湘南ファイブ通信

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武田薬品長谷川社長の株主総会マイク取り上げ事件(その2)

2011-06-29 06:27:25 | 環境問題
昨日のブログで、修正動議が提案された武田薬品工業の株主総会で、議長である長谷川社長が発言中の提案者からマイクを取り上げ、発言を封じた事件を報告しましたが、一体、長谷川社長が修正動議のどんな内容が気に入らなくてこんな暴挙に出たのか、動議の全文と、発言封じの箇所をお知らせします。
なお、この修正動議の全文は、事前に提案者から武田薬品株主総会担当部門に送付され、総会での配布を要請していたものであるが、口頭発言を保証するからと配布は出来ないと拒否されていたものである。長谷川社長も事前にこうした約束と提案文書の存在を承知しながら、企業の社会的責任を追及される段になると頭に来たのか発言封じの暴挙に出たものである。
以下、修正動議の全文と長谷川社長が発言封じマイク取り上げの暴挙に出た箇所を赤字で示します。 

 <第135回武田薬品工業定期株主総会
        第1号議案「剰余金の処分の件」に対する修正動議>

会社法第304条に定められた株主総会に於ける株主の議案提案権に基づき、次の修正動議を提案いたします。

<修正動議内容>
本総会に対する取締役会の提案は、期末配当に関する事項 株主に対する配当財産の割り当てに関する事項およびその総額 当社普通株式1株につき、金90円 総額71,050,781,310円とするとなっていますが、修正提案は
①、期末配当を、普通株式1株につき、金86円 総額67,892,969,252円とし、
②、1株につき4円の期末配当予定金額、総額3,157,812,058円を、湘南新研究所に未設置の排水処理施設の建設費に充てる、と修正するものです。

<修正動議提案理由>
お手持ちの134期事業活動報告書12頁に記載されているように、武田薬品工業は、去る2月19日、藤沢・鎌倉にまたがる旧アリナミン湘南工場跡地に、巨大な創薬・バイオ・遺伝子組み換え・P3・RI・動物実験研究所を完成させました。
この湘南新研究所からは、1日2300m3もの汚染排水が放出されますが、排水処理施設が研究所施設内に設置されていないのです。従来、アリナミン工場時代は排水処理装置が敷地内に設置され、自社処理を行っていたのですが、今回研究所を作るに当たって、研究所排水は工場排水では無い、市民の生活排水と同じだから、公共下水道に流しても良いとの判断で、研究所に排水処理設備を作らないまま、操業を始めてしまったのです。
<研究所排水は、排出者自らが処理すべきもの>
1 研究所建設に当たって、武田薬品工業が藤沢市との間で締結している協定によると、研究所で  発生した排水は、自社内で十分に処理されないまま、公共下水道を通って公共の下水処理施設  で処理されることになっている。
2 しかし、藤沢市の下水処理施設には、この研究所の創薬、バイオ、遺伝子組み換え、RI,動物  実験などによる排水を完全に処理する能力はないはずである。何故ならば、この施設はその開  設以来藤沢市が、生産工程から発生する排水を一切受け入れないという趣旨の協定を、市内に  立地する約50社の工場及び周辺住民との間で締結することによって、運用されてきているか  らである。武田薬品だけが、研究所だからと言ってこの協定を破って良い訳はない
3 研究所を名乗っているからといって、工場排水より安全だと言うことは出来ない。東海村原子  力研究所の排水も、研究所排水だから安全だとは言えない。要は、排水の中味である。   
4 従って、このままの状態で武田研究所が本格稼働すると、いつかは、生産工程排水よりも遙か  に危険なバイオ排水が、藤沢市の下水処理施設で十分に処理されないまま、公共の河川を通じ  て、江の島の海に排出されるおそれがある。
5 このような事態が発生し、それが武田薬品研究所に基づくものであることが特定されたなら   ば、会社の株価が大幅に下落し、株主は大きな損害を被ることになるであろう。
6 これを避けるために、今期の配当金の一部を削って、自社内に排水処理施設を建設すること、  そしてこの施設を使って、研究活動によって発生する汚染物を処理し、上澄み水を循環再利用  しよう、と言うのが私の提案です。
<研究所排水の安全性に対する武田薬品工業の社会的責任>
株主の皆さん、今、多くの人々が新しい薬を求めています。そうした要請に応えていくのは薬品会社の社会的使命です。しかし、創薬、バイオ、遺伝子組み換え、RI、動物実験研究には危険性はつきものです。100%安全などということはありません。しかも、新研究所の立地場所は、外国にも著名な湘南の地に在り、研究所排水は観光地江の島海岸に流れ着き、隣りは徳州会の14階建の大病院や人口の密集した住宅地です。こうした場所につくる研究所は、2重、3重の安全が計られなければなりません。
4月から長谷川社長が経済同友会の代表幹事に就任され、日本のリーディングカンパニーとなった武田薬品工業が、他の企業との足並みを乱し、市と結んだ協定を破って住民のひんしゅくを買ったり、危険な研究所排水を下水道に流し江の島を汚すなどということが許されることではありません。原子力発電と並んでバイオ研究は新しい分野の研究です。安全と言われた原子力発電では取り返しの出来ない事故が起こりました。バイオ研究とて他人事ではありません。行政と一体となった「安全神話」を振りまくだけの住民対策は、原発事故で破綻しました。「安全神話」ではなく、バイオ研究の危険性を認識し、住民と協力して環境を守ることが、企業の社会的責任(CSR)であるといわなければなりません。
企業がいったん操業を始めてから途中で変えるのはいかがなものか、と思われる方もあろうかと思いますが、住民の反対の強かった実験動物焼却炉は、完成した後、武田薬品工業の判断で外注委託に切り替え、住民の皆さんから大いに評価されました。
(ここで、長谷川社長、発言中止を強要、マイク取り上げ、以下、発言出来ず)
長く地域住民との共存を図るためには、研究所の排水処理施設とて同じ事です。排水処理装置を設置し、排水の循環リサイクルを行えば、環境の保全ばかりでなく、新研究所の年間2億円近い下水道料金も節約され、また1日4500m3も使用する上水道料金も大幅に削減できるというメリットも生まれます。
皆さん方には、配当金の一部減額の提案となりますが、株主として、会社が、世間に迷惑をかけるようなことのないよう、多少、我が身を削ってでも、社会と共存できる設備を設置することが武田薬品工業の社会的信用と今後の発展のために必要だという観点から、是非、多くの皆さんのご賛同を頂きたく、ご提案致します。   
           


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