金沢市では、現在、家庭ごみのごみ有料化計画が進められ、11月25日には市内で市主催の説明会がひらかれるという。藤沢市のごみ有料化裁判の原告の一員として、金沢市のごみ有料化計画の問題点について、一文をまとめて見た。
金沢市のごみ有料化計画の問題点
元藤沢市ごみ有料化裁判原告 MK
①、一般家庭ごみを有料化すればごみの減量は進むのか
事業所系のごみの扱いが問題
金沢市のごみの排出状況を見ると4割が事業系のごみとなっており、6割の一般家庭ごみの中にも大量の事業系ごみが含まれているという。一般家庭ごみは中核都市の排出量の平均を下回っているのに事業系の排出量は上回っている。金沢市の大量の事業所系のごみの発生は、観光客など外部の来訪者の落とすごみなど一要因となっていると思われる。有料化すれば一般家庭ごみの減量は進むだろうが、大量の事業系のごみの減量が問題である。市価よりも大幅に格安となっているといわれる事業系のごみの処理料金を市価並あるいはそれ以上に引き上げれば事業系のごみの流入は避けられるだろう。また、本来、自ら処理しなければならない事業所系のごみの家庭ごみへの混入を厳しくチェックすれば、一般家庭ごみを有料化せずとも金沢市のごみ減量は大幅にすすむであろう。金沢市のごみ減量は、大量のごみの排出、分別の不徹底問題を含めひとえに事業所系のごみの扱いの問題であるといえる。
②、資源化率の向上は適切な分別収集体制の構築が前提
市はごみ有料化を行えば資源化分別は進むとしているが、問題はどのように分別しどのように収集するかである。資源化分別は新たな価値を生むものであり、回収してお金になることである。適切な分別方法と収集方法を示さずごみの回収を有料化すれは資源化率は向上するであろうなどというのは安易な考え方である。資源ごみとなる容器包装プラを燃やすごみに変更したり、適切な収集ステーションが設置されていないという事では資源化率の向上などは望むべきもない。
③、市は、無料で一般家庭ごみを収集、運搬、処理するのが
廃棄物処理法の本来の原則
現行「廃棄物処理法」は、「第2条で国民に対し、分別排出、減量、再利用用の協力義務」を定めているが、「市町村に対しては第6条で生活環境の保全に支障がないうちにこれを収集、運搬、処分する義務」を定めている。「事業者にたいしては第3条で、事業活動によって生じた廃棄物は自らの責任に於いて処理しなければならない」と定めている。かかる法律の下で、ごみ有料化の実施状況は、自治体比で6割、人口比で4割に過ぎず、大都市を中心に人口比で6割が無料収集を続けている。(別紙資料3参照)本来ごみは無料収集が原則なのに金沢市でなぜそんなに有料化を急がねばならないのか、緊急性が不明確である。他の市町村でも有料化しているから金沢市でも実施しようという市の説明は余りにも安易過ぎる。ごみの有料化をしてもせいぜい10%減程度で頭打ちになるのが他市の実態であり、ごみ減量の為に他にやらなければならない施策が沢山残されているのに、それをやらずに有料化がごみ減量の切り札であるかの様に進めるのは、行政として無策にすぎると言わなければならない。
④、ごみ有料化で手数料を徴収するには、排出者が特定出来る戸別収集が必要
(藤沢市ごみ有料化裁判判決)
ごみ収集を有料化するには、地方自治法第227条で定められている手数料の規定でこれを徴収しなければならない。227条は「普通地方自治体は、当該普通地方公共団体の事務で、特定の者の為にするものにつき手数料を徴収することができる。」となっている。平成19年、ごみ有料化を手数料方式で徴収することができるかどうかで争われたた藤沢市のごみ有料化裁判は、平成21年横浜地裁で、「各戸別にごみを収集すれば一対一の関係が成立し、特定の者のごみであることが確定出来るために、手数料の徴収が許される」との判決が下された。この裁判は最高裁まで争われ、平成23年確定した。判決では、戸別収集をやるという事でみとめられたが、戸別収集で無く、ステーション方式の様にだれが排出したごみか特定出来ないようでは手数料の徴収=ごみ有料化は許されないという判決内容であった。
今回、金沢市のごみ有料化が、こうした判決をキチンと受け止め、戸別収集を行い、ごみの排出者を特定し、その上で手数料を徴収しようという準備が進められているのか金沢市当局に説明を求めてゆく必要がある。
⑤、金沢市は、昭和41年にごみ有料化を取りやめた経験を活かせ
金沢市は、今から50年前、昭和36年~昭和41年の間、ごみ有料化が実施されたが、市民の運動で5年間で廃止した経験を持つ都市である。あの38豪雪の頃の市長(土井市長)がごみ有料化を実施したが、次の市長(徳田市長)が廃止したものである。当時私は金沢市に在住していたが、廃止を求める裁判や市民の反対運動がおこり、廃止を公約した市長が誕生した結果である。こうした廃止の経験を持つ金沢市で再びごみ有料化が進められるとは信じられない事である。今日まで50年間、有料化しなくても金沢市民は立派にごみ減量を進め、分別収集を進めてきたのに、こうした長年の市民の努力、市民の良識を踏みにじる様な今回の安易なごみ有料化はとうてい許されるものではない。
金沢市のごみ有料化計画の問題点
元藤沢市ごみ有料化裁判原告 MK
①、一般家庭ごみを有料化すればごみの減量は進むのか
事業所系のごみの扱いが問題
金沢市のごみの排出状況を見ると4割が事業系のごみとなっており、6割の一般家庭ごみの中にも大量の事業系ごみが含まれているという。一般家庭ごみは中核都市の排出量の平均を下回っているのに事業系の排出量は上回っている。金沢市の大量の事業所系のごみの発生は、観光客など外部の来訪者の落とすごみなど一要因となっていると思われる。有料化すれば一般家庭ごみの減量は進むだろうが、大量の事業系のごみの減量が問題である。市価よりも大幅に格安となっているといわれる事業系のごみの処理料金を市価並あるいはそれ以上に引き上げれば事業系のごみの流入は避けられるだろう。また、本来、自ら処理しなければならない事業所系のごみの家庭ごみへの混入を厳しくチェックすれば、一般家庭ごみを有料化せずとも金沢市のごみ減量は大幅にすすむであろう。金沢市のごみ減量は、大量のごみの排出、分別の不徹底問題を含めひとえに事業所系のごみの扱いの問題であるといえる。
②、資源化率の向上は適切な分別収集体制の構築が前提
市はごみ有料化を行えば資源化分別は進むとしているが、問題はどのように分別しどのように収集するかである。資源化分別は新たな価値を生むものであり、回収してお金になることである。適切な分別方法と収集方法を示さずごみの回収を有料化すれは資源化率は向上するであろうなどというのは安易な考え方である。資源ごみとなる容器包装プラを燃やすごみに変更したり、適切な収集ステーションが設置されていないという事では資源化率の向上などは望むべきもない。
③、市は、無料で一般家庭ごみを収集、運搬、処理するのが
廃棄物処理法の本来の原則
現行「廃棄物処理法」は、「第2条で国民に対し、分別排出、減量、再利用用の協力義務」を定めているが、「市町村に対しては第6条で生活環境の保全に支障がないうちにこれを収集、運搬、処分する義務」を定めている。「事業者にたいしては第3条で、事業活動によって生じた廃棄物は自らの責任に於いて処理しなければならない」と定めている。かかる法律の下で、ごみ有料化の実施状況は、自治体比で6割、人口比で4割に過ぎず、大都市を中心に人口比で6割が無料収集を続けている。(別紙資料3参照)本来ごみは無料収集が原則なのに金沢市でなぜそんなに有料化を急がねばならないのか、緊急性が不明確である。他の市町村でも有料化しているから金沢市でも実施しようという市の説明は余りにも安易過ぎる。ごみの有料化をしてもせいぜい10%減程度で頭打ちになるのが他市の実態であり、ごみ減量の為に他にやらなければならない施策が沢山残されているのに、それをやらずに有料化がごみ減量の切り札であるかの様に進めるのは、行政として無策にすぎると言わなければならない。
④、ごみ有料化で手数料を徴収するには、排出者が特定出来る戸別収集が必要
(藤沢市ごみ有料化裁判判決)
ごみ収集を有料化するには、地方自治法第227条で定められている手数料の規定でこれを徴収しなければならない。227条は「普通地方自治体は、当該普通地方公共団体の事務で、特定の者の為にするものにつき手数料を徴収することができる。」となっている。平成19年、ごみ有料化を手数料方式で徴収することができるかどうかで争われたた藤沢市のごみ有料化裁判は、平成21年横浜地裁で、「各戸別にごみを収集すれば一対一の関係が成立し、特定の者のごみであることが確定出来るために、手数料の徴収が許される」との判決が下された。この裁判は最高裁まで争われ、平成23年確定した。判決では、戸別収集をやるという事でみとめられたが、戸別収集で無く、ステーション方式の様にだれが排出したごみか特定出来ないようでは手数料の徴収=ごみ有料化は許されないという判決内容であった。
今回、金沢市のごみ有料化が、こうした判決をキチンと受け止め、戸別収集を行い、ごみの排出者を特定し、その上で手数料を徴収しようという準備が進められているのか金沢市当局に説明を求めてゆく必要がある。
⑤、金沢市は、昭和41年にごみ有料化を取りやめた経験を活かせ
金沢市は、今から50年前、昭和36年~昭和41年の間、ごみ有料化が実施されたが、市民の運動で5年間で廃止した経験を持つ都市である。あの38豪雪の頃の市長(土井市長)がごみ有料化を実施したが、次の市長(徳田市長)が廃止したものである。当時私は金沢市に在住していたが、廃止を求める裁判や市民の反対運動がおこり、廃止を公約した市長が誕生した結果である。こうした廃止の経験を持つ金沢市で再びごみ有料化が進められるとは信じられない事である。今日まで50年間、有料化しなくても金沢市民は立派にごみ減量を進め、分別収集を進めてきたのに、こうした長年の市民の努力、市民の良識を踏みにじる様な今回の安易なごみ有料化はとうてい許されるものではない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます