人生の謎学

―― あるいは、瞑想と世界

幻視者ウィリアム・ブレイク

2008-06-15 00:03:31 | 人と作品
 子どもの頃、木漏れ日の中に天使の姿を見て以来、異常な幻視力を開示したウィリアム・ブレイクは、ある有名な版画家と会った後で、その版画家の死を予言した。
 彼は自分の描く幻想的な世界が――神や天使、あるいは悪魔までをも現実的に――実際に見えると公言してはばからなかった。
 このため彼は周囲から「マッド・ブレイク」と呼ばれ、やがて弟が死ぬと、製作上の方法を「弟の霊」に教えられるなどして霊感を得て、二年後の《無垢の歌》および《セルの書》の出版へとみちびかれる。
 言語と絵画の総合を求めた彼の芸術は、のちの象徴主義やアールヌーボーに影響を与えた。詩人としてのブレイクは、英国においていまやシェイスクピアやワーズワースと並び称されるが、彼が生きた時代にはまったく評価されず、彼は1827年、無名のままロンドンの公共墓地に埋葬された。

※ブレイクが生まれる2年前の1755年に、日本では四世鶴屋南北が生まれている。1730年に生まれた曾我蕭白は81年に没している。その後、伊藤若冲が1800年に他界して、ブレイクが死した1827年には、ベートーヴェンも他界している。その前年にはガウディや詩人のリルケが他界し、ギュスターヴ・モローが生誕している。1746年生まれのゴヤが死亡したのは28年であり、その3年後には、河鍋暁斎が生誕している。 葛飾北斎は1760年に生誕している。ブレイクが60歳のころ、リチャード・ダッドが生誕している。


幻視者ウィリアム・ブレイク__1


幻視者ウィリアム・ブレイク__2











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