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Marisapo.net | 横浜F-マリノスサポーターブログ

マリノスの記事を中心に、映画や雑感、お知らせなどを掲載。

なでしこ×SamuraiBlue×マリノス

2015-06-30 17:43:46 | 日本代表

先日、マリノスは6試合負け無しで、宿敵鹿島に大惨敗した。
そしてその少し後、 通り名としては若干馴染みがない
SamuraiBlue(男子日本代表)は、
W杯予選でシンガポールに痛恨のドロー。

対して、なでしこは前回W杯王者という重圧に負けず、
オーストラリア代表に勝利した。

男女のこのコントラストは何だろうか。
代表だけならわかるが、何故マリノスを題材に入れるのか?
それは男子代表とマリノスに同じ問題を感じたからである。

どういう事か。
わかりやすく具体例を挙げよう。

皆さんは学校に行っていたと思う。
そこで先生というものは、絶対的である。
専制君主という程のものではないが、
未熟な者にとって先生は従わなければならない人。
そういう雰囲気はご存知だろうと思う。
しかし、その先生が依怙贔屓をしたり、
怒りに負かせて叱咤したりするという、
人間として見にくい部分を露呈したりする事もある。
そこで、良心のある社会的なマナーを先生に忠告する者など、
殆どいない。
胸に秘めて終わりだろう。

話しをサッカーに戻そう。
選手にとって監督は絶対である。
しかし実際に監督はああ言うが、
「本当はこうだと思う。」
「本質的にこうではないか。」
という事はあると思う。これを言う勇気。
それの有無が男女のサッカーの差ではないかと、
近年思う。

無論、前述の台詞をやたらに意見すればいいというものでもない。
しかし、ある程度の意見を持ち、機を見て発言をし、
切り拓いて行かなければチームとしての逞しさは生まれない。
男子代表もマリノスも、ピッチ上の監督が若い世代にいない。
責任をもち、自分の信じたサッカーをピッチで、
のびのびと表現して欲しい。 
それが無ければ、監督が指示しなければ何も出来ない、
貧弱なチーム力に落ち着いてしまう。
どれだけ技術が向上しようとも、それでは勝てない。 

これを戦術的な具体例で示す。
先日の男子日本代表はまさにこれ。
監督から右から攻めろ、と言われる。良いだろう。相手の弱点だ。
しかし、左や中央からも少し攻めながら、結局右から攻めて点を取る。
これが出来ない。ロングボールと言われたらひたすらロングボール。
右サイドと言われたら、左サイドがどんだけ空いていても、右サイド。
敢えて言えば、フットボールの一つの本質である駆け引きの大事さが、
全く理解出来ていない。
本当に理解出来ているのなら、監督の指示を多少曲げても実行し、
勝利に結びつけるだろう。

長谷部にしても、兵藤にしても、悪いキャプテンだとは思わない。
むしろ頑張っている良いキャプテンだという認識だ。

しかし、それだけなのだ。
チーム全員の意識がどうなのかというのが問題であるのだ。 


アギーレジャパン4つの敗因

2015-01-25 15:43:20 | 日本代表

アギーレ監督は、能力はどうなのか。
アジアカップベスト8という最悪の結果をどう受け止めたらいいのか。
いくつかのポイントで考えてみます。

  1. カップ戦での不運
  2. 日程の問題
  3. アギーレ監督
  4. 選手の問題

1.カップ戦での不運
先ず、冷静に今回悲しくも終わってしまったアジアカップを振り返る。結果的に、グループリーグ全勝というか、楽勝。
そしてトーナメントで惜しくも敗退。
一つの不運は、グループリーグが楽勝であったという事だ。
ワールドカップを代表に、グループリーグ+トーナメントという方式で開催される大会は、
グループリーグを苦戦して勝ち抜いたチームの方が、トーナメント戦で好成績を残している事は、
ご存知かと思う。
成熟したチームであれば、これを問題にしない様に出来たかもしれないし、UAEに対しての万全の対策を組めたと思う。

2.日程の問題
これはワールドカップとアジアカップの問題であり、サッカー協会の問題だ。
どういう事かと言うと、7月にワールドカップが終わり、アジアカップは1月中旬に開催である。
つまり、代表チームで半年で結果を出せと言う事になる。
クラブチームならまだしも、代表チームでは厳しい。
アジアカップは優勝が課せられる大会であるが、別に重要な意味も持つ。
それは、優勝そのものだけではなくコンフェデレーションカップ(プレワールドカップ)への出場権があるからだ。
海外で公式試合を行える機会は、日本代表にはなかなかない。これを逃してしまったのは非常に大きい。
オシム元監督の時もそうだが、損失として大きい。
これについて、サッカー協会は日にちが少ない事を事前に知っていたわけで、
これに対して無策だったと言わざるを得ない。
無論、アギーレ監督の責任もあるが、それは次で触れます。

3.アギーレ監督
UAE戦での采配は見ていて悪くない采配でした。交代も選手への意図がわかりやすかったと思います。
しかし、戦略としてどうだったか?と言うと、かなり疑問です。
就任した時から、あまり時間の無い半年という中で、アジアカップ優勝が至上命題なわけです。
そこで、何故、ザックジャパンの時の選手を最初から選出しなかったのか?と言う事です。
時間の無い中で結果を出すべきなら、前任者の形を踏襲しながら、自分の色を付けていく。
これが常套手段でしょう。しかし、彼はそうしませんでした。
と言っても、これには協会の責任もあると思います。
「ザックジャパンを暫く踏襲し、アジアカップ優勝。」
この条件を協会が提示していなかった様に思います。
常々、目標を立てて、○○でなければクビ、と言った判断が、協会には足りません。
協会の責任もありますが、アギーレ監督も歴任されているわけですから、
そういう判断が無かった事には疑問を感じます。
但し、監督としての能力はあると思いますし、今からワールドカップを目指すのであれば、
解任しなくてもいいと思います。 

4.選手の問題
これについては、もう何年も言われています。
パス回しばかりで守っていても怖くない。ワンパターンな攻撃。
個の力の不足など。
例えば、左右から揺さぶってから、中央突破。または、その逆。
相手や試合の流れを見ながら、攻撃方法を変えるという意識が低いのです。
一度、惜しいシュートシーンまで行くと、その攻撃ばかり続けてしまう。
そうすると、相手もその攻撃に慣れてしまいます。
そうではなく、警戒されている左から仕掛け、次は中央、そして右も試してみるが、
得意の左からの仕掛けをあるポイントで実行し、得点をする。
こういった駆け引きがなさ過ぎます。
ポーカーやブラックジャックというトランプでの駆け引きをイメージして貰えれば、
わかりやすいと思います。
また、「俺が決めてやるから、ボールを寄越せ! 」という意識も低いです。
端的に言えば、これはシュートの意識が低いという事です。
と言っても、これはここ数年言われている事ではなく、
もう10年とかいう長年言われている事なので、 ここまでとします。


日本代表は何故負けたのか

2014-07-08 19:43:35 | 日本代表

先ずはザッケローニ監督、お疲れ様でした。
日本はイタリアに色々な意味で親近感を感じています。
セリエA、イタリア料理、歴史を見てみても、身近な国でした。
しかし、イタリアは頑ななイメージもあります。伝統という重みといいいますか。
東洋からしたら中国と同等でしょう。
そんな興味はあるけれど、フットボールとしてのお付き合いは、
日本人選手が当時最高峰と言われたセリエAで、ちょっと活躍したぐらいでしょうか。
当時はセリエAは世界の憧れでした。
その後、リーガエスパニョーラ、ブンデスリーガなど時流は変化して来ました。
それであっても、過去日本のサッカー界にはイタリア人が参画するのは異色でありました。
FC東京などはその後にイタリア人監督を招聘しました。
また、今回のブラジル大会でも、イタリアのメディアは日本代表を気にしました。
ザッケローニ監督にとって、日本は未知であったでしょうが、
そこに飛び込んで頂いた事に敬意を表します。
結果はどうであれ、勇気ある行動であったでしょう。 

さて、過去を少し振り返ってみます。
アメリカ大会、フランス大会、日韓大会、ドイツ大会、南アフリカ大会、そしてブラジル大会。
オフト監督で世界への扉を開けられず、加茂監督→岡田監督で初W杯、トルシエ監督でベスト16、
ジーコ監督グループリーグ敗退、オフト監督→岡田監督でベスト16、ザッケローニ監督グループリーグ敗退。
この系譜を見ていくと、トルシエ監督、二回目の岡田監督の時に結果を出しております。
ベスト16の時は、何れも守備的と、揶揄されました。

これは持論ですが、どんなチームも守備を軽んじては、勝つ事は難しい。
また、日本は規律ある守備は特長です。
これを活かさなければベスト16に到達出来ないと物語っているのではないでしょうか。

今回のワールドカップに於いて、選手達が口々に「自分たちのサッカーを」と言いました。
過去、日本らしいサッカーとは何だったのか?という模索する時代が続いてきました。
イングランド、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、メキシコ。
様々な特色がある国の中で、日本らしいサッカーというのは何なのか。
明示できず、試行錯誤をしてきたのが、Jリーグ創世からだったと思います。
その中で、こういう言葉が生まれてきたのは、日本サッカーの成長でしょう。
つまり、俊敏性、テクニカルなパス、運動量、これらをベースに相手をどう攻略していくか、
それが日本代表らしさなのだと、実感しました。

しかし、それだけでは勝てない事も、今回、証明しました。
原因としては、経験不足という事があるでしょう。

一つに、本田は確かにチームの中心ですが、中山、秋田、川口、闘莉王、中澤、俊輔などなど、
彼に意見できる、経験を伝えられる存在は必要だったかもしれません。
勿論たらればですが、それを決まり事として今後もやってみた方がいい気はします。 

あと、これは私感ですが。
世間一般的な具体的な例です。
ある新入社員が、「学生時代にやってきた経験を活かして、会社が成長し、自分らしさをアピールしたい 。」
という様な事は儘あると思います。
しかし、社会経験も10年もあれば、一笑に付されます。

確かに新しいアイディアや、個性などは大事なものです。
だがそれは、社会を知る事よりも大事ではないのです。
社会を知り、如何に自分が未熟か、同様のアイディアや、類似の個性がどれだけ溢れているか。
これを知らなければ、何の意味もありません。 

真似をする=イミテーション、パチモン
そんな感覚があるかもしれませんが、真似をできて、更にオリジナルを越えたものが本物です。
一時流行ったものには、それなりに理由があります。
それを後から真似をしても、それは自分でもないし、格好良くもない。
けれど、それから学ぶべき事は沢山あるでしょう。

真似を嫌がる人を多く見ますが、それで個性が消えてしまう程度の個性なら、
社会の荒波は越えられません。

何が言いたいの?そんな声が聞こえてきますが、気のせいでしょうか。

「日本らしいサッカーはこうじゃないか?」
というものを見つけたとしても、それは初歩の初歩。
リトリートをして、カウンターをやるべき時もあれば、パワープレーに出る必要な時もある。
鹿島る(時間稼ぎ)のが必要な時もある。
日本サッカーの今後の展望が見えたが、それのマネージメントはまだまだこれからだと、
それがわかったのは今回のブラジル大会だと思う。
そしてマネージメントがしっかりしなければ、アジアでは勝てても世界では何にも魅せる事はできない。

今回、「目標が優勝。」という言葉も出たが、いい恥さらしと思う方もいるだろう。
優勝を口にするには勇気と責任感が必須だ。
しかし、残念ながら、今回は優勝を口に出来るレベルのチームではなかった。
だが、それは口にしてみなければわからない。
目標はまだまだ高い、主な方法は決まってきた、最後の手段をどうするのか。 

日本サッカー界の模索はまだまだ続く。
Jリーグと共に。 


窮地に追い込まれたから思う事

2014-06-22 22:44:32 | 日本代表

努力は好きですか?
好き!と答える人は決して多くはない筈。
努力をしても報われるという約束はない。
努力は苦しい、きつい、他人に理解されにくい。
努力をした後、結果を出さなければ、他人に理解はされない。

幸運にも努力の上で結果を出した時、違和感を伴った賞賛を得る。
いきなりマスコミだとか周囲の人に努力の功績を称えられても、
その前から注目していたジャーナリストだとか周囲の人は多くはない。

努力をしなければ成功はしないが、努力をしたとしても成功できるという確約はない。

要素として、努力の方向性や、手段は大事で、それを出来る才能というものもある。
その上で時間を掛けた時に運に恵まれると、自他共に成功と言えるものが訪れるのだと思う。

ここでトップアスリートであった為末さんの発言を引用したい。

為末 大@daijapan

人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく。

 

つまり、努力=夢が叶う、成功ではない。
環境や運は必須だ。

しかし、一方で努力は嘘をつかない。
自分で考えてしてきた努力には、意味がある。
そしてその意味は他の事をした時でも生きてくる。
業界や職種が変わってもやってきた事に意味は出てくる。

つまり、努力や才能や成功や運というものは、方向性としては賭博と同じだ。成功が約束されるものではない。
どれだけ可能性を高められるか。若しくは、どれだけ多方面に活かせるかというものだ。

サッカーの話しをしているのに、何故に「努力」の話題ばかり?と不満に思われるかもしれない。

ツイッターの内容で恐縮だが、

「なぜザックはあんな采配をしたのか考えていたが、ユベントスファンの友人から「ザックは大きな舞台でいきなり采配がフリーズする」と聞いて、昨夜はぐっすりと眠れた。」

というもの。これを聞いた時、最近の采配の摩訶不思議さに納得がいった。
また、2002年ワールドカップのトルコ戦、トルシエ監督の時に、三都主をFW出場させた当時の驚きを思い出した。

努力というものは準備である。
今後成功する為の準備が努力である。

ゴールを決める為の、オフザボールの時の動きや、シュートのパターンを増やす事、相手の動きを逆手に取るなど、
様々な準備がなければゴールは生まれない。
いきなり某有名選手の物真似をした所で、幸運など「ほぼ」訪れない。
常日頃から某有名選手の研究をしているからこそ、咄嗟の場面で出て、賞賛を得るわけだ。

大舞台(ワールドカップ)に於いて、どうしたいかという成功する結果を求めるのであれば、
その為の準備は必要だ。
大舞台がどういうものか、様々な情報収集と、成功にしろ失敗にしろ体験があり、
更にこれらに対する分析力は 必須の能力だろう。

土壇場になって、慣れない事をやって結果など出ない。
それで例え幸運に恵まれて結果が出たとしても、それは何の経験にもならない。 

土壇場の状況まで考えた準備、土壇場になった時にも対応できそうな基礎、
そういう柔軟な発想とそれを備える準備が日本代表には足りない。

これは監督だけではない。
選手をはじめとしたサッカー界にも言える事ではないか。

その証左として。
先入観を持って試合をしてしまう、稚拙な選手の多い事。
相手が事前の情報と違い、カウンターで来ている。
それならば「こうする!」というものを選手全員、サポーター全員、サッカー界全体で考えないとならない。
それがあって初めて、即座に引いて守るだとか、前から行くだとか言う事に意味がある。
監督だけにこういう判断が必要なのではない。
監督の判断を理解して対応する為には、選手もそういう可能性がある事をどこかで理解していなければ、
上手くはいかない。 

有機的な動きで点を入れる。
この為には各々が一つの事を考えた時に訪れる。

ピンチだからと言って特別な事をいきなりやっても、失敗する可能性が高く、
例え成功したとしても次に繋がらない。
今までの準備や努力やポリシーが大事なのは、神明の理だろう。 


日本サッカー界に足りないものとは。

2014-06-17 22:52:10 | 日本代表

日本代表に必要な事って何だろうか。
それは挙げればきりがないだろう。
しかし、今、至上命題として必要なものがある。

相手をリスペクトし過ぎるだとか、相手を軽んじたとか、相手が守備的&攻撃的だと思いすぎたとか、
そういう思い込みが邪魔をして、本来の形でフットボールが出来ない事がある事だ。
イビチャ・オシムも、本田も言う。

彼らが言う事はもっともだ。
日本代表のサッカーがどういうものかという、アイデンティティは正直ない。
速いパス回し、高い技術、豊富な運動量という、要素はある。

しかし、体系化されていないし、無論、他国にも深く認知されていない。

先日、ミラニスタという阿佐ヶ谷のスポーツバーのオーナー、カズさんと話した。

その時に思ったのが、攻撃的な選手の動き直しである。
これは、トライアングルを作るという、サッカーの基本とも密接である。

トライアングルを作るというのは、サッカーの基本である。
つまり、自分がボールを持っている時に、パスコースが2つあるかという事。
一対一の状況で、自分と味方の間に敵がいれば、パスコースはない。
しかし、味方が動く事でパスコースを最低でも二つ作るという事を想像してみて欲しい。

ボールホルダーが居たとして、それを見守っている自分がいる。
しかし、その間には敵選手がいる。
ならば、動いて味方がパスを出しやすい様にするのが責務だ。
敵の動きを予測して、コンマ数秒でも、常に味方がパスを出しやすいポジショニングを取る事が大事なのだ。

これが常にあれば、もっと円滑にパスは回る。
凋落気味のスペインの様でもあるが。

中村俊輔が憧れのスペインに移籍した。
しかし、正直活躍は出来なかった。
様々に事情は違うが、香川はドイツで大活躍をした。
この違いとは何だろうか。
無論、技術やポジションの差などはあるだろう。
しかし、ドイツはおしなべて、体格と力の強さを特長としている。
スペインは日本人とそれほど体型も変わらず、技術も優れた人がかなりいる。
つまり、外人=自国と違う特徴のある人間が、スペインでは当てはまらないし、
ドイツなら当てはまりやすいとも思うのである。 

昨今、バルセロナもスペインも、結果としては芳しくない。
だが、日本はスペインでもバルセロナでもない。

常にポジションを考えて動いて欲しい。
ここならいいシュート打てる!と思っておパスがこなければ意味がない。
いいシュートも打てるし、パスも受けられる場所を、常に考えなければ、点は取れない。
若しくは、FWがシュートを打てる場所にいる。そいつにいいパスを出せるのはどこのポジションかという事。
それを常に考える癖が、育成年代から無ければ、日本は永遠にベスト16を行ったり来たりだろう。 


コートジボワール戦の敗因から次へ

2014-06-15 22:05:12 | 日本代表

ワールドカップが始まった。
日本の初戦はコートジボワール。
ドロクバの名前は余りにも有名ではあるが、彼は万全ではないし、歳も重ねている。
それをどう使ってくるかは、注目だっただろう。
対して、日本は軸とも言うべき、本田と香川はチームのリーグ戦の影響から、
コンディションは良くはない。
また怪我明けの長谷部にしても不安は残る。

しかし、明るい材料もある。
岡崎はチームでの活躍は目覚ましく、成長も目を瞠るものがある。
また、蛍と森重のここに来てのフィットぶりも、いい。
守備陣と言うものは、簡単にフィットする事は稀である。
それは約束事としての戦術が緻密にあるし、阿吽の呼吸というものもあるからだ。
また、攻撃のアクセントとして、得点王の嘉人の活躍も期待される。
そんな中、初戦が始まった。

序盤は良くはないが、悪くもない。初戦にありがちな固い展開だった。
懸念材料は、シュートの少なさと、左サイドを蹂躙されていた事だ。
本田は経験値の豊富さからか、流石に親善試合とは違うパフォーマンスを見せた。
一方の香川は、守備への一歩も攻撃への一歩も不足。
守備に定評のある長友がいても、左サイドからチャンスを作られていたのは、
香川の低調ぶりと無関係ではないだろう。

幸運として本田のゴールを前半に取れた事は非常に大きい。
後半をどうするか、それがハーフタイムでの課題であったと思う。

シュート数には開きが出ていた。
公式記録を探せてはいないが、確か前半で相手は12本を打っている。
尚、公式記録として、試合終了時に於いても、19本に対して、日本は7本。
枠内でも9本と4本と倍以上の差が出ている。 

少し思い出してみて欲しい。
代表の選出時、攻撃的に行くとの事で、守備に強いチーム作りに舵を切らなかった。

どんなチームでもこのシュート数では敗戦は当然と理解出来るし、
攻撃的なチームを標榜するならば尚更だ。

しかし、最初から負ける試合だとは、私も思っていたわけではない。
敵は先ほどの左サイドからの攻撃を執拗に仕掛けて来ていたし、
前半に点を取ったのなら左サイドになにかしら工夫は必要だっただろう。

私がそこで思うのは、香川→嘉人である。
嘉人も守備が得意というわけではないかもしれないが、よく走る。
よく後半の15分ぐらいからサッカーは足が止まる。
ならば足が止まる前に、守備が軽かったこの試合での香川の交代はなされるべきだった。
つまり後半の頭からの交代策である。
尤も、香川をトップ下にして、本田をトップに、大迫を交代する事も悪くはなかったであろうが。
何れにせよ、左サイドに手を打たなかったのは、致命的で今回の敗因の一つだろう。

また、長谷部は万全ではなかったし、出てきた時点で交代は予測された。
後半の遠藤投入は想定内だったが、全く効果的ではなかった。
ドログバの投入が予想された中で、守備の強度を下げるこの交代で、
何をしようとしたのか。
遠藤を出すという事は、勝っていて、運動量が落ちてきている相手に対して、
相手をいなすパス回しがある事が必要だ。

遠藤→青山ではなかったか?

ここに来て、私が述べている事は全て守備の改善である。
だが、ザッケローニが本当に攻撃的なチームを指向しているのなら、
ゴールもシュートも少なすぎる。
攻撃的な前からいく守備も少なすぎた。

このまま大会から消えるのは嫌だ。
それは誰でもそうだろう。 
ならば、工夫は必要だし、もっと走り回らなければならない。

ブラジルは知らない土地ではない。
コンフェデでも戦った地である。
コートジボワールもギリシャも出ていない。
まだチャンスはある筈だと、選手達に信じさせるような応援が必要だ。 


コンフェデレーションズカップを終えて

2013-06-25 11:02:03 | 日本代表
コンフェデレーションズカップとは・・・
 ワールドカップ前年に開催。
 各大陸王者、つまりアジアカップに優勝したチームが出場できる。

今大会の成績は・・・
 ブラジル戦 3-0 惨敗
 イタリア戦 4-3 惜敗
 メキシコ戦 1-2 敗戦

端的に3戦の印象を述べたいと思います。
ブラジル戦、大会への準備不足。
イタリア戦、勝利経験の不足。
メキシコ戦、普遍的な力負け。


ブラジル戦は失点の時間帯が、前半後半の開始直後と、試合終了間際。
サッカーは、前後半の開始5分と終了5分前に注意しろと言う。
サッカーに携わる人達でこれを知らないと言う人はいないと思う。
それでも失点してしまうのは日本の幼さである。つまり準備と経験の不足。
ただ、強豪のメキシコにしてもブラジルに対して9分と93分に失点している事からも、
一概に日本の稚拙さだけを言うのは間違いである。
ブラジルは開催国であり、元来優勝が条件であり、またそれに価する活躍をしていないという、
世論からのプレッシャーもあるのだから。


イタリア戦だが、日程的に有利だったのがこの戦いである。
下記の日程を見て欲しい。

メキシコ 16 19 22
イタリア 16 19 22
日本   15 19 22
ブラジル 15 19 22

初戦が15日だったブラジルと日本が有利であったのは明らかである。
イタリアのチーム状態が元々よくない事は、メキシコ戦を見てもわかる。
それであれば、あの惜敗は、必勝でなければならなかった。
個人的にイタリア戦での敗因は、0-2の時に守れなかった事だと思う。
前半を0-2で終えるのと、1-2で終えるのでは天と地の差がある。
監督の采配という意味でも、選手のメンタル的な状況を考えてもだ。
けれど、香川のコメントから、3点目に行く意識が垣間見え、そこから前半に失点している。
コメントした香川に責任があるわけではない。
その様な空気が日本代表に流れていた事を自戒するべきだと思う。
如何に自分達の流れの時に得点をし、相手の流れの時に如何にいなすか。
それができなかった。これはもう10年というスパンでの日本代表の問題点ではある。

しかし、イタリア戦には様々な価値を見いだせる。

まず、守備の堅いと定評のあるイタリアから3点を獲った事である。
今までの強豪との戦いでは、組織力の守備で、1-0などでのロースコアでの勝利はなくはない。
しかし、これだけの複数得点を親善ではなく真剣勝負で強豪国から奪った事は記憶にない。
日系が多いとは言え、ブラジル人のファン、その他世界のサッカーファンが、
日本のサッカーを面白いと思ってくれた。
当然、統計学的に言えば違う数字が出てくるのかもしれないが、そういう声があったのは事実であり、
ポジティブに捉えていいと思う。

つまり、香川と本田を軸に日本もやればどんな強豪相手でも点が取れるという事は実証したのである。
点が取れなければ、絶対に勝てない。最初から守りきれば当然引き分けを手に入れる可能性は高い。
今までの日本代表は、守備に重きを置いてきた。
しかし、これはチームスタイルとして仕方ない。だからこそ、このイタリア戦で手に入れたものは、数多く、
価値のあるものであると思う。
むしろ、「価値のあるものであった。」と、過去を振り返った時に言える様に、今後もっと精進せねばいけないだろう。


最後にメキシコ戦。
元来、南米や欧州から孤立気味であるが、実力は侮れないメキシコ。
同じく南米や欧州から遠く、背格好も近い日本代表はメキシコから学ぶ事は沢山あるとの論調はあった。
そのメキシコには、普通に負けた。
特に、後半の日本代表の運動量の低下は目を覆った。

ザックの采配については、効果と結果においてではないが、意図としては十分理解できるものだった。
暑さや日程など様々な理由があったとしても、コンフェデに限って言えば日程的に有利だったのは日本だ。
通常、サッカーは後半の15分~25分辺りで運動量が落ちやすい。
2失点目は明らかにその時であり、原因もその部類である。


さて、日本代表にとって今回のコンフェデは何だったのか。
私なりの総括を以下に示したい。

優勝を目指すと口にしたのは恐らく初でした。だからこそ、強豪との差を実感した。
何となく願望を述べたわけではなく、実際に優勝するチームと何が違うのか、
それが選手から出たのは大きな違いである。
つまり、ビッグクラブに所属する選手が複数人出始めた昨今、
力的に全く敵わないわけではないのではないか?という疑問から湧いた挑戦だったのだと思う。

今までの、守ればある程度結果を残せるという代表での長年の課題は、得点力不足。
しかし今回の日本代表は、強豪からも複数得点が取れる事を実証して見せた。

尤も、あれだけ失点していたら、勝つものも勝てない。
1試合平均3失点では、平均5得点しなければチームとしては成り立たないだろう。

そこで結局一般的に言われている事に行き着く。
試合の流れを読み、そこから攻守の選択をして共有する事が必須である。
攻める時、守る時を自然と皆が共有する文化を育む必要性だ。

日本のサッカー、つまり代表やJリーグについて、外人監督にはよくこう言われてきた。
90分攻め続ける事など無理だ、と。攻める事を休めと言うわけではない。
どうしても攻撃陣が手を抜くとか怠けるという印象が強くなってしまうが、
そういう事ではない。

試合の流れによって、強弱をつけようと言う事だろう。


視点が変わるが、サポーターにもこれは大事だと思う。
今が攻撃するべき時なのか、守備をするべき時なのか、それによってスタジアムの空気や応援が変化する事は大事である。

実際、マリノスの応援は、流れによって変化する。イケイケの時。ピンチで堪え忍ぶべき時、と。

代表の選手だけ、サッカー選手だけが、わかればいいのではなく、携わる一人一人が文化として育む事こそ、
今後本当に日本代表が優勝する時に絶対に手にしていないとならないものだろう。

今回、世界は驚いただろう。
僅かプロ化20年でここまで強くなった事を。
それだけの事をやってきたのは確実である。

但し、日本が強くなってはいるが、強豪国も進化をしているのだ。
背中は見えかけているとは思うので、今後も走る速度を緩めてはならない事を実感した。

ワールドユース(U20W杯)出場ならず

2012-11-13 21:14:58 | 日本代表
ワールドユースは既に正式名称ではないのだが、
馴染みがないので許して頂きたい。

さて、マリノスの熊谷アンドリューが出ていたので、アジアU19選手権は見ていた。
ちなみにワールドユースの予選にもなっている。

グループリーグの苦戦も、幸運とも言うべき成績でトーナメント戦に出場。
ここで一皮剥ければと思っていたが、イラクに一度追い付くも敗戦。

勝てば世界だったが、またもアジア止まりで終わってしまった。

このチーム。
前線の選手の足がよく止まっている。
決して運動量の問題ではないのは、早い時間帯から起きている事からもわかる。
ボランチのアンドリューが広大なスペースをカバーしている。
最終ラインの押し上げが弱い。

どうしてこういう事があるのか。
前線の選手が連動してキープやパス交換をしていないのである。

前線の選手も有望な選手ではあっても、数人相手にキープできる様な怪物ではない。
それならば、数人で連動して相手を攪乱し、速攻と遅攻を行うべきだろう。

キーとなるのは、アンドリューの相方、松本である。
元々、攻撃的な選手との事なのだが、余りにも早く上がりすぎる。
尤も、他の攻撃の選手も一度引く事をせずに上がって待っている。

これでは守備する敵方は簡単である。
また攻撃陣は交通渋滞である。

いつか解消されるかと思って見ていたが、殆ど変化は見られなかった。

だが、これは選手だけの問題なのだろうか。
むしろ、戦術、つまりコーチ陣の問題なのではないだろうか。

最後にワールドユースに出たのは2007年である。
2年毎に行われているのに、もう5年(6年)出ていない。

若い世代において、同世代の一流になるかもしれない世界の選手達と本気で戦えるのは、殆どない。
欧州や南米のクラブチームに移籍できればいいが、それは日本代表のチームとして戦うのとは意味が違う。

非常に残念な事だ。
しかし、これは選手だけの問題ではない様に思う。

2012年の海外遠征(フランス戦、ブラジル戦)の捉え方

2012-10-19 05:04:45 | 日本代表
フランスでのサンドニの悲劇。
私はこの記憶が鮮烈に残っている。
中田英寿以外、誰もサッカーをできずに、W杯とユーロの王者、フランスに5-0の大惨敗をした。

さて、今回の海外遠征を振り返る前に、過去の結果を少し振り返ってみたい。

親善試合の遠征の過去5年の結果を見てみる。

2007年、オーストリア戦はPK戦で敗北。スイス戦は撃ち合いで3-4で勝利。
2008年、なし。
2009年、オランダに3-0で惨敗。南アフリカスコアレスドロー。
2010年、イングランド2-1で敗戦。コートジボアール2-0で敗戦。韓国で0-0。
2011年、なし。
2012年、フランス戦、0-1で勝利。ブラジル戦、4-0で敗戦。

振り返ってみると、強豪と言えるチームに勝ったのは、今回のフランス戦。
つまり、今までにそれ程良い結果を出してきたわけではない。

フランス戦で持ち上げられて、ブラジル戦で悲観論がスポーツ紙では蔓延したが、
むしろ善戦した方かもしれない。

結果的にはそう。問題は内容かもしれない。

ここで前提条件を考えてみる。

フランス戦にしてもブラジル戦にしても、ほぼ相手ゲームの試合だった。
だが、今回は相手が有利と言えるゲームである。

フランスは大事なW杯予選スペイン戦の直前である。
ブラジルはW杯開催国なので予選がない為、どのチームが相手でも真剣勝負を行いたい。
日本が対戦したのは、そういうモチベーションである相手で、実力的にも上。
日本は直近で重要な戦いがあるわけではなく、モチベーションは難しい。

しかし、だからこそ大敗を喫したとしても、問題はない。
次のオマーン戦(11月14日)まで修正する時間もある。
何が起きても悲観する必要はないのだ。

では、今回の戦いについて。

敵地フランスでフランス相手に戦う事など、そうそうない。
アウェーでの基本戦術、カウンターを試す事も、今の日本代表ならばアジアではできない。
それが今回成功した事は良かった。狙い通りだったかは疑問の残る所だが、
今後他の強豪国は、フランスを撃破した日本を警戒してくる筈だ。
カウンターのできる事は大事な武器である。

次にブラジル。到底敵わないという内容だった。
シュート精度の差などとも言われるが、メンタル的にかなり劣勢であった事が問題だった。
守備にいけない。抜かれる事を恐れて、人数が揃っていてもボールを見ているだけ。
例えそれでボールを奪ったとしても、いい守備ではないから当然いい攻撃も生まれない。
あのブラジルからどうやってボールを奪うか。失点しないか。
それは今後の課題となるだろう。

五輪でいくら良い結果を残そうとも、フル代表は別。

強豪国との戦い方を学ぶ、いい機会であったし、達成した事と課題もよく出て来たと思う。

親善試合の海外遠征は、日本での対戦や、アジア勢との戦いでは出て来ない課題を掴む為のものである。
良い結果で自信になりこそすれ、決して人生を左右するものではない。
悪い結果が出たとしても、宿題が出たわけであり、それを克服する為に頑張ればいいのである。

日本はもはや強豪国にとって、重要じゃない国ではなくなっている。
前を向こう。

ロンドン五輪 U23 総括

2012-08-11 07:28:26 | 日本代表
結果的に4位だった。

残念な結果だったのは言うまでもない。


しかし、五輪開幕前に、彼等がリーグ戦を突破できると誰が思っていただろう。

強豪スペイン。その他も油断はできないチーム。
だが、いきなりのスペイン撃破。
そしてある程度の余裕を持ってのグループリーグの突破をした。

この時点で、多くのサポーターが驚いた事だろう。

ワールドカップやユーロを制覇したスペイン。
その代表メンバーを含むスペインに勝った事は特筆すべき事であるし、
時代に名を残した。

OAとして、徳永と麻也を招集したのは正解だった。
麻也は今までのA代表でのプレーぶりよりもレベルアップを感じた。
闘莉王並みの存在感、キャプテンシー、守備力を発揮していた。
歳は、五輪世代と変わらないので、今後に注目である。

徳永は、色々言われたが、彼の経験値を活かした守備は、日本を何度も救った。

攻撃陣は、戦術永井が炸裂したし、大津も全試合を通して良かった。
清武は、終盤になって調子が出て来た感があるので、
精進を求む。彼ならできると思うから。


ここで、監督と宇佐美について話したい。

関塚は無能ではない。
でなければ、ベスト4はなかった。

関塚は、スタメンの選出はかなりいいと思う。

問題は修正能力だ。

破れたメキシコ戦でも、気の利いた交代はなかったし、低下する運動量に対する対策もなかった。
韓国戦では、前半はペースを握るものの、カウンターから失点。
これに対しての対策が、ハーフタイムを過ぎても見られなかった。
もっと言えば、メキシコ戦で永井対策をされていたのに、それを修正できないばかりか、
韓国戦でも無策だった。

つまり、一から作らせるのはいいが、ある程度完成しているものを、修正するには経験値が必須な為、
経験値不足を露呈した感はある。

あとは、宇佐美の重用である。

宇佐美はここ数ヶ月で、五輪において何をしたのだろうか。
クラブチームで何をしたのだろうか。
その彼に、関塚は何を賭けたのだろうか。

俺がマリサポだからではない。

学の方がよっぽど結果を出していた。
トゥーロンのゴールでも、五輪で退場を誘ったのも、学だ。

宇佐美を終盤になって出した事を納得させるだけの何かを、
感じない。

これは監督にとっても、選手にとっても良い影響はないと思うが、いかがだろうか。

元々、関塚は、川崎でいい成績を残すけれど、タイトルは獲れないと言われていた事が、
今回も同じだったのかもしれない。


監督の責任は重いが、選手にも責任はある。
監督の指示で修正をしなければならない事はない。
このチームに於いて、修正するアイディアを強く印象付けた事はなかったのは、
チームとして選手として監督として残念な事であるし、
今後にも影響する。

この世代はU20などで、世界を知らない。
初めて、世界をこの五輪で知ったと言っても過言ではない。
それでこれだけやれた事は、誇ってもいい。

ただ、忘れてはならないのは、今後もサッカーは続く。

なでしこは、好成績を残さなければ、明日のなでしこ人気はわからない。
しかし、男子はある程度の成績でも、Jリーグに即座に反映するわけではない。
A代表人気に対してもそうだろう。

戦う姿勢、アイディア、もっともっと見たい。

ロンドン五輪 なでしこ 総括

2012-08-11 07:10:16 | 日本代表
ワールドカップを獲って、次は本命の五輪を獲る事が、
なでしこ唯一無二の悲願だった。


さて、男子のワールドカップでよくある事だが、
優勝候補が調子の出ないグループリーグを戦い、
トーナメントになって調子を出してきて、
好成績を獲る事はよくある。


なでしこも実力としては、一二を争う存在なだけに、
見慣れたスタートではあった。

わざと引き分けた、など色々な物議を醸し出した。

しかし、彼女達は、ひたむきに闘志を見せて、戦い抜いた事は、
見ていた人達全員の胸に焼き付いている事だと思う。

世界大会とは違うものの、普段の彼女達は、なでしこリーグで見られる。
チケットも無料だったり、2000円ぐらいなので、ぜひ観戦に足を運んで頂きたい。
彼女達は、Jリーグほど恵まれてはいないので。
サッカーややっていれば飯が食えるというわけではない彼女達です。

話しが逸れたので戻します。

五輪前、左サイドバックの守備、ボランチの守備に難があった。
しかし、鮫島は攻撃にも加わりながらも、最低限の守備もこなした。
実際、左サイドバックに原因がある失点はなかった様に思う。

むしろ、ボランチの守備陣はなかなか難しかった。

ボランチに於いて、澤の実力は言うまでもない。
北京五輪の時からの阪口の成長には目を瞠るものがあったし、
今回も悪くはないプレーを見せていた。
尤も、このポジションはチームの流れを左右するので、
更なるレベルアップは望まれる。

今回の五輪に於いて、熊谷と岩清水のCB二人は抜群の安定感を見せていた。
かつての、闘莉王と中澤のCBと同じぐらいの存在感を発揮していた。

あと、大儀見(永里)のFWのファーストチョイスとして奮闘した事も忘れてはならない。
レベルアップの余地はあるが、十分な活躍だろう。

今回の五輪で、残念な要素としては、宮間あやである。
次期10番を背負うであろうキャプテンのパフォーマンスは、
良くはなかった。
悪くはないのだが、金メダルを獲るのであれば、
宮間の絶好調は必要だったであろう。

今回のなでしこにおいて足りなかったものは、ずばり攻撃力だった。

ボールを支配し、シュートまで持って行く。
そんな圧倒した試合は少なかった。

アメリカは普通に強かった。
元々、10回やっても、勝てるのは数回であっただろう。
モーガンは恐るべし存在であるし、アビーがいなくても次がある、
アメリカを感じさせた。
しかし、アメリカは絶対になでしこを意識している。

ならば、勝つ術を次に発揮して欲しい。

金を獲れず、残念な銀メダルではあった。

しかし、大野忍の明るさにより、表彰式は明るいなでしこの華が満開だった。

彼女達の笑顔を忘れない。


蛇足だが。

カナダはアメリカと似た様なイメージがあったが、
アメリカよりテクニックがある様に見えた。
トラップにしてもパスにしても。

次のワールドカップにおいて、カナダは難敵になるかもしれない。

グラスゴーの奇跡

2012-07-28 11:08:52 | 日本代表
アトランタ五輪で、当時圧倒的であったブラジルに勝利した試合があった。

マイアミの奇跡。

そして、今回のグループリーグ初戦も優勝候補のスペイン。

現在、フル代表での成績ではあるが、ワールドカップ優勝、ユーロ連覇など、
圧倒的な無敵艦隊スペイン。
若手である五輪代表には代表の選手もおり、スペインに対して日本代表がどれだけ守れるか。

俺も、1-1のドローを期待していた。

スペインの攻撃力を考えれば無失点に抑えるのは難しいだろうし、日本の守備に難がある。
更に、1強との初戦を考えれば、勝ち点1を取り、2、3戦目で2勝する事の方が大事だ。
アトランタでは実際にブラジルには勝ったが後が続かず、トーナメントに行けなかった。
大勝する必要はない。次に繋がるしっかりとした試合をやる事が大事だと考えていた。

試合が始まってみると、日本代表のメンタリティに驚いた。
落ち着いて冷静に試合に入っているからだ。
つまり、攻守に於いてスペイン対策をしっかり実行できているという事だ。
大会の初戦は緊張するであろうし、雰囲気などに怖じ気づいてしまう事もある。
凡ミスやシュートまで行けない攻撃など、初戦の前半でこういう事が起こりやすい。

少なくともこれを見せなかったのは驚異である。
サボらない献身的な守備。永井のスピードを活かしつつ、オーバーラップを繰り返す守備陣。
守備に不安を抱えていたこのチームに、徳永と麻也という経験値を得ただけではなく、
地道に最後までやり抜いたメンタリティは賞賛されるべきものだった。

スペインは優勝を狙うチームだから、初戦から全力を出す事はない。
それでも、この日のスペインは日本に勝てる要素は見当たらなかった。

奇跡だと思う。
しかし、起こした人達は決して奇跡だとは思わない筈だ。

奇跡は起こそうと思ってやるものではない。
確率の低さを高める為に、細部から積み上げてきた成果であり、勇気と運の結果だ。
起こした本人達は奇跡だとは思ってはいない筈だ。

そして、完璧な試合展開ではあったが、ミスもあった。
それにスペインもフル代表ほどのクオリティではなかったのもある。
実際、課題を上げる事は難しくない。
あれだけの決定機を決めきれなかったのは痛い。
左サイドの守備はどうしても問題として解決したとは言えない。
怪我人も出してしまった。
それでも、スペインを完封したのだから、足下を見て地道に頑張って欲しい。


さて、ホンジュラスとモロッコの試合を観戦していたが、こちらも非常に興奮した試合だった。
退場者も出しながらも、2-2という展開。
次戦も熱い戦いになると予想するので、しっかりと気を引き締めて戦って欲しい。

こういうジャイアントキリングを起こした次の試合は、
大変に難しいメンタル状態になる。
慢心というと少し大袈裟だが、楽観視しやすい。
そして酒井宏樹と大津の怪我もある。
また、相手チームもスペイン戦の日本代表を調べ、対策をしっかりしてくる。

勝ち抜く為には、清武と学がグループリーグ残り2試合で、活躍する事は必須だ。

なでしこと男子代表の違い

2012-03-18 09:16:56 | 日本代表
昨年は色々ありました。

その中でも、なでしこのワールドカップ優勝や澤穂稀のバロンドール受賞は、
大きな明るい話題でした。
そして、先日も決勝は激戦の末、アルガルベカップでは準優勝に。
優勝の希望を抱いておりましたが、あのドイツとの試合内容を見れば、
誰もが彼女たちの勇姿に胸を張る筈です。

比して、男子代表はワールドカップ予選にしても、五輪予選にしても、
苦戦と苦悩の日々でありました。
五輪は何とか本戦出場を決めました。

今回はここから男子と女子の違いを俺なりに考察します。

1つ目は試合内容について。
男子より女子の方が頼もしく見えます。
先制されても追い付いたり、しっかり守りきったりと、
これは誰が見ても感動させるプレーぶりです。


2つ目は各選手のコメントについて。
試合後のコメントは男子の選手は一通りのコメントが多く、
聞いていて彼らの考えているコメントなのか疑問が湧きます。
例を挙げるのならば、

「次に気持ちを切り替えて頑張ります。」
「この勝ちを無駄にしない為に次頑張ります。」

など、Jリーグなどでもコメントしている様な内容のものが多いのです。
間違っている事をコメントしているわけではないですし、
バッシングするつもりもありません。
しかし、聞く価値のあまりないものが多いのです。

女子の選手は試合に沿った的確なコメントが多いのです。
つまり、自分の目で見て肌で感じた事を言葉にしているのです。


3つ目はお互いのスポーツとしての規模です。
男子代表はJリーグを見るまでもなく、全く選ばれなくても、全てがプロサッカー選手であります。
しかし、女子代表はそうではありません。
他の仕事をしながらプレーしている選手もいて、プロはほんの一握りです。

女子と男子では環境や給料にはかなりの差があるのです。

アルガルベカップは、ポルトガルで開かれた試合でしたが、
日本語の看板が多い事に気付かれた方はいらっしゃるでしょうか。
強豪国アメリカとの対戦でさえそうでした。
これはつまり、女子サッカーに対する広告を出す企業が、
世界的に珍しい事を表しています。

ドイツやアメリカの女子のリーグ、なでしこリーグ。
何れも環境はJリーグとは比較にならないレベルであります。

ワールドカップの優勝賞金にしても、

女子は約8億円(ドイツ大会)
男子は約26億円(南アフリカ大会)

程の開きがあります。
FIFAランクも、

女子は135の国と地域
男子は205の国と地域

とランキングされている数にも差があります。
つまり、なでしこが世界一になった事と、男子代表が世界一になる事は、
根本的に違う事なのです。
規模が違えば、環境も違うし、競争相手の数も違うわけですから。
優劣を簡単に決めつけるものではありません。


さて、まとめに入ります。


女子は世界一、男子も頑張れ、と言うのは簡単であります。
しかし、そうは言っても、全く違うものなのです。

男子は高校や大学を卒業して、サッカーしか知らない人間がサッカーをプロとしてやっている事が多いです。
対して、女子は働きながら様々な社会経験もしながらサッカーをやっている事が多いです。


多様な社会経験を積んでいるであろうなでしこの選手達は、様々な言葉を持っているという事です。
自分で考え、経験を積み、そしてコメントをしております。
ここになでしこの逞しさがあると思うのです。

けれども、男子が様々な社会経験をしながらプロになるなど、ほぼ無理でしょう。
高校サッカーの強豪校などでは、1年に休みは数日しかありません。
360日以上、早朝から夜までサッカー漬けです。
それでもプロは数人しか生まれません。


この先、男子サッカーは強くなる為に、プロとなった後にでも、様々な社会経験を積む機会があった方がいいと言う事です。
プロサッカー選手も一社会人として、サッカー界だけではなく、多様な苦労をした方が、より逞しい男子代表が見られるのではないかと思うのです。


また、女子は現在のなでしこは代表もリーグも注目されています。けれど、かつて一過性のブームで終わってしまった事を教訓に、これを根付かせる為にも様々なアイディアが欲しい所であります。男子サッカーと交流が活発にあってもいいと思います。
澤穂稀は、ワールドカップ優勝後、寝る暇もなくTV出演を続けました。
それが女子サッカー界の為だという事を、痛感しているからです。
澤穂稀に学ぶ男子サッカー選手がいてもいい。

共存共栄です。

東南アジアの躍進は近いか(ベトナム戦)

2011-10-09 20:27:15 | 日本代表
一部では、東南アジアにJリーグというコンテンツを売ろうという目的があるとか。
この時期に何故ベトナムと対戦か?と思う人も多かったのではないか。

前半、ザックが試したいと思っていた、3-4-3の布陣。
しかし、何故、3-4-3を試したいのか?という事が全く選手が理解していない内容だった。

25分に、マコ様、淳吾、イチュンソンでゴールは決める。

 1 - 0

しかし、ドイツ人監督のベトナムに手応えを感じさせた展開だろう。
例えて言うならば、ヨーロッパの強豪国のアウェーで、1失点で抑えた前半という内容だろう。

それ程に日本は酷かった。

確かに、試験的な試合ではある親善試合ではある。
しかし、中盤制圧、サイド攻撃という事を誰も実行していない。

左サイドの長友も右サイドの淳吾も単独突破しかない状態が再三再四見受けられた。

何の為の3-4-3なのか、ザックに聞いた人はいるのか。
何となくやっていないかと、憤りと不安に満ちた展開だった。

後半になって、選手交代を行い、ベンチ組み主体の4-4-2になった。
しかし、ここでもベトナムの奮戦ばかりが目につく。

結果、そのまま見所はないまま試合は終わる。

ベトナムは最後、退場を出してでも奮闘している印象が強い。

日本は研究される立場である。
更に言えば、追い上げられる立場である。
東南アジア諸国と言えば、楽勝できるという印象はもう捨てるべきだ。

ベトナムは、ドイツ人監督を招聘し、見事な守備組織を築いていたのだから。

ブラジルW杯三次予選ウズベキスタン戦

2011-09-07 21:52:58 | 日本代表
北朝鮮戦で、ロスタイム弾で辛くも勝利。

あまりいい思い出はないが、戦績は悪くない相手、ウズベキスタン。

柏木の代わりに阿部を起用して、少しフォーメーションの構成を変えて臨む。

しかし、中盤の守備がかなりルーズで、バイタルエリアががら空き。

前半8分には失点。

その後も、阿部は試合の流れに乗れず。

というか、中盤の良い守備がないまま、攻撃を続けるので、惜しい場面はあれど、
決定的とまでは行っていない気がした。

本田不在だからという事は、苦戦の要素としてはあるとは思う。

だが、北朝鮮戦でも辛口寸評させて頂いたが、全体的に綺麗なサッカーをしようとし過ぎている気がする。

試合自体は、清武が我武者羅に動く事で、チャンスを創出。

岡崎がダイビングヘッドで追い付いて、1-1のドローという最低限の結果で終えた。

試しながらも、最低限の結果を出した事で、ザックの首は繋がっている。

だからこそ、暫く空くスケジュール中に、前向きな方法を熟慮しないとならないと思う。

あとは、選手達のW杯の予選という厳しく、そして絶対勝利を求められる試合の中で、
特に必要になってくるものの共通理解を持たないと、今後も危うい試合は続くと思う。
この役割は、キャプテン長谷部に求めたい。

今までの先輩達がW杯出場をどの様に勝ち取ってきたかを、よく学んで欲しいと思う。