湘南ファイブ通信

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武田薬品株主総会  長谷川社長、湘南研究所のバイオ排水漏えい事故の 「外部調査会社」の公表を拒否

2013-06-30 18:38:23 | 環境問題

6月26日の武田薬品工業株主総会

長谷川社長、湘南研究所のバイオ排水漏えい事故の
        「外部調査会社」の公表を拒否






さる6月26日、大阪府立体育館に於いて、武田薬品第137回株主総会がもたれた。席上、株主より 2011年11月藤沢市にある湘南研究所で発生した遺伝子組み換え排水漏洩事故について、今年1月、その調査結果が発表されたが、調査を実施した企業名が記されていないので、その企業名を公表してほしいとの発言があった
しかし、答弁に立った長谷川社長は、調査を実施した第三者機関の企業名の公表を拒否。理由は、調査会社の選定については、数多くの外国のコンサルタントの中から、武田が信頼の置ける会社を選んだものであり、当該企業との約束もあって名前は公表できないと言うものであった。
株主は、企業名を公表しない等と言うことは、調査報告書の信頼性を著しく欠くものであり、どういう理由で公表しないことにしたのか分からないが、内外に調査実施を公約した武田薬品の社会的責任を果たす上からも、是非会社名を公表して欲しいと迫ったが、長谷川社長によって、それも拒否されたものである。


パソコン検索で外部調査会社の名前が明らかになっているのに、
                公表を拒否し続ける武田薬品の非常識

株主は、更に、パソコン検索で明らかになった企業名を上げて公表を迫ったが、長谷川社長は、頑なに公表を拒否し続けた。パソコン検索で明らかになった調査会社の企業名は、英国に本社のあるERM(イー・アール・エム)日本という会社である。下記資料に示すように、武田薬品が公表した調査会社の概要とERM日本がパソコンで公表している会社概要が合致していることから、武田が秘匿し続ける調査実施企業の名前は、ERM日本と判明したものである。
長谷川社長はパソコン検索で企業名が明きらかになっているのに公表を拒否し続けるというのはどういうことなのか。湘南研究所のある地元市民からも、行政や藤沢市議会、鎌倉市議会からも公表を要請されながら、武田の私的な調査依頼だからとか、相手の企業との約束だから、と称して名前を公表しないなどと云うことは絶対に許されることではない。

資料1 <武田薬品が名前を秘匿して発表した調査会社の会社概要>
 
企業概要  ~外資系コンサルティング企業
          労働安全衛生、社会、環境関連サービス
規模・拠点数~4,000名以上の専門家
          世界で40ヶ国、140ヵ所以上のオフィス
実績    ~労働安全衛生、社会、環境関連サービスを40年以上にわたって提供、世界有数の環境
       コンサルティング企業として、多数の受賞実績在り
強み    ~日系企業を含む多くの多国籍企業に対する環境安全評価業務実績があり、国際的な事
       例と比較した評価を行うことができる
  
資料2 <ERM日本(株)が、ホームページで公表している会社概要>

イー・アール・エム日本株式会社はERMグループの日本法人であり、日本企業、政府機関、日本で事業展 開する多国籍企業に対してサービスを提供しております。ERMは環境・社会・労働安全衛生に関わるリ スクマネジメントを専門に手がける世界有数のコンサルティング企業です。現在、世界約40ヶ国に140以上のオフィスを有し、4,000名超の専門家を擁しております。
商号     イー・アール・エム日本株式会社(ERM Japan Ltd.)
所在地      〒220-8119 横浜市西区みなとみらい2-2-1 
              横浜ランドマークタワー19階 TEL 045(640)3780  
ERMグループ   Global site
本社所在地 英国 ロンドン
事業所所在国数 40カ国(2012年1月現在)
オフィス数 140ヶ所(2012年1月現在)
従業員数 4000名(2012年1月現在)


何故、武田薬品は外部調査会社の名前の公表を拒否するのか
        独善的で独りよがりの安全対策はもっとも危険


今回の調査会社名の非公開は、相手会社との約束によるものだとしているが、調査報告の中味を見る限り、公表して差しつかえるものは何も見当たらない。特に会社名を秘匿してまで機密を守らなければならない内容もない。一般常識から言えば、アセスを実施した会社名をあげ、その会社の調査である事によって、アセスの信憑性が高まるものであるが、今回のケースは逆で、調査会社を公表しなくても、武田薬品が最も適切であると判断して依頼した会社からの調査報告だから名前を公表しなくとも信用できるという武田薬品本位の長谷川社長の言い分には、呆れるばかりである。
何故、武田薬品は頑なに外部調査会社の名前の公表を拒否するのか。実際問題として、今回の調査報告書は、バイオ事故に対する調査報告になっていないところに問題がある。調査目的についても、単なる設備、機器、等の安全生ばかりで無く、バイオ研究所としての安全性を調べるのが本来の調査の目的であったはずなのに、その点についてほとんど触れられていない。肝心の事故を起こした集中滅菌方式についても、武田が従来からやっていた方式であり効率的である、行政から何の指摘もない、という武田の言い分を是認するだけで、調査会社独自の見解はほとんどみあたらない。調査会社としても、バイオ事故原因調査として請けたのではないのか。報告書は研究所全体の安全調査がほとんどである。自らが実施した調査報告に肝心の会社名すら公表しない調査報告など、信用性に乏しく、とうてい社会的認知が受けられるものではない。独善的で独りよがりの安全対策は最も危険である。真に武田薬品湘南研究所の安全性を検証するには、再度、名前を公開した別のバイオ専門の調査会社による安全調査が求められているといわなければならない。

家庭でできる・プランターを使った生ゴミ堆肥化システム ー家庭の生ゴミが、1ヶ月でさらさら堆肥にー

2013-05-06 13:55:39 | 環境問題
<定年おやじの生ゴミ堆肥化実践記>
    家庭でできる・プランターを使った生ゴミ堆肥化システム
         ー家庭の生ゴミが、1ヶ月でさらさら堆肥にー


<はじめに>

今回、ご紹介する家庭用生ゴミ堆肥化システムというのは、プランターを使った都市型のホームコンポストシステムです。各家庭の軒下でできるので広い庭も入りません。できあがり製品はさらさらに乾き、ふるいで振るえば製品は、5mm以下の顆粒状になりますので、長期保存もできます。堆肥にするための発効酵母は、最初だけ市販の発酵菌を使いますが、2回目以降はヨーグルトなどと同じで、できた堆肥を繰り返し使いますので、お金もかかりません。又、狭い住宅地では隣と接近している家屋が多く臭気が気になりますが、強力な発酵菌である「生ゴミ食いしん坊菌」を使えば、ほとんど匂いはありません。(とにかく、この「生ゴミ食いしん坊菌」の発酵能力の大きさにはビックリしました。)
これまで、コンポスターなどを使って地中に埋め込んでいた方も、この方式を使えば地中に埋め込む必要も無く、プランターの中で全部堆肥化が進みますので、後の始末もよく、匂いや環境汚染で近所に迷惑をかけることもありません。一度始めたら、面白いようの良質の堆肥が次々と生まれますので、これから始める人も、これまで何らかの方法で生ゴミ堆肥化をやって来られた方も一度この方式を試してみて下さい。ちょっと凝ったやり方だと思われる向きもあろうかと存知ますが、生ゴミ堆肥化をやるからには、製品が中途半端な物で無く、キチンのした物になるかどうかが肝要です。
私も定年以降、生ゴミ堆肥化を始めた素人ですが、ごみ減量、環境保全、庭木や植木鉢に入れてやって地域の美化等に少しは貢献できたかなと思い、いささか満足しているところです。時間の余った定年おやじの家庭奉仕、社会貢献に最適です。ちなみに、3年前、藤沢市の環境フェスティバルで、個人部門の環境大賞に選ばれることができました。


2、プランターを使った生ごみ堆肥の作り方

<用意するもの>
①、1次発酵用プランター20L(生ゴミ埋込み用)~ 3箱
②、2次発酵用プランター40L(製品化・戻し堆肥用)~ 1箱
③、発酵菌(生ゴミ食いしん坊菌 10L×3袋(1袋680円)~初回のみ
④、その他~発酵促進用米ぬか、 小型鍬、植木用シャベル

<生ゴミ堆肥化の作業工程>

① 3箱の小型プランターを使って1次発酵、
 毎日、サンドイッチ状に生ゴミを埋め込むプランターを3箱用意。(標準5人家庭の場合)毎日1箱に生ゴミを埋め込みます。 埋め込み方は生ゴミをプランターの中に広げて敷き、その上に米ぬかをまぶし、生ゴミ食いしん坊発酵菌を被せます。翌日もサ ンドイッチ状に生ゴミを埋め込みます。

                 写真1 生ゴミを毎日プランタ-に埋める   写真2、生ゴミの上に米ぬかをかぶせる
           

    写真3、その上に戻し堆肥を被せる     写真4、3箱のプランターに順次埋める

 10日くらいで1箱目のプランターが一杯になるので、2箱目のプランターに同じように埋め込みます。2箱目が一杯になった ら3箱目のプランターに埋め込みます。3箱目のプランターが一杯になるときは、1箱目に埋め込んだ生ゴミは1ヶ月埋め込ん だことになりほとんど堆肥化が完了しています。

② 大型プランターに移し、発酵用戻し堆肥として再使用
 そこで、1箱目に埋め込んで堆肥化された製品を、全部大きなプランターに移します。ここで鍬を使ってよくほぐし、空気を入 れて2次発酵させながら、生ゴミの発酵促進戻し堆肥として再利用します。(2巡目は生ゴミ食いしん坊菌使わず、大型プラン ターでできた製品を、ヨーグルトを作るときと同じように戻し堆肥菌として使います)こうして循環再利用できるので全く無駄 なことはありません。

③ 大型プランターに残った製品が、最終完成堆肥
 最後に大型プランターに残った堆肥が製品となります。最初にプランターに埋め込んだ時から1ヶ月以上埋め込み発酵させたこ とになります。出来上がった堆肥は、乾燥してボロボロになっているので、鍬等で更に細かくほぐしてやると顆粒状のさらさら 堆肥になります。製品の粒度を整える為にふるいでふるい、5mm以下は製品として使い、オーバーは、戻し堆肥として発酵菌に 使います。

             
        写真5 大型プランターに移し発酵堆肥として再使用   写真6、残りは振って製品堆肥

④ 空になったプランターは、20Lの小型プランターは1次埋め込み用として再利用し、40Lの大型プランターには1次発酵 が終わった次に小型プランターの製品を入れ2次発酵させます。こうして3箱の小型プランター、1個の大型プランターを、順 次再利用しますので、家庭用生ゴミ堆肥化に使う用具はこれだけで済みます。


3 製品は、良質な乾燥堆肥 小袋に入れて保管

① 出来た乾燥堆肥をよく解砕し6ミリ網で篩うと上の写真のように細めの製品が出来上がります。この堆肥は、下図の ようにビニール袋などに入れて保管します。
② 他の生ゴミ堆肥化方式と違って、地中に埋めておくのではなく、袋に入れて保管できるのでどんなにたくさん堆肥が出来て  も、どこにでも積んでおくことが出来、小袋に入れて生ゴミ堆肥として商品化することも出来ます。 
③、完成完成成堆肥は、顆粒状のサラサラ堆肥なので、花壇に、植木鉢に、ガーデニングに、植木栽培に、家庭菜園に最適な堆肥 として施す事が出来ます。
 

         
           写真7、小袋に入れた乾燥堆肥


         連絡先  藤沢エコネット 小林麻須男藤沢市亀井野1371-5 090-6317-5547
                「生ゴミ食いしん坊」製造・発売元  (株)みのり建設
                  長野県諏訪郡富士見町富士見11693-7  ℡0266-62-2990

藤沢市の堆肥化センターの事業中止で巨額の費用

2013-02-06 09:30:49 | 環境問題
悪臭の発生による堆肥化センターの事業中止で、藤沢市が巨額の費用負担
     ―国やPFI参加企業にも応分の負担をー


1、藤沢市の堆肥化センターの事業中止で巨額の費用

藤沢市宮原にある藤沢市有機資源再生センターは、7年前に畜産農家のふん尿の堆肥化処理事業として平成18年に稼働を開始したものであるが、①事業開始以来毎年赤字経営が続いていたのと合わせて、②臭気の発生で昨年8月には県から操業中止が勧告さ受けるなど問題が多発し、藤沢市が、昨年、事業中止を決定したものである。しかし、事業中止を決定すれば、それで済むというものではなく、藤沢市の発表によれば、事業を中止するためには12億円という多額の費用を負担してゆかねばならないとのことであり、去る12月の藤沢市議会では、藤沢市有機資源再生センターの事業中止に対する国・県の補助金の返済金3.1億円、並びに現在事業を行っているSPCへの事業中止に伴う施設買い取り金並びに補償金1.2億円が補正予算として決定された。しかし、このお金はみんな市民の税金から支出されるものである。昨年、善行の土地の不当高値で購入問題が議会でも問題になったが、善行土地は1億円程度であるが、堆肥化センター廃止には12億円という多額の支出がともなうものであり、原因と責任が明確にされないまま市民の税金が使われることを市民として黙って見過ごす事は出来ない。

2、PFI方式で本施設を設置した「奥村組」などに悪臭発生の責任は無いのか

本施設をPFI方式で受注したのは、数ある企業グループの中から、奥村組を中心とした「藤沢エコグループ」であった。特に同グループが選定された理由としては、「堆肥の品質が良い」、「環境への配慮か良い」、「販売悪化時の対応策が確立している」、等々の点が上げられていた。しかるに、同グループは稼働開始3年後の平成21年、経営悪化を理由に、撤退してしまったのである。その後事業主体が横須賀造園に移ったが、悪臭発生が止まらず今回の事故となったものである。悪臭発生が事業主体が変更してから起こったというならいざ知らず、稼働当初から起こっていた問題だと言うことは、基本設計に問題があり、施設を作ったメーカーに責任があると言わなければならない。PFI契約では施設の欠陥についてのメーカー責任がどのようにふれられているかは不明であるが、施設の中止まで追い込まれたメーカー責任を不問に臥すべきではない。本来、当初契約で奥村組などの「良質の製品ができる施設、臭気の発生しない施設」とのギャランティーはメーカーが負うべきであり、それができず、市が事業の中止を余儀なくされる場合は、市だけが責任を負うのでは無く、彼らにも応分の損害賠償を求めるべきである。

3、国の補助金の返済問題について

市の事業中止方針の中で、本施設の設置に当たって農水省より5億円の補助金の交付を受けており、途中で事業を止める場合は補助金の返済が求められるとの事である。しかし、藤沢市は、こうした畜産のふん尿施設をもともとやっていたわけでは無く、国や県の指導の下に施設を設置したものである。こうした施設の技術上の適否については国が認定したもので在り、その施設の不具合の責任の一端は国も応分の負担を負うべき立場にあると言える。補助金の返済問題については、こうした国や県の責任に対してもハッキリともの申すべきである。

藤沢市議会で、大飯原発再稼働停止を求める陳情、採択  反対した公明党議員団の不可解

2012-10-06 15:47:49 | 環境問題
藤沢市議会で、大飯原発再稼働停止を求める陳情、採択
     ー陳情に反対した公明党議員団の不可解ー



10月4日行われた藤沢市議会本会議で、市民から提出された陳情「日本政府に対して大飯原発の再稼働停止を要請する意見書の提出を求める陳情」が採択されました。
陳情理由として、1原発が無くとも電力不足が解消できる状況が明確に也なり、暫定的に動かす理由がなくなったこと 2免震棟などの安全策を先送りにし、危険性と抱えて運転していること 3活断層の危険性が指摘され破砕帯の調査を行うことになったこと 等々があげられています。
藤沢市議会では、6月議会でも「原発からの撤退を求める意見書を政府に提出する請願」が採択されており、これで2度目の請願・陳情の採択となります。今回の陳情に対して、多くの会派が採択賛成の意思表示をしておりましたが、2回とも反対したのは公明党議員6名と自民党系議員の数名でした。
特に注目されるのは、藤沢公明党議員団の態度です。公明党は、今年の8月21日、下記のような『原発ゼロの日本をつくる』というエネルギー政策を発表し、大飯原発問題に対しては「拙速(せっそく)すぎる大飯(おおい)原発再稼働。活断層調査も徹底的に。新しい安全基準なしの再稼働はあり得ない 電力需給のひっ迫”という理由だけの再稼働は、安全最優先を無視した判断。」としているのに、藤沢公明党議員団は、陳情に反対する理由は何ら示さず、採択に反対したものです。何故、公明党本部の方針に反して、藤沢公明党議員団は大飯原発の稼働に賛成したのか、不可解です。多くの国民、藤沢市民が、大飯原発の再稼働を心配しているのに、どうして藤沢公明党議員団が賛成したのか、見解を聞きたいものです


<藤沢市議会で採択された大飯原発問題陳情書>



<8月21日発表された公明党の原発政策> 
      
8/21公明党のエネルギー政策 『原発ゼロ』の日本をつくる!

1.公明党は、原発の新規着工を認めません。
少なくとも2030年までに約2/3を運転停止・廃炉へ

2.省エネ、再エネ、高効率(こうこうりつ)火力発電で、原発ゼロの日本をつくる。
新技術で省エネ促進
住宅や車のエコ化、LED、スマートメーターの設置で「見える化」。
再生可能エネルギーの発電割合を現在の1%から30%へ(2030年)
太陽光・太陽熱・風力・小水力・バイオマス(生物資源)などの利用を推進。
エネルギーの地産地消(ちさんちしょう)を推進
ムダのない火力発電
現在の火力発電は燃やした熱の6割は電気にならず捨てられている。技術開発でムダを1割に ま で削減。

3.原発再稼働は、国民が納得・信頼できる確かな安全基準で。
原発再稼働は、事故の教訓を踏まえ、新たに設置される
「原子力規制委員会」の新しい安全基準で、住民、国民の理解をもとに判断。

4.拙速(せっそく)すぎる大飯(おおい)原発再稼働。活断層調査も徹底的に。
新しい安全基準なしの再稼働はあり得ない。
“電力需給のひっ迫”という理由だけの再稼働は、安全最優先を無視した判断。
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藤沢市堆肥化センターの事業中止の責任は誰が負うのか

2012-09-19 10:46:18 | 環境問題
悪臭の発生で藤沢市堆肥化センターの
   事業中止に追い込まれた責任は誰が負うのか
   ―PFI事業参加企業・関係機関に応分の負担を求めよー

 「藤沢市政を考える市民の会」が提言発表


9月18日「藤沢市政を考える市民の会」藤沢市堆肥化センターの事業中止の責任問題で、下記のような提言を発表、藤沢市当局に申し入れを行った。以下その全文を掲載します。

1、9月5日、藤沢市有機資源再生センターの運営問題に付いての議員全員協議会が開かれ、市当局より事業中止の方向が示された。
当会は、先に「堆肥化センターの悪臭問題・存続問題についての提言 堆肥化システムそのものの見直し・改善が先決ではないか」なる文書を、担当部門である農業水産課に提出し、悪臭発生の原因と対策について意見を申し入れた。基本的な論点は、再生センターの施設の技術的な問題を掘り下げ、悪臭発生問題を検討して欲しいという事である。しかるに今回報告された市の方針には、悪臭発生の技術的原因については何ら触れられず、本格的な脱臭装置の設置には莫大に負担がかかる、設置しても完全な悪臭除去は困難であるから、事業中止を判断したというものである。

2、当会の先の提言は、悪臭の発生の原因は、再生センターの堆肥化方式に問題があるから、その方式を改善すれば悪臭の発生は抑えられると提言したものである。すなわち「悪臭発生の最大の原因は、発酵原理が好気性発酵で在りながら建物構造が外気と遮断する密閉性施設となっている点にあると言える。現施設は、臭気が外に漏れる事を避けるため密閉建物とし、発酵に不可欠な空気を、施設内の空気を循環使用させるだけで外から新鮮空気の取り入れ無いため、不完全発酵が起こり悪臭が建物内にこもるためと言える。この点を改善すれば、悪臭の発生は抑えられる」と指摘したものである。
しかしながら、市の報告には、悪臭発生原因についても何ら触れられず、脱臭装置の導入には多額の費用がかかる事業の中止を決断したというものである。原因を究明せず、結果だけで判断するのは、極めて危険であり、藤沢市が一切の結果責任を負わねばならない羽目になってしまうことになる。施設を中止するためには12億円という多額の費用を市民の税金で負担してゆかねばならないことになる。以下事業中止に係わる問題点を列記してみた。

3、PFI方式で本施設を設置した「奥村組」などに悪臭発生の責任は無いのか
本施設をPFI方式で受注したのは、数ある企業グループの中から、奥村組を中心とした「藤沢エコグループ」であった。特に同グループが選定された理由としては、「堆肥の品質が良い」、「環境への配慮か良い」、「販売悪化時の対応策が確立している」、等々の点が上げられていた。悪臭防止は最初から問題にされていた問題であるが同グループは建屋を密閉型とする事で臭気は外に漏らさない事をセールスポイントとして受注した。しかるに密閉型とすることで堆肥化発酵が十分行われず、濃厚な臭気が予定していた脱臭装置では脱臭できず臭気が外部に漏出した。しかも、悪臭発生問題は、施設稼働当初から起こっていた問題であり、今回急に起こった問題ではない。しかるに、同グループは稼働開始3年後の平成21年、経営悪化を理由に、撤退してしまったのである。その後事業主体が横須賀造園に移ったが、悪臭発生が止まらず今回の事故となったものである。悪臭発生が事業主体が変更してから起こったというならいざ知らず、稼働当初から起こっていた問題だと言うことは、基本設計に問題があり、施設を作ったメーカーに責任があると言わなければならない。PFI契約では施設の欠陥についてのメーカー責任がどのようにふれられているかは不明であるが、施設の中止まで追い込まれたメーカー責任を不問に臥すべきではない。
藤沢市の事業中止方針には、このことが全く触れられていないのは問題である。

4、メーカーは、何故施設の手直し工事ができないのか。
悪臭発生の原因は、市の報告では「脱臭設備の能力が不足している」とか、「生ゴミが沢山入ってきたから」とか、施設の扉やシャッターを開けたまま作業をしていた」ため等々をあげているが、根本原因は、本施設を作った奥村組など「好気性発酵で在りながら施設が密閉型としたため悪性発酵が起こる」というメーカーの基本設計に問題があることは、関係者は承知しているのに、全く施設の手直し・改造工事が行われてこなかった事によるものである。何故改造工事が行われなかったのか、との疑問に対し、国の補助金事業であるためとの事であるが、全く改造工事ができない事になっているためなのか、あるいは基本設計を1から見直して国の了解を取らなければならないためなのか、定かではないが、この点の解明が無い限り藤沢市の税金と負担で事業を止めるというのは、市民の納得ゆくところではない。本来、当初契約で奥村組などの「良質の製品ができる施設、臭気の発生しない施設」とのギャランティーはメーカーが負うべきであり、それができず、市が事業の中止を余儀なくされる場合は、彼らにその損害賠償を求めるべきである。

5、国の補助金の返済問題について
市の事業中止方針の中で、本施設の設置に当たって農水省より5億円の補助金の交付を受けており、途中で事業を止める場合は補助金の返済が求められるとの事である。平成33年までの15年間の補助事業を途中で止めるわけだから、どのくらい返済しなければならないのかは定かではないが、多額の返済が求められるものと思われる。しかし、この問題につても、市の稼働上の不手際で止めるというならいざ知らず、原料も当初と変わらず、マニュアル通りの運転で悪臭発生が止まらないため中止せざるを得なくなったのは、市の責任では無く施設施工メーカーの責任によるものと言わなければならない。藤沢市は、こうした畜産のふん尿施設をもともとやっていたわけでは無く、国や県の指導の下に施設を設置したものである。こうした施設の技術上の適否については国が認定したもので在り、その施設の不具合の責任の一端は国も応分の負担を負うべき立場にあると言える。補助金の返済問題については、こうした点を国や県に対してもハッキリともの申すべきである。


<添付資料>
下記の文書は、堆肥化センターの事業発足当時、「奥村組グループ」に発注業者を決めた経過を示す藤沢市の文書です。(藤沢市のホームページより)