明・ご回答申し上げた内容につきましては、本株主総会に臨席した弊社顧問弁護士の見解も踏まえたものでありますこと、念のため申し添えます。
貴殿におかれましては、以上をご理解いただきました上、今後も株主様として弊社をご支援いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。






武田薬品長谷川社長の株主総会マイク取り上げ事件(その2)

2011-06-29 06:27:25 | 環境問題
昨日のブログで、修正動議が提案された武田薬品工業の株主総会で、議長である長谷川社長が発言中の提案者からマイクを取り上げ、発言を封じた事件を報告しましたが、一体、長谷川社長が修正動議のどんな内容が気に入らなくてこんな暴挙に出たのか、動議の全文と、発言封じの箇所をお知らせします。
なお、この修正動議の全文は、事前に提案者から武田薬品株主総会担当部門に送付され、総会での配布を要請していたものであるが、口頭発言を保証するからと配布は出来ないと拒否されていたものである。長谷川社長も事前にこうした約束と提案文書の存在を承知しながら、企業の社会的責任を追及される段になると頭に来たのか発言封じの暴挙に出たものである。
以下、修正動議の全文と長谷川社長が発言封じマイク取り上げの暴挙に出た箇所を赤字で示します。 

 <第135回武田薬品工業定期株主総会
        第1号議案「剰余金の処分の件」に対する修正動議>

会社法第304条に定められた株主総会に於ける株主の議案提案権に基づき、次の修正動議を提案いたします。

<修正動議内容>
本総会に対する取締役会の提案は、期末配当に関する事項 株主に対する配当財産の割り当てに関する事項およびその総額 当社普通株式1株につき、金90円 総額71,050,781,310円とするとなっていますが、修正提案は
①、期末配当を、普通株式1株につき、金86円 総額67,892,969,252円とし、
②、1株につき4円の期末配当予定金額、総額3,157,812,058円を、湘南新研究所に未設置の排水処理施設の建設費に充てる、と修正するものです。

<修正動議提案理由>
お手持ちの134期事業活動報告書12頁に記載されているように、武田薬品工業は、去る2月19日、藤沢・鎌倉にまたがる旧アリナミン湘南工場跡地に、巨大な創薬・バイオ・遺伝子組み換え・P3・RI・動物実験研究所を完成させました。
この湘南新研究所からは、1日2300m3もの汚染排水が放出されますが、排水処理施設が研究所施設内に設置されていないのです。従来、アリナミン工場時代は排水処理装置が敷地内に設置され、自社処理を行っていたのですが、今回研究所を作るに当たって、研究所排水は工場排水では無い、市民の生活排水と同じだから、公共下水道に流しても良いとの判断で、研究所に排水処理設備を作らないまま、操業を始めてしまったのです。
<研究所排水は、排出者自らが処理すべきもの>
1 研究所建設に当たって、武田薬品工業が藤沢市との間で締結している協定によると、研究所で  発生した排水は、自社内で十分に処理されないまま、公共下水道を通って公共の下水処理施設  で処理されることになっている。
2 しかし、藤沢市の下水処理施設には、この研究所の創薬、バイオ、遺伝子組み換え、RI,動物  実験などによる排水を完全に処理する能力はないはずである。何故ならば、この施設はその開  設以来藤沢市が、生産工程から発生する排水を一切受け入れないという趣旨の協定を、市内に  立地する約50社の工場及び周辺住民との間で締結することによって、運用されてきているか  らである。武田薬品だけが、研究所だからと言ってこの協定を破って良い訳はない
3 研究所を名乗っているからといって、工場排水より安全だと言うことは出来ない。東海村原子  力研究所の排水も、研究所排水だから安全だとは言えない。要は、排水の中味である。   
4 従って、このままの状態で武田研究所が本格稼働すると、いつかは、生産工程排水よりも遙か  に危険なバイオ排水が、藤沢市の下水処理施設で十分に処理されないまま、公共の河川を通じ  て、江の島の海に排出されるおそれがある。
5 このような事態が発生し、それが武田薬品研究所に基づくものであることが特定されたなら   ば、会社の株価が大幅に下落し、株主は大きな損害を被ることになるであろう。
6 これを避けるために、今期の配当金の一部を削って、自社内に排水処理施設を建設すること、  そしてこの施設を使って、研究活動によって発生する汚染物を処理し、上澄み水を循環再利用  しよう、と言うのが私の提案です。
<研究所排水の安全性に対する武田薬品工業の社会的責任>
株主の皆さん、今、多くの人々が新しい薬を求めています。そうした要請に応えていくのは薬品会社の社会的使命です。しかし、創薬、バイオ、遺伝子組み換え、RI、動物実験研究には危険性はつきものです。100%安全などということはありません。しかも、新研究所の立地場所は、外国にも著名な湘南の地に在り、研究所排水は観光地江の島海岸に流れ着き、隣りは徳州会の14階建の大病院や人口の密集した住宅地です。こうした場所につくる研究所は、2重、3重の安全が計られなければなりません。
4月から長谷川社長が経済同友会の代表幹事に就任され、日本のリーディングカンパニーとなった武田薬品工業が、他の企業との足並みを乱し、市と結んだ協定を破って住民のひんしゅくを買ったり、危険な研究所排水を下水道に流し江の島を汚すなどということが許されることではありません。原子力発電と並んでバイオ研究は新しい分野の研究です。安全と言われた原子力発電では取り返しの出来ない事故が起こりました。バイオ研究とて他人事ではありません。行政と一体となった「安全神話」を振りまくだけの住民対策は、原発事故で破綻しました。「安全神話」ではなく、バイオ研究の危険性を認識し、住民と協力して環境を守ることが、企業の社会的責任(CSR)であるといわなければなりません。
企業がいったん操業を始めてから途中で変えるのはいかがなものか、と思われる方もあろうかと思いますが、住民の反対の強かった実験動物焼却炉は、完成した後、武田薬品工業の判断で外注委託に切り替え、住民の皆さんから大いに評価されました。
(ここで、長谷川社長、発言中止を強要、マイク取り上げ、以下、発言出来ず)
長く地域住民との共存を図るためには、研究所の排水処理施設とて同じ事です。排水処理装置を設置し、排水の循環リサイクルを行えば、環境の保全ばかりでなく、新研究所の年間2億円近い下水道料金も節約され、また1日4500m3も使用する上水道料金も大幅に削減できるというメリットも生まれます。
皆さん方には、配当金の一部減額の提案となりますが、株主として、会社が、世間に迷惑をかけるようなことのないよう、多少、我が身を削ってでも、社会と共存できる設備を設置することが武田薬品工業の社会的信用と今後の発展のために必要だという観点から、是非、多くの皆さんのご賛同を頂きたく、ご提案致します。   
           

武田薬品定期株主総会に出された修正動議と長谷川社長の高圧的対応

2011-06-28 11:48:17 | 環境問題
6月24日、大阪城の近くのホテルニューオオタニで行われた武田薬品の第135回定期株主総会で、出席した株主から「一部配当金を削って研究所の排水処理装置を作れ」という修正動議が提案されました。

以下、修正動議を巡る顛末をレポートします。
<動議の内容は>、
普通株式1株につき、配当金金90円 総額71,050,781,310円とするとなっていますが、これを
①、期末配当を、普通株式1株につき、金86円 総額67,892,969,252円とし、
②、1株につき4円の期末配当予定金額、総額3,157,812,058円を、湘南新研究所に未設置の排水処理施設の建設費に充てる、と修正しようというものです。
<こうした動議が出された背景は>
武田薬品工業は、今年の2月、藤沢・鎌倉にまたがる旧アリナミン湘南工場跡地に、巨大な創薬・バイオ・遺伝子組み換え・P3・RI・動物実験研究所を完成させましたが、研究所内には排水処理施設が設置されていないので、研究所内に排水処理装置を設置せよとの住民運動がおこっていたことによるものです。
<住民の主張は>
これまで藤沢市には、武田薬品も含め市内に立地する約50社との間に、生産工程から発生する排水を一切受け入れないという協定があるにもかかわらず、武田薬品は研究所は工場にあらずと言って協定を守らないのはおかしい、東海村原子力研究所も、研究所排水だから安全だとは言えないのと同じ事である。このまま武田研究所が本格稼働すると、いつかは、生産工程排水よりも遙かに危険なバイオ排水が、藤沢市の下水処理施設で十分に処理されないまま、公共の河川を通じて、江の島の海に排出されるおそれがある。 これを避けるために、今期の配当金の一部を削って、自社内に排水処理施設を建設すること、そしてこの施設を使って、研究活動によって発生する汚染物を処理し、上澄み水を循環再利用しよう、と言うのが提案の趣旨です。
<武田薬品長谷川社長の対応は>
最初の内は議長である武田薬品の長谷川社長も黙って聴いていたのですが、後段の企業の社会的責任の部分に入ると、突然「提案が長い」などと提案者に言いがかりつけ、発言の中止させ、マイクを取り上げてしまったのです。残念ながら総会の議長である長谷川社長の不当な議事運営によって、動議は採決されないまま総会は終了されてしまいました。しかし、大勢の株主の前で武田研究所の問題点を発言されたことは、3000人もの株主に与えたインパクトは大きく、それだからこそ長谷川社長が発言中止を求めたのではないかと思われます。それにしても、今回、経済同友会代表幹事でもある長谷川社長の対応を目の当たりにして、あまりにも乱暴で度量が狭く、他の批判を受けつけない独善的、高圧的やり方に、株主としては驚くべき出来事でした。