鈴木藤沢市長は、海老根前市長の名誉毀損訴訟に
毅然と対処し、早急に善行土地問題にケジメを
―藤沢市政を考える市民の会が意見書発表―
1、疑惑の善行土地購入問題について、今年7月25日、横浜地裁より、藤沢市に対し土地開発公社から買い取り差し止めを命ずる判決が下された。判決理由として横浜地裁は、①問題の土地の購入の必要性が無かったこと、②売買代金が異常に高すぎる事、の2点が指摘された。かかる判決を受け、判決日当日、鈴木藤沢市長は市役所内で記者会見を行い、①藤沢市としてこの判決を受け入れ控訴せず土地の買い入れは行わない、②必要性が無い土地を異常な高値で購入した海老根前市長の責任について背任行為で刑事告発をしてゆきたい、③市が蒙った損害については損害賠償を求めてゆきたい、との見解がしめされた。
2、ところが、海老根前市長は、こうした鈴木市長の見解に対し、判決の2ヶ月半もたった後、10月10日、新井副市長とともに名誉毀損であるとして横浜地裁に提訴した。
(文末に訴状全文添付)
訴えの趣旨は、「土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い。にもかかわらず被告はあたかも原告らが公社の価格決定まで関与していたかのような事情を、一般読者に推測させるような表現を作出し、このため原告らがかかる高額な土地購入の主役であるかのような新聞記事にさせ、これに追い打ちをかけるように「刑事告発をなす」との明確な表現のもとに犯罪性の全くない原告らに犯罪者としての烙印を押した発言をなし、よって原告らの名誉を毀損した」「原告らに各々1000万円宛の損害賠償金を支払え」というものである。
3、名誉毀損かどうかの核心は、「刑事告発」の前提となる背任行為が海老根前市長らの土地取得行為にあったかどうかである。海老根前市長は、横浜地裁の判決には、「原告らが刑事責任を負うべき事実ありなどの表示や表現は一切記載がない」と述べ、背任行為は無かったと主張しているが、事は全く逆で、判決文は随所で海老根前市長らの背任行為を指摘しているのである。まさに、横浜地裁の判決文それ自体が、海老根前市長らの刑事告発文になっていると言っても過言では無い。
4、横浜地裁判決文が指摘する海老根前市長らの背任行為の数々
以下、横浜地裁の判決文のどこに海老根前市長らの市民を裏切る背任行為と指摘されているか見てみよう。判決文は長文なので、掲載できませんが、次のHPでリンクできますので開いてご参照下さいい。
横浜地裁判決文
(1)土地購入と価格決定に自らが直接係わった海老根前市長
海老根前市長は「土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い」と言っているが、判決は、「市は事前にK鑑定士に概算評価を依頼し、取得額と同額の概算評価額を得て、正式に公社に対し先行取得を依頼した、その後、公社はK鑑定士に再度鑑定を依頼し、先行取得依頼と同額の評価額をえて取得を決定したものである」と指摘している。土地購入に際し、海老根前市長の言うように市は価格決定行為に係わらなかったどころか、事前に価格決定までして公社に先行取得を依頼しているのである。土地購入、価格決定に当たっての海老根前市長の関与は否定できない。
(2)K鑑定士の評価額について、
裁判所は、同土地へ開発道路開設が不可能な場合の正常評価は2666万円程度のものを、K鑑定士は開発道路開設が可能という前提で1億850万円と評価している所に問題があると指摘している。市役所内部においても、農水課などから市街化調整区域内の農地を高額で購入するのは困難であるとの見解が出されていたものを、海老根前市長、新井副市長が一体開発が可能との判断の上で購入方針を決定したと指摘している。購入価格決定に対し、2666万円程度の無道路土地を、開発可能土地としてK鑑定士に1億850万円もの高値の評価をさせたのは、まさに海老根前市長、新井前副市長の側にあったといわなければならない。海老根前市長が、進入路の無い袋地に、一体開発可能というお墨付きを与えなければK鑑定士の評価額は出なかったであろう。。
(3)土地所有者M氏との関係
さらに、当該土地の購入に際し、土地所有者のM氏が、そうした高値でなければ売らないといっていたならいざ知らず、買う市の方で勝手に値段をつり上げさせておいて、正常価格の4倍もの高値で購入するなどと言うことは、前代未聞の事であり、故意に税金の無駄遣いをした海老根前市長らの行為は、市民として到底許す事ができない問題である。判決も指摘しているように、土地購入の緊急性の無いものを、何故に急いで、高値を付けて購入しなければならなかったのか、M氏がそのような価格で出なければ他に売却すると言ったのかこの点は大きな疑惑である。買う側の市の方で、高値をつけ買うなどという話は他に聴いたことがない。
(4)海老根前市長の責任について
判決では、「地方公共団体がその事務を処理するに当たって、最小の経費で最大の効果を挙げることを定める地方自治法2条14項、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて経費を支出しないことを定める地方自治法4条1項に反し、その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に当たるから。市長が本件委託契約を締結することは、裁量権の範囲を著しく逸脱し又之を濫用したものとして違法となる」と指摘している。実際、海老根前市長らは、今回の土地取得にあたって、最小の費用どころか、故意に最大の費用を支出させたものであり、市民に対し著しい背任行為をおこなったものとして厳しく断罪されねばならない。
(5)刑法に於ける背任行為とは
第247条(背任)で、「他人(市民)のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人(市民)に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定している。今回の海老根前市長による善行土地の異常な高値での購入は、市民の意に反して、不当に税金を支出し、使用できない物に多額の税金で買ったもので在り、市民に対し職務を著しく濫用し、刑法で規定する背任行為を行ったものとして名誉毀損どころか「刑事告発」に相当するものと断ぜざるをえない。
4,鈴木市長は、早急に、海老根前市長を背任罪で刑事告発すると同時に、
市が蒙った損害の賠償を請求せよ
今回の海老根前市長の名誉毀損訴訟は、判決で指摘された土地購入の刑事責任を回避すると同時に市が蒙った損害賠償の請求から逃れるための先手を打った政治的布石以外のなにものでもない。海老根前市長が選挙に落選したからと言って責任が逃れられるものではない。海老根前市長の弁護士は「川に落ちた犬をめった打ちするのはルール違反だ」などと言っているようだが、そんな泣き言に耳を貸す必要は全くなく、海老根前市長の行為は厳しく断罪されなければならない。
具体的に鈴木市長に対する要請として、
(1)海老根前市長の名誉毀損訴訟は、白を黒と言いくるめる不当な訴訟でありかつ市長個人にたいする訴えとなっているが、記者会見での見解は、個人ではなく市長として述べたものであるから、市長公人として対処すべきである。
(2)海老根前市長の訴訟に関わりなく早急に海老根前市長に対する刑事告発は進めるべきである。7月に海老根前市長の行為を背任行為と認定する判決が横浜地裁で出されている下で、いつまでも告発を送らせるべきでない。
(3)不当支出金の回収について、
まず第一に、M元所有者に対し、市が問題の土地を買い取ることができなくなった事情を説明し、問題の土地の買い戻しを要請すべきである。
第二に、M氏が、問題の土地の価格は市が独自に評価した価格で売却したものであるから買い戻しの要請には応じられないとの回答があった場合は、直ちに問題の土地を競売にかけ、購入価格に満たない場合はその差額を損害金と確定し、損害金を海老根前市長、新井前副市長に請求し、現状を回復すべきである。 以上
<資料 藤沢市が高値で購入した出入り口の無い善行土地>
<資料> 海老根前市長の名誉毀損裁判訴状
横浜地方裁判所民事部御中
平成24年10月10日
訴 状
原告 海老根 靖典 新井 信行
原告訴訟代理人 弁護士 淵上 貫之 他1名
被告 鈴木 恒夫
損害賠償など請求訴訟事件
訴訟物の価額 金 貼付印紙額 金
第1 請求の趣旨
1被告は原吉海老根靖典に対し全1000万円、原告新井信行に対し金1000万円及び本訴状送達の日の翌日よりこれが支払いずみまで各々年5分の割合による金員を支払え
2被告は原告海老根靖典、原告新井信行に対し、株式会社神奈川新聞社と、同毎日新聞社神奈川湘南版、同東京新聞神奈川地域版が、各発行する朝刊の広告欄に縦5センチ、横8.3センチのサイズによる別紙謝罪文の広告を4号活字をもって掲載せよ、
3訴訟費用は被告の負担とする.との判決並びに上記1項について仮執行の宣言を求める。
第2 請求原因
1 当事者
(1)原告海老根靖典(以下海老根という)、昭和30年8月17日生まれの57歳であるが、昭和56年3月に樵浜国立大学経営学部を卒業し、その後 財団法人松下政経塾に第2期生として入塾し、昭和61年3月卒塾後、船井電機株式会社に就職し、平成3年4月の統一地方選挙で藤沢市議会議員に当選し、政治家としての道を歩み始めた。
その後4期、市議会議員を務め、平成20年2月の藤沢市長選挙に当選し 後市長を務めたが.平成24年2月の市長選挙において落選し、現在海老根政治経済研究所を設立し、その代表者として現在政治思想や政策などを研究し、将来に備えてきた状況にあった。
(2)原告新井信行{以下新井という)は昭和22年2月22日生まれであるが、逗子開成学園を昭和40年3月に卒業し同年4月から藤沢市役所・こ入所し、建設総務課主幹、行政総務課長、財務部長を歴任し、その後平成18年3月に藤沢市役所を退職した。その後同年1月に株式会社藤沢市興業公社代表取締役社長に就任し、平成20午3月に同社を退職し、同年4年に海老根藤沢市長の要請を受けて藤沢副市長に就任した。平成23年11月に健康を害し、副市長を辞任し現在に至っている。
(3)被告鈴木恒夫は藤沢市議会議員、神奈川県会議員を経て平成24年2月の藤沢市長選挙で市長に当選し、現在藤沢市長の職にあるものである。
2 本事件の発端
(1)平成20年7月、藤沢市善行地区に居住する当時藤沢市議会議員であった訴外矢島豊海(以下矢島という)から藤沢市善行市民センターの職員であった訴外中山一之主幹に対L、訴外Mの所有する善行地区の市街化区域内の農地を市で購入した上、地域で活用して欲しい旨の申し入れがあった.
これを契機として訴外M所物の別紙物件目録記載の農地(以下本件土地という)を めぐり藤沢市役所内部において協業され、結果的に善行地区の人々のための「地域コミュニティ活用事業用地|として藤沢市(以下市という)において購入することに予定された。
(2)かかる第三者よりの士地購入については.市が直接接購入するのではなく、市の出資による特例法人藤沢市土地開発公社(以下公社という)に市が本件土地の購入を委託し、この市の依頼によって公社において本件土地の価格を定め、これを先行取得し、その後市がこの代金額に公社の諸経費を上乗せして購入することになるという手統をとるシスチムになっているものであったが、この手続きに従い、公社は独自に本件土地の価格を算出するため、訴外不動産鑑定士(以下K鑑定士という)にこの価格の算定を依頼したのである.
公社の鑑定士の依頼と選任については市は全く関知も関与もできない立場にある。
(3) K鑑定士か本件土地につき算出した価格は1平方メートル当たり金6万3000円、本件土地の実測面積は1777.57平方メートルであることからその売買代金額は金1億1198万7000円という数字になったが、平成20年1月7日、現実に公社は本件土地を訴外Mより代金1偉0850万円(1平方メートル当たり金6万1038円)の代金額で購入した。
3、本事件の発生
(1)上記のように公社が本件土地を購入したのであるが、平成21年9月24日の藤沢市の定例市議会において、柳沢澗次市議会議員よりの質疑により本件土地の公社の先行取得につき疑義が指摘された。
その後一部市民から市は公社から本件土地を購入してはならないという声かあがり、平成21年12月7日にこの主旨による住民監査請求が出されたが、平成22年2月3日に監査委貝会よりこの住民監査請求は不容認とされた。
(2)このため住民監査請求をした○○を原告として市を被告とする公社からの用地買い取り差し止め請求訴訟が平成22年3月4日に提起された。
この訴訟事件は、横浜地方裁判所第1民事部平成22年(行ウ)第19事件として係属することになった。同事件はその後審理を経た上、平成24年7月25日に判決となり「被告(市)は別紙物件目録記載の土地につき.藤沢市土地開発発公社との間で売買契約を締結してはならない」との言い渡しがされ、これに対し市は控訴しなかったため、この判決は確定した。
ちなみに当該判決には、原告らが刑事責任を負うべき事実有りなどの表示や表現は一切記載がない,
(3)しかるに被告は判決言い渡し日たる平成24年7月25日の同日タ刻に新聞記者会見を行い、あたかも原告らが市に対し.背任行為をなしているかのように断定の上発表し、これにつき刑事告発をする方針を明らかにした。
このためこれを受け、
①神奈川新聞平成24年7月26日朝刊は、
イ「前市長らを刑事告発へ」という主見出しで.原告2名があたかも背任の刑事被疑者であるような表示をし(甲1)、
ロその文中において、原告らを「背任の疑いで刑事告発する方針を明らかにした。」と 訴外神奈川新聞社○○記者をしてこれを記事として朝刊に掲載せしめたものである(甲1),
②東京新聞社は、平成24年7月26日神奈川地域版朝刊において〔市に契約差し止命令〕適正価格の4倍、違法」との大見出しのもとに、原告らが違法行為者である旨を印 象付け、背任行為で刑事告発するかどうかを最終決定する方針も明らかにした」と訴外東京新聞○○記者をして上記のような配布を掲載せしめたのである(甲2)
③毎日新聞社は平成24年7月26日「神奈川湘南版朝刊において「必然性低く、価格も高額.「政治的買い物」などの大見出しのもとに、被告が「原告らの刑事責任追及は『年内に告発する方針』と明言した。」とし、原告らが犯罪を犯していることを明らかにしの罪を追求する旨の記事を同紙の訴外○○記者と訴外○○記者をして掲載せしめたのである(甲3}。
4 被告の違法行為
上記2項に述べたように原告らの行為と公社との本件土地の購入行為とは、すなはち市の本件土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い。
にもかかわらず被告はあたかも原告らが公社の価格決定まで関与していたかのような事情を、一般読者に推測させるような表現を作出し、このため原告らがかかる高額な土地購入の主役であるかのような新聞記事にさせ、これに追い打ちをかけるように「刑事告発をなす」との明確な表現のもとに犯罪性の全くない原告らに犯罪者としての烙印を押した発言をなし、よって原告らの名誉を毀損したものである、
5 原告らに生じた損害
上記のように原告らは罪なきにもかかわらずあたかも罪人(被疑者)であるかのごとき濡れ衣を着せられ、原告海老根靖典においては社会生活上の信用や名誉を毀損されたことは勿論のこと、今後の政治生命を絶たれてしまった事情にある。
原告新井信行においては社会生活上の信用や名誉は毀損され、今後の晩年を平穏な社会生活を過ごすという状況を喪失させられてしまった他、妻子らも顔を上げて外を歩けない状況にある。
以上のことから原告海老根の蒙った精神的損害は少なくとも金1000万円を下らない。
同じく原告新井の蒙った精神的損害はこれまた少なくとも金1000万円を下らない。しかも原告らに生じた上記損害は被告の上記3の(3)に述べたような被告の故意又は過失による記者会見の結果によるものであり被告の記者会見の行為と原告らの損害という結果には担当因果関係が認められる。
よって、原告らは被告に対し、被告が原告の名誉を毀横したという不法行為に基づき民法709条、710条の規定により各金1000万円宛の損害賠償、及びこれについての本訴状送達の日の翌日よりこれが支払い済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めるものである。
また原告らの名誉についての民法723条の規定による現状回復のため、請求の趣旨第2項の記載のとおりの謝罪広告の掲載を併せ求め本訴に及ぶ次第である。
(証拠方法) 甲第1号証乃至同3号証 各社新聞記事 他、必要に応じ提出する。
(別紙) 謝罪広告
私が平成24年7月25日夕刻、藤沢市役所庁舎内における記者会見において、藤沢市善行六丁目3613番畑1777.57平方メートルの藤沢市土地開発公社による購入問題につき、前市長海老根靖典氏、前副市長新井信行氏ら2名につき、「背任の疑いで刑事告発する」と発表した事実は誤りであり、このため海老根靖典と新井信行氏の両名に対し多大のご迷惑をかけたことにつき心から謝罪します。
(別紙) 物件日録
所在 藤沢市智将六T同 地番 3613番
地目 畑 地積 1656平方メートル(実測1 7 77.57平方メートル)
毅然と対処し、早急に善行土地問題にケジメを
―藤沢市政を考える市民の会が意見書発表―
1、疑惑の善行土地購入問題について、今年7月25日、横浜地裁より、藤沢市に対し土地開発公社から買い取り差し止めを命ずる判決が下された。判決理由として横浜地裁は、①問題の土地の購入の必要性が無かったこと、②売買代金が異常に高すぎる事、の2点が指摘された。かかる判決を受け、判決日当日、鈴木藤沢市長は市役所内で記者会見を行い、①藤沢市としてこの判決を受け入れ控訴せず土地の買い入れは行わない、②必要性が無い土地を異常な高値で購入した海老根前市長の責任について背任行為で刑事告発をしてゆきたい、③市が蒙った損害については損害賠償を求めてゆきたい、との見解がしめされた。
2、ところが、海老根前市長は、こうした鈴木市長の見解に対し、判決の2ヶ月半もたった後、10月10日、新井副市長とともに名誉毀損であるとして横浜地裁に提訴した。
(文末に訴状全文添付)
訴えの趣旨は、「土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い。にもかかわらず被告はあたかも原告らが公社の価格決定まで関与していたかのような事情を、一般読者に推測させるような表現を作出し、このため原告らがかかる高額な土地購入の主役であるかのような新聞記事にさせ、これに追い打ちをかけるように「刑事告発をなす」との明確な表現のもとに犯罪性の全くない原告らに犯罪者としての烙印を押した発言をなし、よって原告らの名誉を毀損した」「原告らに各々1000万円宛の損害賠償金を支払え」というものである。
3、名誉毀損かどうかの核心は、「刑事告発」の前提となる背任行為が海老根前市長らの土地取得行為にあったかどうかである。海老根前市長は、横浜地裁の判決には、「原告らが刑事責任を負うべき事実ありなどの表示や表現は一切記載がない」と述べ、背任行為は無かったと主張しているが、事は全く逆で、判決文は随所で海老根前市長らの背任行為を指摘しているのである。まさに、横浜地裁の判決文それ自体が、海老根前市長らの刑事告発文になっていると言っても過言では無い。
4、横浜地裁判決文が指摘する海老根前市長らの背任行為の数々
以下、横浜地裁の判決文のどこに海老根前市長らの市民を裏切る背任行為と指摘されているか見てみよう。判決文は長文なので、掲載できませんが、次のHPでリンクできますので開いてご参照下さいい。
横浜地裁判決文
(1)土地購入と価格決定に自らが直接係わった海老根前市長
海老根前市長は「土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い」と言っているが、判決は、「市は事前にK鑑定士に概算評価を依頼し、取得額と同額の概算評価額を得て、正式に公社に対し先行取得を依頼した、その後、公社はK鑑定士に再度鑑定を依頼し、先行取得依頼と同額の評価額をえて取得を決定したものである」と指摘している。土地購入に際し、海老根前市長の言うように市は価格決定行為に係わらなかったどころか、事前に価格決定までして公社に先行取得を依頼しているのである。土地購入、価格決定に当たっての海老根前市長の関与は否定できない。
(2)K鑑定士の評価額について、
裁判所は、同土地へ開発道路開設が不可能な場合の正常評価は2666万円程度のものを、K鑑定士は開発道路開設が可能という前提で1億850万円と評価している所に問題があると指摘している。市役所内部においても、農水課などから市街化調整区域内の農地を高額で購入するのは困難であるとの見解が出されていたものを、海老根前市長、新井副市長が一体開発が可能との判断の上で購入方針を決定したと指摘している。購入価格決定に対し、2666万円程度の無道路土地を、開発可能土地としてK鑑定士に1億850万円もの高値の評価をさせたのは、まさに海老根前市長、新井前副市長の側にあったといわなければならない。海老根前市長が、進入路の無い袋地に、一体開発可能というお墨付きを与えなければK鑑定士の評価額は出なかったであろう。。
(3)土地所有者M氏との関係
さらに、当該土地の購入に際し、土地所有者のM氏が、そうした高値でなければ売らないといっていたならいざ知らず、買う市の方で勝手に値段をつり上げさせておいて、正常価格の4倍もの高値で購入するなどと言うことは、前代未聞の事であり、故意に税金の無駄遣いをした海老根前市長らの行為は、市民として到底許す事ができない問題である。判決も指摘しているように、土地購入の緊急性の無いものを、何故に急いで、高値を付けて購入しなければならなかったのか、M氏がそのような価格で出なければ他に売却すると言ったのかこの点は大きな疑惑である。買う側の市の方で、高値をつけ買うなどという話は他に聴いたことがない。
(4)海老根前市長の責任について
判決では、「地方公共団体がその事務を処理するに当たって、最小の経費で最大の効果を挙げることを定める地方自治法2条14項、その目的を達成するための必要かつ最小の限度を超えて経費を支出しないことを定める地方自治法4条1項に反し、その内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に当たるから。市長が本件委託契約を締結することは、裁量権の範囲を著しく逸脱し又之を濫用したものとして違法となる」と指摘している。実際、海老根前市長らは、今回の土地取得にあたって、最小の費用どころか、故意に最大の費用を支出させたものであり、市民に対し著しい背任行為をおこなったものとして厳しく断罪されねばならない。
(5)刑法に於ける背任行為とは
第247条(背任)で、「他人(市民)のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人(市民)に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定している。今回の海老根前市長による善行土地の異常な高値での購入は、市民の意に反して、不当に税金を支出し、使用できない物に多額の税金で買ったもので在り、市民に対し職務を著しく濫用し、刑法で規定する背任行為を行ったものとして名誉毀損どころか「刑事告発」に相当するものと断ぜざるをえない。
4,鈴木市長は、早急に、海老根前市長を背任罪で刑事告発すると同時に、
市が蒙った損害の賠償を請求せよ
今回の海老根前市長の名誉毀損訴訟は、判決で指摘された土地購入の刑事責任を回避すると同時に市が蒙った損害賠償の請求から逃れるための先手を打った政治的布石以外のなにものでもない。海老根前市長が選挙に落選したからと言って責任が逃れられるものではない。海老根前市長の弁護士は「川に落ちた犬をめった打ちするのはルール違反だ」などと言っているようだが、そんな泣き言に耳を貸す必要は全くなく、海老根前市長の行為は厳しく断罪されなければならない。
具体的に鈴木市長に対する要請として、
(1)海老根前市長の名誉毀損訴訟は、白を黒と言いくるめる不当な訴訟でありかつ市長個人にたいする訴えとなっているが、記者会見での見解は、個人ではなく市長として述べたものであるから、市長公人として対処すべきである。
(2)海老根前市長の訴訟に関わりなく早急に海老根前市長に対する刑事告発は進めるべきである。7月に海老根前市長の行為を背任行為と認定する判決が横浜地裁で出されている下で、いつまでも告発を送らせるべきでない。
(3)不当支出金の回収について、
まず第一に、M元所有者に対し、市が問題の土地を買い取ることができなくなった事情を説明し、問題の土地の買い戻しを要請すべきである。
第二に、M氏が、問題の土地の価格は市が独自に評価した価格で売却したものであるから買い戻しの要請には応じられないとの回答があった場合は、直ちに問題の土地を競売にかけ、購入価格に満たない場合はその差額を損害金と確定し、損害金を海老根前市長、新井前副市長に請求し、現状を回復すべきである。 以上
<資料 藤沢市が高値で購入した出入り口の無い善行土地>
<資料> 海老根前市長の名誉毀損裁判訴状
横浜地方裁判所民事部御中
平成24年10月10日
訴 状
原告 海老根 靖典 新井 信行
原告訴訟代理人 弁護士 淵上 貫之 他1名
被告 鈴木 恒夫
損害賠償など請求訴訟事件
訴訟物の価額 金 貼付印紙額 金
第1 請求の趣旨
1被告は原吉海老根靖典に対し全1000万円、原告新井信行に対し金1000万円及び本訴状送達の日の翌日よりこれが支払いずみまで各々年5分の割合による金員を支払え
2被告は原告海老根靖典、原告新井信行に対し、株式会社神奈川新聞社と、同毎日新聞社神奈川湘南版、同東京新聞神奈川地域版が、各発行する朝刊の広告欄に縦5センチ、横8.3センチのサイズによる別紙謝罪文の広告を4号活字をもって掲載せよ、
3訴訟費用は被告の負担とする.との判決並びに上記1項について仮執行の宣言を求める。
第2 請求原因
1 当事者
(1)原告海老根靖典(以下海老根という)、昭和30年8月17日生まれの57歳であるが、昭和56年3月に樵浜国立大学経営学部を卒業し、その後 財団法人松下政経塾に第2期生として入塾し、昭和61年3月卒塾後、船井電機株式会社に就職し、平成3年4月の統一地方選挙で藤沢市議会議員に当選し、政治家としての道を歩み始めた。
その後4期、市議会議員を務め、平成20年2月の藤沢市長選挙に当選し 後市長を務めたが.平成24年2月の市長選挙において落選し、現在海老根政治経済研究所を設立し、その代表者として現在政治思想や政策などを研究し、将来に備えてきた状況にあった。
(2)原告新井信行{以下新井という)は昭和22年2月22日生まれであるが、逗子開成学園を昭和40年3月に卒業し同年4月から藤沢市役所・こ入所し、建設総務課主幹、行政総務課長、財務部長を歴任し、その後平成18年3月に藤沢市役所を退職した。その後同年1月に株式会社藤沢市興業公社代表取締役社長に就任し、平成20午3月に同社を退職し、同年4年に海老根藤沢市長の要請を受けて藤沢副市長に就任した。平成23年11月に健康を害し、副市長を辞任し現在に至っている。
(3)被告鈴木恒夫は藤沢市議会議員、神奈川県会議員を経て平成24年2月の藤沢市長選挙で市長に当選し、現在藤沢市長の職にあるものである。
2 本事件の発端
(1)平成20年7月、藤沢市善行地区に居住する当時藤沢市議会議員であった訴外矢島豊海(以下矢島という)から藤沢市善行市民センターの職員であった訴外中山一之主幹に対L、訴外Mの所有する善行地区の市街化区域内の農地を市で購入した上、地域で活用して欲しい旨の申し入れがあった.
これを契機として訴外M所物の別紙物件目録記載の農地(以下本件土地という)を めぐり藤沢市役所内部において協業され、結果的に善行地区の人々のための「地域コミュニティ活用事業用地|として藤沢市(以下市という)において購入することに予定された。
(2)かかる第三者よりの士地購入については.市が直接接購入するのではなく、市の出資による特例法人藤沢市土地開発公社(以下公社という)に市が本件土地の購入を委託し、この市の依頼によって公社において本件土地の価格を定め、これを先行取得し、その後市がこの代金額に公社の諸経費を上乗せして購入することになるという手統をとるシスチムになっているものであったが、この手続きに従い、公社は独自に本件土地の価格を算出するため、訴外不動産鑑定士(以下K鑑定士という)にこの価格の算定を依頼したのである.
公社の鑑定士の依頼と選任については市は全く関知も関与もできない立場にある。
(3) K鑑定士か本件土地につき算出した価格は1平方メートル当たり金6万3000円、本件土地の実測面積は1777.57平方メートルであることからその売買代金額は金1億1198万7000円という数字になったが、平成20年1月7日、現実に公社は本件土地を訴外Mより代金1偉0850万円(1平方メートル当たり金6万1038円)の代金額で購入した。
3、本事件の発生
(1)上記のように公社が本件土地を購入したのであるが、平成21年9月24日の藤沢市の定例市議会において、柳沢澗次市議会議員よりの質疑により本件土地の公社の先行取得につき疑義が指摘された。
その後一部市民から市は公社から本件土地を購入してはならないという声かあがり、平成21年12月7日にこの主旨による住民監査請求が出されたが、平成22年2月3日に監査委貝会よりこの住民監査請求は不容認とされた。
(2)このため住民監査請求をした○○を原告として市を被告とする公社からの用地買い取り差し止め請求訴訟が平成22年3月4日に提起された。
この訴訟事件は、横浜地方裁判所第1民事部平成22年(行ウ)第19事件として係属することになった。同事件はその後審理を経た上、平成24年7月25日に判決となり「被告(市)は別紙物件目録記載の土地につき.藤沢市土地開発発公社との間で売買契約を締結してはならない」との言い渡しがされ、これに対し市は控訴しなかったため、この判決は確定した。
ちなみに当該判決には、原告らが刑事責任を負うべき事実有りなどの表示や表現は一切記載がない,
(3)しかるに被告は判決言い渡し日たる平成24年7月25日の同日タ刻に新聞記者会見を行い、あたかも原告らが市に対し.背任行為をなしているかのように断定の上発表し、これにつき刑事告発をする方針を明らかにした。
このためこれを受け、
①神奈川新聞平成24年7月26日朝刊は、
イ「前市長らを刑事告発へ」という主見出しで.原告2名があたかも背任の刑事被疑者であるような表示をし(甲1)、
ロその文中において、原告らを「背任の疑いで刑事告発する方針を明らかにした。」と 訴外神奈川新聞社○○記者をしてこれを記事として朝刊に掲載せしめたものである(甲1),
②東京新聞社は、平成24年7月26日神奈川地域版朝刊において〔市に契約差し止命令〕適正価格の4倍、違法」との大見出しのもとに、原告らが違法行為者である旨を印 象付け、背任行為で刑事告発するかどうかを最終決定する方針も明らかにした」と訴外東京新聞○○記者をして上記のような配布を掲載せしめたのである(甲2)
③毎日新聞社は平成24年7月26日「神奈川湘南版朝刊において「必然性低く、価格も高額.「政治的買い物」などの大見出しのもとに、被告が「原告らの刑事責任追及は『年内に告発する方針』と明言した。」とし、原告らが犯罪を犯していることを明らかにしの罪を追求する旨の記事を同紙の訴外○○記者と訴外○○記者をして掲載せしめたのである(甲3}。
4 被告の違法行為
上記2項に述べたように原告らの行為と公社との本件土地の購入行為とは、すなはち市の本件土地の必要性の認識と公社の本件土地の購入のための価格決定行為とは直接的な因果関係は無い。
にもかかわらず被告はあたかも原告らが公社の価格決定まで関与していたかのような事情を、一般読者に推測させるような表現を作出し、このため原告らがかかる高額な土地購入の主役であるかのような新聞記事にさせ、これに追い打ちをかけるように「刑事告発をなす」との明確な表現のもとに犯罪性の全くない原告らに犯罪者としての烙印を押した発言をなし、よって原告らの名誉を毀損したものである、
5 原告らに生じた損害
上記のように原告らは罪なきにもかかわらずあたかも罪人(被疑者)であるかのごとき濡れ衣を着せられ、原告海老根靖典においては社会生活上の信用や名誉を毀損されたことは勿論のこと、今後の政治生命を絶たれてしまった事情にある。
原告新井信行においては社会生活上の信用や名誉は毀損され、今後の晩年を平穏な社会生活を過ごすという状況を喪失させられてしまった他、妻子らも顔を上げて外を歩けない状況にある。
以上のことから原告海老根の蒙った精神的損害は少なくとも金1000万円を下らない。
同じく原告新井の蒙った精神的損害はこれまた少なくとも金1000万円を下らない。しかも原告らに生じた上記損害は被告の上記3の(3)に述べたような被告の故意又は過失による記者会見の結果によるものであり被告の記者会見の行為と原告らの損害という結果には担当因果関係が認められる。
よって、原告らは被告に対し、被告が原告の名誉を毀横したという不法行為に基づき民法709条、710条の規定により各金1000万円宛の損害賠償、及びこれについての本訴状送達の日の翌日よりこれが支払い済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払いを求めるものである。
また原告らの名誉についての民法723条の規定による現状回復のため、請求の趣旨第2項の記載のとおりの謝罪広告の掲載を併せ求め本訴に及ぶ次第である。
(証拠方法) 甲第1号証乃至同3号証 各社新聞記事 他、必要に応じ提出する。
(別紙) 謝罪広告
私が平成24年7月25日夕刻、藤沢市役所庁舎内における記者会見において、藤沢市善行六丁目3613番畑1777.57平方メートルの藤沢市土地開発公社による購入問題につき、前市長海老根靖典氏、前副市長新井信行氏ら2名につき、「背任の疑いで刑事告発する」と発表した事実は誤りであり、このため海老根靖典と新井信行氏の両名に対し多大のご迷惑をかけたことにつき心から謝罪します。
(別紙) 物件日録
所在 藤沢市智将六T同 地番 3613番
地目 畑 地積 1656平方メートル(実測1 7 77.57平方メートル)