湘南ファイブ通信

湘南ファイブが、時事問題、社会問題、季節の便り等について、通信・コメント・写真を発信します。

武田薬品長谷川社長の株主総会マイク取り上げ事件(その3) 動議提案者の抗議と武田薬品の回答

2011-07-06 19:20:37 | 環境問題
6月24日の武田薬品株主総会に於ける長谷川社長の動議提案者にたいするマイク取り上げ事件のその後の顛末について、レポートします。
株主総会終了3日後の6月27日、動議提案者から武田薬品に対し長谷川社長のマイク取り上げ事件対する「抗議・要求書」が提出され、それに対し6月30日武田薬品から「回答書」が出されました。
動議提案者の「抗議・要求書」と武田薬品「回答書」の主な遣り取りは次のようなものです。
①、動議提案者は、事前に文書を提出し後残りわずかであることを承知しながら、長谷川社長はマ  イクを取り上げ、発言を封じたのは不当だと主張しているのに対し、武田回答文書は十分発言  させたと回答してきた。しかし、動議提案者の提案時間は後45秒程度で終了するのに、長谷  川社長の発言封じに要した時間は2分もかかり、返って無駄な時間を要したことになった。他  人の意見を最後まで聞けない長谷川社長の性格を伺い知る事の出来る一幕であった。
②、次いで動議採決の不当性に対する武田の回答は、武田顧問弁護士の意見も聞いた上での回答で  あるとの事であるが、このような専門家の意見が必ずしも正しいと言うことは出来ない。
③、発言封じ部分に対する株主への周知徹底要求については、武田薬品の回答はいずれも出来ない  との事であった。ただし、株主総会議事録には、動議の提案はあったことを記録にとどめると  の見解は示されており、どんな議事録になるか、後日、議事録の閲覧、謄写を武田薬品に要求  したところ、東京本社でなら閲覧、謄写が出来というのが武田の回答であった。

しかし、この問題の本質は、単に株主総会の遣り取り云々の問題ではなく、原子力発電と並んでバイオ研究は新しい分野の研究であり、安全と言われた原子力発電では取り返しの出来ない事故が起こった中で、バイオ研究の危険性を認識し、必要な設備を設置することが、企業の社会的責任(CSR)になっていることに武田薬品長谷川社長として気づいて貰いたいと言うのが、今回の動議の最大の眼目です。是非、経済同友会代表代表幹事でもある武田薬品長谷川社長に再考を求めたいものです。
以下、動議提案者の「抗議・是正要求書」並びに武田薬品の「回答書」を添付しておきます。



      第135回定期株主総会に於ける議長(長谷川社長)の
                違法な議事進行に対する抗議と是正要求書             
                       2011-6-27 修正動議提案者 

第135回株主総会に於いて、株主の第1号議案に対する修正動議の発言中、議長である長谷川社長の、発言中止ならびに係員を使ってのマイクを取り上げ等の行為は、会社法第304条で認められている株主の提案権を不当に侵害する違法行為であり、ここに文書を持って厳重に抗議するとともに、その是正を求めるものである。
長谷川社長が、発言中止を求めたのは、長くなったから止めろというものである。しかし、株主総会に於ける修正動議提案は、単なる株主の一般発言や質問とは異なり会社法に保証された株主の権利で在り不当に制限されるものではなく、また、今回の提案発言が最終段階に入っていることは、長谷川社長も事前に動議提案者が会社に提出した提案文書を見て承知しているにも係わらず、敢えて結論を言わせないまま不当に発言の中止を強要してきたものである。動議提案者は、こういうことが起こらないよう事前に、武田薬品に、提案文章を送付し、総会に於ける文書配布もしくはUSBによる画面表示を求めた。しかるに貴社は、提案者の提案文書の配布もまたUSBによる画面表示も受け付けず、株主総会の前日、口頭発言は保証するからと口頭発言を求めてきたものである。修正動議提案者は、今回、こうした武田薬品の求めに応じ株主総会に於いて、口頭による修正動議の提案を行ったものである。しかし、長谷川社長は、事前のお互いの約束を破り、一方的に「発言の中止を強要し」、提案者は、結論部分の発言が出来ないまま、「マイクを取り上げられてしまった」のである。
こうした長谷川社長の行為は、総会議長としてあるまじき行為であり、提案者の提案権を奪い、一般株主の提案を聴く権利を奪う会社法304条に違反する重大な違法行為を行ったものであるといわなければならない。(経済同友会代表幹事でもある長谷川社長の行為としては、あまりにも乱暴で度量が狭く、他の批判を受けつけない独善的、強権的やり方を目の当たりにしたのは、株主として驚くべき出来事であった。)
また、修正動議の取り扱いについての議事進行においても、本来、当初議題とは別に、討論・採決を行わなければならない問題であるにもかかわらず、当初議題の採決を先行させ、当初議題が拍手で承認されたから修正動議は否決されたとの詭弁で、修正動議の討論も採決も行わないまま総会を終結させてしまったのである。この点についても、長谷川社長は総会の議事進行を司る議長として行なわなければならない本来の責務を怠るという重大な違法行為を行ったものであると言わなければならない。
よって、修正動議提案者として、今回の株主総会は重大な違法行為、瑕疵があり、かかる違法行為に対し厳重に抗議するとともに下記の是正措置を行うよう、要求するものである。
                   記
①、今回の株主総会で一連の不適切な議事進行を行った長谷川社長は、株主の権利を著しく侵害し  たもので在り、株主にたいし謝罪を表明すること。
②、本抗議・是正要求文書を貴社公式HP上に掲載すること
③、途中で発言妨害された修正動議を、全文印刷し、今回の株主総会報告文書とともに全株主に送  付すること。
④、会社の公式HP上でも全文掲載すること。
⑤、株主総会議事録にも全文掲載すること
⑥、今回の修正動議が、討論、裁決いずれも行われなかったということは、審議未了ということで  あり、次回株主総会において継続審議事項として再審議すること。
以上について、6月30日までに、武田薬品工業長谷川社長並びに株主総会担当法務部の正式回答を求める。



             「抗議・是正要求書」に対するご回答書

2011ー6ー30 武田薬品工業株式会社法務部

貴殿が弊社に対し2011年6月27日付けで送付されました「第135回定期株主総会に於ける議長(長谷川社長)の違法な議事進行に対する抗議と是正要求書」と題する書面(以下、「抗議・是正要求書」といいます。)について・以下のとおりご回答申し上げます。

弊社の第135回定時株主総会(以下、「本株主聡会」といいます。)における議長の議事運営は、適法かつ適切なものであり、抗議・是正要求書で貴殿が述べられるような違法ないし項庇は一切ございません。
即ち、まず、本株主総会において貴殿の修正動議の内容等を記載した書面の配布や画面表示を行わないことについては、本株主総会に先立って貴殿からの電話によるお問い合わせにご回答申し上げた際にも既に十分ご説明させて頂いており、また・これらを行わないことは、総会会場についての施設管理権および議長の議事整理権に基づく正当な措置であったということを、ご理解いただきたく存じます。
また、本株主総会において、貴殿が修正動議(かかる修正動議を以下、「本修正動議」といいます。)を提案された際、議長は、貴殿に本修正動議の内容及びその提案理由を述べるための十分な時間をご提供申し上げ、現実に、貴殿からは、本修正動議の内容は勿論・その提案理由についても、議場の一般株主の皆様が十分理解し得る程度のご説明を頂戴しております。議長が、本修正動議の提案理由を簡潔に述べて頂くべく、議事整理権に基づいて貴殿のご発言を初めて遮ったのは、貴殿が本修正動議に関するご説明を始められてから既に5分半以上も経過した後でしたが、貴殿はその後もさらに説明をお続けになり、議長がご発言を打ち切らせていただいた時点までに・本修正動議の内容の合理的な説明は終了し、その提案理由の趣旨も議場の一般株主の皆様に十分伝わっていたことは明らかです。
即ち、(イ)貴殿が準備されていた2011年6月24日付け「第1号議案『剰余金の処分の件』に対する修正動議」と題する書面に記載された本修正動議の提案理由の大要のご説明は既に終えられていたこと、ロ)ご説明いただかなかった箇所の説明がないと本修正動議の提案理由が株主の皆様に合理的に理解されなかったなどとは到底考えられないこと、(ハ)貴殿もご高承のとおり、議場からも「趣旨は分かった」等、貴殿のご発言を打ち切らせるべきとの趣旨のご発言が複数の株主からなされており、議場の一般株主の皆様も本修正動議の審議のために必要な説明は十分受けたと認識されていたことから、本修正動議の審議のために必要な提案理由のご説明は十分にしていただいたことは明らかです。
さらに、質問の機会をお待ちの株主様が他に多数おられたことや、それを踏まえて議長から貴殿にご発言を簡潔におまとめいただくよう複数回お廉いしたにもかかわらずお聞き届けいただけなかったことも考え合わせれば、貴殿のご発言を打ち切らせていただいた議長の議事運営が適法かつ適切なものであったことは明らかです。
また、貴殿からは修正動議の採決方法が違法であったとのご主張もいただいておりますが、第1号議案について、弊社の提案した原案を貴殿の修正案に先んじて株主様にお諮りしたこと、および原案が承認可決されたことをもって、原案と両立しない内容の貴殿の修正案は否決されたものと看徹したことは、いずれも一般に認められた会社法上適法な採決方法であり、この点についての貴殿のご主張は失当であると申し上げざるを得ません0
以上の次第でございますので、抗議・是正要求書記載のご要望①は、当社としてお受けする理由がなく、謝罪の表明はいたしかねます。また、抗議・是正要求書記載のご要望②③④のいずれも、弊社においてこれらの行為を行う義務は何らなく、お受けできません。
抗議・是正要求書記載のご要望⑤につきましては、弊社といたしまして、本株主総会の議事録は、会社法及び会社法施行規則に従い、適法に作成させていただく所存でございますが、株主総会の議事につきましては、株主総会の議事の経過の要嶺及びその結果(会社法施行規則第72条第3項第2号)を記載すれば足りることとされており・貴殿から本修正動議のご提出があった事実等については当然に記載させていただくものの、本修正動議の全文を議事録に記載することは予定しておりません。抗議・是正要求書記載のご要望⑥につきましては、本修正動議は適法な審議を経て原案の可決によって既に適法に否決されていることから、次回株主総会において継続事項として取り扱う理由はございません。
なお、当日の議長による議事運営が適切・適法であったという点を含め、以上ご説明・ご回答申し上げた内容につきましては、本株主総会に臨席した弊社顧問弁護士の見解も踏まえたものでありますこと、念のため申し添えます。
貴殿におかれましては、以上をご理解いただきました上、今後も株主様として弊社をご支援いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿