Marisapo.net | 横浜F-マリノスサポーターブログ

マリノスの記事を中心に、映画や雑感、お知らせなどを掲載。

外部の血が入った、新しいマリノスの行方は

2015-03-14 23:22:04 | 横浜Fマリノス

川崎に惨敗、瓦斯にスコアレスドロー。
見慣れない監督に、見慣れない外人の急な補強。
マリノスは大丈夫か?と不安になるかもしれない。

私が思う今年のマリノスは、確実に面白くなると思う。

今季のマリノスは色々と今までと違うからだ。

エリック・モンバエルツというちょっと舌を噛みそうな名前の監督が、
今季から指揮を執る事はご存知の通りだ。

さて、相違点を箇条書きにしてみよう。
・マンチェスター・シティーとの資本提携。
・外人監督の招聘。
・ブラジル代表候補の選手の獲得。

どれだけ違うか。
以前、オリンピック・リヨンとの提携があったが、特に目立った動きはなかった。
また、監督は日産のOBが続き土台の安定感はあったにせよ、
マンネリ感がある事は否めなかった。
そして、外人選手獲得についてもファビオは元々国内SC相模原所属の選手、
ラフィーニャは元ガンバの選手であるから、
全くの新規での外人選手の獲得は久しぶりである。
瓦斯戦でのアデミウソンの印象は、
純粋なエゴイストなFWかと先入観で思っていたが、全くそんな事は無かった。
簡単に言えば、俊輔と兵藤を足した様なイメージ。
足して2では割らないぐらいのポテンシャルはある様に思う。
献身的な運動量も才能のある動きの質もキックの精度も、
Jリーグでの活躍を予期させる。 

そして、肝はエリック・モンバエルツである。
初戦は正直、チームの体を成していなかった。
堅守のマリノスというイメージは欠片もなかった。
ただし、カウンターやセットプレーというかつて得意としていた、
結果を出していたマリノスの戦術は垣間見えた。
今季は攻撃をする!という意図は明確に見えたが、
守備が余りにも酷かった。
最終ラインは上がらないが、中盤は下がり、右往左往。
これでは熟成の風間川崎の攻撃を凌げるわけがない。 
案の定、パンゾーが一矢を報いたが、惨敗したわけである。

そして、瓦斯戦。
どの程度、守備の修正が入るかと見ていた。
しかし、驚く事に、見慣れた堅守のマリノスの守備が、
戻っていた。
そして、前のアデミウソンの動きである。
この試合では、シュートや攻撃の質、兵藤の運があれば、勝利出来た。

監督の修正力、応用力に舌を巻く。
慣れない日本で。
選手の怪我の続出というトラブルがあり、
また急に加入した選手がいたりする中、
ちゃんとした方向性を示し、
着実に修正を施している。

こうして見てくると、今までのマリノスに足りなかった部分が、
今季は確実に補強されている様に思う。
次節がどうなるかわからないが、
今後、ラフィーニャや俊輔が戻ってきたりしたら、 
攻撃が楽しみなマリノスになるだろうと、
今から心拍数は上がる。

但し、Jリーグは今年から2シーズン制に移行している。
つまり2敗すると厳しい。が、既に1分1敗である。
1stステージの優勝は既に難しいかもしれない。
しかし、リーグ制覇の匂いは確実にしていると思う。


樋口監督、退任

2014-11-16 13:56:02 | 横浜Fマリノス

2010年の木村和司監督のコーチ時代から、5年間マリノスに関わってきました。
山形(8、9位)、大宮(12位)、FC(16位)での監督としての成績、和司さんとの確執。
監督就任に際して、全くいいイメージはなかった。

そして、シーズンが始まっても攻撃の形が見えない感覚に苛立った。
彼の試合後のコメントと、実際の試合での攻撃についての違和感に、
不信感を拭えなかった。

しかし、昨季からペナ角を取るというキーワードを合言葉に、
攻撃は確かに活性化した。少し時間が掛かったが、攻撃の戦術的な面白さが見えてきた。
この辺りで不信感よりも応援したい気持ちの方が強くなった。
結果的に、リーグ優勝まであと一歩、天皇杯戴冠を達成した。

だが、今季はマルキーニョスが抜け、代替のFWを補強したが、穴は埋めきれなかった。
クラブとしては、何としても代表クラスやエースクラスのFWを取るべきだったし、
監督としては、手持ちのFWの才能を開花させるか、FWの個に頼らない攻撃の戦術を準備するべきだった。
こう考えると、今季の成績については、監督の責任だけではないのは明白だろう。
つまり強化部にも半分はある。それ以上かもしれない。

樋口さんのサッカーを見た時。

攻撃の形が見えない。
交代が遅い、効果的ではなく、準備不足を露呈。
セットプレーのバリエーションを感じない。
パワープレーやカウンターを実行すべき時はあるが、
それの準備を全く感じない。

不満を上げればきりがない。

しかし、過去を振り返っても、監督について、100%満足する事など、現実的ではない。 
狂信的でなければ、良いところも悪いところもあるのが普通だ。 

樋口さんは、人間的に優しく、気持ちの理解もある人であるし、真面目であると思う。
実績的にも 降格には無縁であったし、優勝争いもあり、天皇杯をJ始まって以来の獲得と、
有能であると思う。

残念なのは過去に指揮したチームにおいて、攻撃の構築の手法が出来ていて、 
それをマリノスに落とし込むという流れでなかった事である。
むしろ、この攻撃の構築の手法はマリノスで作られた様に見える。

樋口マリノスはもうあと2試合。しかし、樋口さんのサッカー人生はまだ終わらないだろう。
他のチームでマリノスで培った攻撃を表現されたら、見たいと思う。

マリノスが好きだから、安い報酬でも、マリノスの監督をやってくれたのだと思う。
マリノスが好きだから、守備に安定感があったのだと思う。

あと2試合お願い致します。 


未だ奥大介の死を受け止められない

2014-10-19 14:59:34 | 横浜Fマリノス

奥大介の訃報を知ったのは、昼間の休憩中のツイッターだった。タイムライン上は、故人を偲ぶ言葉が並んだ。
俺は思考停止した。無理して言葉を吐いてみても、違和感が身体を固くさせる。マツが亡くなった時と、同じ状態だった。
そこで、友人のガスサポさんが、彼の印象をツイートしていた。
的確で、また自分の印象とも近いと感じたので、紹介します。因みに本人了承済みです。

磐田の黄金世代の中でも奥は異質だった。周りが凄い速さでガンガンポジションチェンジしたり、パスをビシビシ通す中、一人だけ変なところを漂っていた。最初は理解できず「何やってるんだろう」と思っていたのだけど、磐田の中で異分子として機能してることがやがて分かった。
ただ、その不思議な立ち位置が磐田での立場でもそのものだったというか、中心選手なのに名波や藤田の影に隠れた扱いだった。彼が本当に輝いたのは鞠時代の岡田政権だろう。文字通りチームの中心として守りに攻めにゴールにセットプレーに主将に、それこそ何でも貢献していた。
逆に、その何でも出来てしまう能力こそがフル代表では損な立場になった。スペシャリストを集めていたジーコジャパンでなければ…。もう少し早く、もしくは遅く生まれていたら代表で欠かせない存在だったと思う。鞠を去る経緯も横浜FCでの終わり方も何か凄い寂しい形だったのは覚えている。


付け加えるのなら、マリノスからあろう事か横浜FCに行った事、また、そこで慣れないGMをやった事、DV容疑で逮捕、離婚した事など、
どれも彼の波瀾万丈さを物語っている。

俊輔が海外へ飛び立とうとしている時、ルーズなソックスの彼は来た。
当時、磐田と言えば代表よりも強い、そして鹿島との二強時代である。
また、1試合9得点、34試合で107得点、得失点+64という記録を残す様な、強くて面白いサッカーをやるチームであった。
その中で奥は、もがいている様に見えた。
そしてどうしてもトップ下をやりたくてマリノスへ来た。
俊輔の後釜として移籍して来たが、正直最初は色眼鏡で見ていた。
考えている事がよくわからない様に見え、プレーも90分でどれだけやれるのか疑問だった。
しかし、その後の事はご存知の通りの大車輪の活躍で、大黒柱となり、彼なしに連覇はありえなかった。
岡ちゃんの時、ドラゴン久保が来た。
ポテンシャルは未知数、まさにドラゴン、何をやるかわからないが、言葉数少なく、何を考えているかわからない彼。
人見知りが激しく、不安を抱えて広島から単身来た彼は、ダイさんと呼んで奥を慕っていた。
一緒に横浜FCに移籍した事からも、よくわかる。

色々と彼の事や、今回の訃報について調べてみても、違和感がまだ体に残る。
死を現実として受け止めるのには、まだ時間がかかりそうだ。


ネルシーニョ監督と樋口監督

2014-09-07 20:58:10 | 横浜Fマリノス

本日、ナビスコカップがあった。
日立台では柏は長らく負けてないらしい。
また、ネルシーニョ監督になってから、マリノスにとって相性がよくない。

先日行われたナビスコカップでは、ホームで柏に2-1で敗戦した。 
そして今日はアウェーの日立台。
前半に1点を取る事が求められる。
実際に試合では先制した。

しかし、失点を重ねた。

前半終了で同点の時、何か策があったのか?
失点した時に、何故、喜田を代えたのか。
喜田を代えた後、中盤はガラガラになった。
後出しと言われるかもしれないが、失点した直後、
俺なら伊藤に代えて 学に代えただろう。
学は代えてすぐに点は取れないが、
少しずつ効果が出来て点を取る。
明らかに劣勢になってから代えても、
時、既に遅し。

樋口監督は、準備や基本的な考えたについて、大きく間違ってはいないと思う。
しかし、ネルシーニョを尊敬するだかを言う割には、自由な発想に欠けている。
毎度、毎度、思うのだが、基本的な思考で準備していれば、全ての試合に勝てる。
そんな戦術など存在しない。
選択した、思考、傾向、方向性には、メリット、デメリットがある。
それをすぐにどうやって、修正出来るかが大事。
それでこそ、選択した意味がある。
何となく好きだから、格好良いから選択しただけならば、こういう事はできない。 

選択した明確な戦術、敗因の分析、相手の分析、これを理論的にする。
これがなければ、一生、ネルシーニョ柏には勝てない気がする。 


ナビスコ柏戦の雑感

2014-09-03 22:40:35 | 横浜Fマリノス

柏はなんか苦手に感じている。
それは、監督の采配力の差と言ってしまえば、話しは始まらない。

ホームのナビスコで1-2の敗戦は、次戦でかなり厳しい条件だ。
先ず、2点は取らないといけない。つまり、3点を取る気持ちがないと駄目だ。

ネルシーニョ監督になってから、柏の荒さというか、マリーシアにマリノスはいつも真っ向勝負を挑んでいる気がする。
飯田淳平という主審がどうであれ、強かに勝負をしなければならない。
これに翻弄されてしまったのと、最近の好調の役者である二人、学とラフィーニャを欠いたのが敗因だとするのに、
異論はそれほどないと思う。

勇蔵のイエロー2枚は、至極当然という面と、仕方がないという反面があると思っている。
そして、勇蔵が退場した後、どれだけ選手達が気持ちや結束力を見せられるかというのが大事だった。
強い時は退場者が出ても、「こんちくしょー」で点が取れたりする。
無論、根性論というか精神論だけで点は取れないが、無くしては点は取れない。
それは想起させる采配や、指示という裏打ちされたものが必須。

試合は水物。
主審の判断もどんな国のどんな大会でも水物。
それに負けないだけの力が無ければ、絶対には勝てない。
微妙な差ではあっさり負ける。

悔しさを胸に、学が戻ってきて、爆発してくれる事を願ってやまない。


 

 


サッカーの攻撃とは何か

2014-08-03 17:56:46 | 横浜Fマリノス

マリノスが例年通り、引き分け街道、そして前節ガンバに負けた。
見慣れた風景に嘆息してしまう。

選手のクオリティはどうだろうか。
CBは代表クラスであるだろうし、中盤には俊輔、学といるし、その他の選手達だって、
それ程低いとは思えない。
そんなマリノスは大抵の場合、守備はいいけど、攻撃に難がある。
しかし、攻撃を主体にして、守備を二の次にすると、成績は目も当てられない事になる。
良くも悪くもそれが伝統に思える。
マリノス=守備的というイメージがあるのはそのためかもしれない。
また、いい時は攻撃的な守備が絶対に存在するし、堅守とセットプレーは必須だ。
マリノスの長年の課題は 絶対的FWと攻撃的守備を如何に表現するかだと思っている。

さて、樋口マリノスは、どこか歯痒い。
それはセットプレーの精度と攻撃力の低さだ。
エリア内に行けてもシュートがない。
シュートが無ければ、ゴールは生まれない。
そして勝てない。

マリノスの攻撃は何が駄目なのだろうか。

そもそも攻撃とは、最低限の規律や思考があり、その上での即興性にあると思う。
準備した攻撃の形は、何れ攻略されてしまう。セットプレーを想像してみるとわかりやすい。
この攻撃さえしていれば絶対に点が生まれるというものはない。
その時々でのアレンジは必須だ。
アレンジする時には、瞬間の閃き、アイディアが大事である。
何事もそうだが、いいアイディアというものは、瞬間的に生まれる。
様々に試している中で、ふと生まれるものだと思っている。
真面目に「いいアイディアはないか?」と熟慮しても、
それ程いいものは生まれないし、それは他人も考えているものだ。
つまり相手に読まれるものである。

基本的な攻撃の思考、方向性がマリノスにはある様に思えるが、
それで得点出来ないのは、重症だ。
深刻な事態に思える。

樋口さんは、交代について、以前の遅すぎる采配も、選手の固定化も、
改善はされてきている様に思う。

しかし、プロを見る観客からの視点では、また同じサッカーに見えてしまう。
根本的に何か違う。
それはつまり、基本的な攻撃の思考や方向性が間違っているとか、
所属選手に合った攻撃方法を用いているのか、という疑問が湧く。 

マルキーニョスやドゥトラがいなくなれば、サッカースタイルに調整は必須だと思う。

つまり、貫くべきスタイルの熟成と、効果的な攻撃の思考方法の改善と、
出場選手による戦術の微調整がなければ、このマリノスの未来は明るくない。

攻撃とは、いいアイディアが生まれる余地を多く残した、
規律を示すという事だと思う。 


横浜Fマリノスクイズ、始めました!挑戦者求む!

2014-06-22 18:20:30 | 横浜Fマリノス

マリノスクイズ作りました。初心者に優しいカップ戦と、マニア向けのリーグ戦があります。
友人などにやってもらった結果、「そうなんだー!」「意外だね!」という感想を頂いております。
一部の方には、「難しいよw」とも言われておりますが、好きなあなたなら、出来ると思っております。
ご意見、ご感想は随時募集しております。ブログへのコメント、ツイッターでのDMや返信などで承っております。 


ターンオーバーに必要な事

2014-05-11 20:14:35 | 横浜Fマリノス

海外の強豪チームは総じてターンオーバーを行っている。
それはつまり、リーグ戦、カップ戦、大陸王者を選出するリーグ戦を全て同じメンバーで戦う事は無理だからだ。
一年の大半を中三日や中二日で、怪我もなく好調を守り、対戦チームの相性を凌駕する活躍する選手など、
この世には存在しない。
だから、メンバーを少し代えるという、調整が必要になってくる。

ここで少し別の方向性から話しをさせて頂きたい。
チームのポリシー、アイデンティティとは 何だろうか。
現在、王者の風格のある広島は、特異な3バックを行うスタイルがある。
その他に、現在首位の鳥栖にはハードワークが絶対に守られているものだ。
これは新潟や柏からも感じる。
現代サッカーに於いて、ハードワークをしないチームは勝てないが、
ハードワークが最優先でこれを免除されないチームと映る。
逆にハードワークをしなくても個の能力で凌駕できる選手はいる。
過去を振り返っても枚挙にいとまがない。
それでもハードワークをさせる。
これが組織の規律、チームの方向性なのだから、従わない者は冷や飯を食う羽目になる。

何の話しをしているのだろうか。ここまで。
それは、ターンオーバーをするには絶対に必要なものがあると思うのだ。

第一に、前言のチームとしてのポリシー、アイデンティティがある。
これは監督だけではなく、選手やサポーターも含めたチームとして必須だろう。
これを長年貫いているチームは、Jではなかなかいない。
鹿島の4バック、マリノスの守備の堅牢さぐらいではないか。
他にもあるかもしれないが、やはり10年というスパンで考えると多くないのは確かだと思う。

次にあるのが、このスタイルを貫いた経験値だ。
この意味は、どんなスタイルにも、長所と短所がある。
万能なフォーメーションや戦術はない。
これさえやれば未来永劫、絶対に勝てるなどはない。
一時のバルサなどはそれを感じさせた。
しかし、やはり個に頼らざるを得ないし、多少のバリエーションは必要だ。
このバリエーションというか、スタイルを調整する発想の柔らかさは、
過去の試行錯誤から生まれてくる。

スタイルや組織を組む上で、絶対的に必要な個や、貫かなければならないポリシーはある。 
それを十分理解した上で、守らなければならないもの、犠牲にしても貫かなければいけないものがある。
こういった発想がターンオーバーに必要なのではないだろうかと、樋口さんを見ていて思う。
ボランチについて、中町と富澤の二人で全てのシーズンを乗り切れるわけではない。
CBにしても、中澤と栗原で乗りきれるわけでもないだろう。
樋口サッカーは4-2-3-1なのか、4-4-2なのか、どうなのか、という事ではない。
どんなフォーメーションであろうと、どんな選手だろうと、やる事は決まっているし、
それをやれない者は外す。こういう冷徹さは必須だ。

気になっている樋口さん評がある。
「彼は優しいから。」 
優しい気持ちを持つ事は人間として凄く大事だ。
しかし、一方で責任を取るという条件での冷徹さも大事だ。


樋口監督から学ぶ事。

2014-05-04 18:19:25 | 横浜Fマリノス

マリノスが久しぶりにJリーグで勝利した。
ACLを観戦していた私には勝利があったが、リーグのみ観戦の方とは、この数週間の悲観の度合いはかなり違っただろう。
リーグだけを見た場合、3月15日の第3節徳島戦以来の勝利、 得点でも第5節の鹿島戦以来なのである。
監督解任も噂されるわけだ。 

今季は本当に、樋口さんの監督としての成長がタイトル獲得の必須条件だと思っている。
特にそれは攻撃に関してで重要である。
また、交代が遅い、後手後手に回る。こういったネガティブなイメージはどうしてもつきまとう。
相手の監督が、千変万化のフォーメーション変更や、戦術変更、メンバーの交代をやってくると、
このイメージは残酷なまでにピッチで見られる。そうして落とした試合も多い。

ここで一つ、例え話しにお付き合い頂きたい。
ある携帯電話会社があったとしましょう。
「我が社は、 安心安全をモットーに、それを他社より安い金額で実現します。具体的には、非常時でも繋がる、アンダーグラウンドなコンテンツ表示の排除、ウィルス対策、個人情報管理まで徹底します。」
これで一部の人には受け入れられたとしましょう。しかし、問題が起きました。
ハッキングを受けてしまい、請求を多くしてしまう不具合が起きてしまいます。
また、安全度が多少低くても半額で提供する他社競合が攻勢に出てきます。
この時、この会社はどうするべきでしょうか。

A、もう安心安全のイメージで売るのは無理だ。徹底的な格安路線で攻めよう。

B、安心安全は非常に大事だが、普段問題が起きていない時に高いお金を払う人はいない。
  であるならば、多少の安心安全で多少の金額で、そこそこライバル社に対抗出来る様にする。

C、金額を上げる事も視野に、安心安全のモットーは守る。

皆さんなら、この携帯電話会社から乗り換えますか?それとも契約を続けてみますか?

会社としては、どの選択肢なら契約数を減らさずに済むかという事が頭に浮かびます。
経営者としては当然です。Aかもしれないし、Bかもしれない。信用を失ったCは無理なのでは?

ここで私が提起したいのは、この会社の社員の気持ちです。
入社した時や、サービス提供時、モットーを掲げた時に、それぞれに安心安全をモットーにするという事を考えたと思います。
しかし、これが安易に方向転換されたら気持ちはついていかないでしょう。
180度違う格安路線に転換すれば、多くの社員が辞めていくでしょう。 
この後、Cの選択をした携帯電話会社が、復活するかはわかりません。
しかし、Cを選択した場合、モットーにした会社のポリシーを業界やユーザーは認知するでしょう。
当然、社員は強く意識するでしょう。

さて、話しをマリノスに戻します。
樋口さんは、モットーやポリシーを少々の問題が起きても守る、貫く人なのだと思います。
つまり、Cを選択する人だと思います。
問題が起きたときに、 安易にAやBを試した場合、士気は下がるでしょう。
「なんだよ、今まで会社の言うモットーを元に頑張ってきたのに。また方向転換かよ。それで結果が出るのか?」

ガンバ戦で尻餅をつきながら、ボールを両脚で相手に渡すまいという場面を何度も見ました。
2回や3回じゃなかったと思います。とてもプロとしてのスマートさはありません。
しかし、生きるか死ぬか、転落人生を送るか、昇給するか昇格するかの紙一重の場面で、選手達は戦っています。
この気持ちを多く見させてもらいました。

考えてみれば、選手達がこういう不格好な姿を見せたのも、安易に樋口さんが方向転換しないという、
勇気と信頼があるからなのかもしれないと気づかされます。

ある監督はいいました。
交代すれば策は打った、交代枠を余らせたのは無策だった、と言われる愚かさを。

交代しない勇気、方向転換しない勇気もあります。
自分を貫く、モットーやポリシーを貫く事の大事さは当然あります。

樋口さんに足りないのは、試行錯誤の後の分析と経験だと思っています。
作戦1を遂行したら成功したが、作戦2を遂行したら失敗した。その原因はどこにあるか。
作戦1.5がいいのか、作戦1.3がいいのか。

日頃から樋口さんに言いたい事は沢山あります。
しかし、彼のやり方から学んだ事は、変えない事の大事さです。
「変えない」=「問題意識が低い」ではないのです。

悪くないサッカーをしていても、先制を許すとそのままずるずる負けてしまう。
メンバーには代表クラス、若しくは準代表クラスがいる。
そうして降格したクラブは少なくない。

マリノス=守備

これはJリーグ全体での共通認識だろう。だから、これは守らないといけない。
その上でどう攻撃を構築するかがマリノスが戴冠する為の至上命題なのだ。 


5試合を終えたが、悲観する必要はないデータ分析

2014-03-30 23:14:15 | 横浜Fマリノス

5試合を終えて、マリノスの状況は良いとは言えない。

甲府と鹿島に連敗。
実力的に優位と思われる甲府に惨敗。
鹿島には主審家本の精度の低い判定もあったが、
無関係に惨敗。

こんな二連敗を見せられては、普通に悲観的になる。 
さて、このブログで注目している、得点率と失点率を下記に示す。
2014年5節現在である。

得点 シュート数 得点率 被シュート 失点 失点率

2011 46 404 11% 352 40 11%
2012 44 378 12% 287 33 11%
2013 49 387 13% 295 31 11%
2014 7 47 15% 34 4 12%
※2014 47.6 319 15% 231 27.7 12%

 

さて、最下段のデータを見て欲しい。
現状の得点率、失点率でいった場合、最終節この様な結果となる。
失点がこのまま行くと、過去最少になる。
そして残念ながらシュート数も最小である。 

つまり、「効率の良いシュートを増やせ! 」であり、
もっと言えば、攻撃の改善が依然として課題なのである。

悲観する必要はない。
けれど、楽観できる攻撃ではない。 


スポーツビジネスから考えたJとマリノス

2014-03-26 21:08:56 | 横浜Fマリノス

浦和対清水の無観客試合を御覧になった方はいますでしょうか。

サポーターの声援もなければ、アナウンスもない。

それはまるで練習試合、紅白戦の様なものである。

通常、J1の試合しか見ない人にはかなり違和感を感じた事であろう。

 

かつて、JEFのホープ、そして今は浦和のキャプテンである、阿部勇樹。

彼が人種差別に関して、試合開始前に宣言をした。

 

ここから言うのは、マリノスサポーターの俺が言うべきことじゃないかもしれない。

けれど、浦和、横浜を考えた時、思える事はある。

フロント、選手、サポーターはチームなのだと。

フロントがミスをしたら、選手やサポーターが嫌な思いをする。

選手が致命的なミスをしたら、フロントは苦労するし、サポーターはブーイングなどしても仕方ない。

サポーターが今回の様な事をしたら、フロントも選手も迷惑極まりない。

マリノスは以前から、フロントとサポーターの確執を感じていた。

近年、若干の改善は認められると認識はある。

そこで思うのは、フロント、選手、コーチ陣、サポーターの信頼関係であり、

今後どうしたいのかという目標をちゃんと立てる事だとは思う。

それがなければ、自慰行為は免れない。

幸いにも、今のマリノスはチームとしてそこそこだとは思う。

それは、リーグの成績、マリノスのバランスシートを考えれば、

万々歳とは言えない。けれど、皆がマリノスの黒字を考えているとは思う。

その上で、MTに専用スタジアムだとか、真のビッグクラブ、強豪として実績やヴィジョンがあれば、

言うことはない。


マルキーニョスの亡霊(ゼロックス、ACL初戦)

2014-02-26 23:20:05 | 横浜Fマリノス

武田信玄という武将をご存じだろうか。

織田信長も恐れ、最強と謳われた上杉謙信も認めた、戦国最強の武将の一人である。

この武田信玄は急逝する。その後を継いだ息子、武田勝頼。
元々、四男であった勝頼は、武田家を継ぐ予定はなかった。
しかし、長男の義信が様々な事情により外され、四男の勝頼が継ぐ事になっていた。
だが、武田家は源氏の流れを継ぐ名門であり、支えてきた大黒柱ともいえる武将が多くいた。
色々な事情があったにせよ、急に次期主君が変更になるのは、組織として方向性を見失いやすく脆弱になる。
そして次々と犬死にや裏切りなどがあり、滅亡した。

歴史事実として、多少の事実に小異はあるかもしれないが、今回はそれが論点ではないので割愛する。
何が言いたいかと言うと、色々な事情があるにせよ、方向性が変わると如何に強くとも、崩れるのは簡単である、という事。

マルキーニョスは、昨季、16点を取った。
マリノスでは最高得点だ。
確かに後半になって得点力は落ちたし、彼がもうちょっと決めていれば栄冠を手に入れたかもしれない。
しかし、彼を埋めるべく存在を今季前に獲得はしなかった。

藤田の更なる飛躍、仁や伊藤翔の覚醒、矢島の怪我のない本領発揮など、期待できる部分はあるとは思う。
しかし、選択肢が多いが為に、連携や戦術にぶれが出てくる。
本来なら、昨年の形に上積みをして、ACLに臨むのが理想だろう。
しかしマルキーニョスという形は抜けてしまった。

本日のACL初戦を見ていて思ったが、全体的にギクシャクしている。もう何年もの関係である守備陣にあっても、それは見える。新加入の下平だけが原因ではない。
そして前線でボールが収まらないから、チーム全体的に統一感が出てこない様に見える。

結局、どう攻めるかというのがワントップに浸透していなければ、ボールを奪っても、出し所が明確にならない。そうすると、どう奪っていいかも明確にならない。
結果的に、守備陣の崩壊を招いていると思う。

この二試合で左サイドからの失点が非常に多い。これは偶然か?
確かに矢島がACLに出場できたならもう少し違ったかもしれない。
ゼロックス前に大雪にならず、練習試合が出来たら、状況は違ったかもしれない。
しかし、それは言い訳でしかなく、今後どうして行くかを考えねばならない。
マルキーニョスという存在はもうマリノスにはいないのだから、FWが彼の真似をするとかではなく、
選手全員で昨シーズンまでのベースを上手く調整し、いい形を見つけるしかない。

こう書いているだけでも、今季は時間が掛かる事を肝に銘じたい。


数字から見る樋口マリノス2014に向けて

2014-02-17 22:19:06 | 横浜Fマリノス

樋口監督になってから2年が経ち、交代や攻撃に課題があると思ってきた。

昨シーズンは攻撃の形が見えたからこその好成績であった事に異論を挟む余地はない。

しかし、課題はリーグ優勝を筆頭に、タイトルの獲得である。

その為にはどうしたらいいのか。 マルキーニョスの抜けた穴を、どの様に埋めるのか?というのは、彼の移籍が決まってから、 喫緊の課題であるし、それはチーム全体で共有していると思う。
今までのマリノスはどうだったか?と思い、2011シーズンからのデータを調べてみた。 2011は和司さんが監督だったが、樋口さんも入閣していたので、参考として加えた。 すると、面白い事がわかった。

得点 シュート数 得点率 被シュート 失点 失点率

2011 46 404 11% 352 40 11%
2012 44 378 12% 287 33 11%
2013 49 387 13% 295 31 11%

※得点率は、決定率。得点数÷シュート数。失点率は、失点数÷被シュート数。小数点以下は四捨五入。
※元となるデータは、Jリーグ公式より

失点率は、ここ3年間11%と変化がない。これはチームカラーとでも言うものなのではないかと思う。そして順位と共に得点率があがっているのである。

さて、データのからくりとして、同じ決定率が13%だとしてもシュート数が多ければ得点は増えるし、
自然と勝ち試合も増えるだろう。しかし、シュート数を増やす為のシュートでは何も意味がない。
それに、樋口マリノスでのシュート数は400本弱という中での数字で順位を上げてきているのだ。
いきなりシュート数首位である川崎の様に、今シーズンから461本打てというのも無理な話しだろう。
ついでに言えば、マリノスは昨シーズンからシュート数が9本しか増えていないが、得点が5点も増えているのだ。
益々、可能性の高い点を決めなければならないと思われる。

昨季から得点率が13%と上がってきたので、単純に2014年に14%にするとしよう。
ここで注目したのが昨季の鳥栖である。シュート数が392本で14%というものだからだ。
そして鳥栖の得点について調べたが、豊田の20得点は目を引くが、他の選手はそれ程得点はしていない。
マリノスもマルキーニョスは豊田ほどではないが、俊輔が二桁得点をしているので、タイプ的に比較しようがない。

様々なデータを比較していて目を引いたのが、得点の時間帯の比較である。

  総得点 1-15 16-30 31-前終 46-60 61-75 76-終了

横浜F・マリノス 49 6 6 9(0) 5 10 13(3)
サガン鳥栖 54 5 4 7(1) 14 10 14(4)

後半開始早々の得点の多さである。これはつまり、言うべくもなく采配の妙ではないか。
布陣の変更や、選手の交代などにより生まれた隙を上手く突き、得点しているのだ。

常々、樋口さんの交代は遅いと批判されてきた様に思う。そして、当初は攻撃のアイデンティティが見えてこなかった。
昨シーズン、「角を取れ」(ペナルティエリアの角の事)と言う言葉を聞き、少し攻撃力が出てきた様に思った。
しかし、依然としてバリエーションに乏しい。だから、効果的な采配も出てこない様に思う。
だが、樋口さん自身の成長を感じるのも確かである。確実に攻撃力、得点力は上がっている。
どうしてもFW陣のマルキーニョスの穴を埋められるかと、目がいきがちだが、ここは後半の頭に注目してみるのも、
面白いのではないかと思う。


優勝前夜となるか。

2013-11-29 21:40:56 | 横浜Fマリノス
2ndステージがあれば、新潟は首位。
1stにしたって、大宮である。
しかし何れのチームも優勝争いはしていない。

現在首位はマリノス。2試合の内、1試合でも勝てば優勝。
これは、30代の男達の安定感がマリノスの力だと言えると思う。

常々、若い力、希望、新星などなどが話題に上る事の多いサッカー談義。
メディアももてはやす。
しかし、そう言った選手は海外へ早々と行ってしまう事が多い。
また、伸び悩んだり、潰れたりする事もよくある。

海外生活を終えて戻ってきた俊輔が、経験値全てをマリノスにぶつけている。
彼の若い頃のサッカーとは随分と違っても、それを研究し着実に対応し、
MVP確実視される程の活躍をしている。

富澤も中町も小椋も、下のカテゴリーから頑張って今の地位を築いている。
代表だとか海外とか華々しい経歴はなくとも、しっかりとした戦力だ。

何が言いたいかと言うと。

メディアが喜ぶ、目立つキーワードは今のマリノスにはない。
しかし、大事なものが多く詰まっている。

身体的に頂点は終えても、経験値で幾らでも補える。
若い時に注目されていなくても、その後の努力で優勝チームの中核を担える。

この様なメディア映えしない渋い文句は、その辺に転がっている様な文句に思える。
けれど、相当の苦労と努力と熱意がなければ、実現、体現はできない。

俺は、マルキーニョスと同い年になる。

03や04連覇の決定前夜は興奮してろくに眠れなかった。
しかし、今は不思議と落ち着いている。

新潟の力を甘くはみていない。
亜土夢に川又、普通に怖い。
優勝が目前だとしても不思議と高揚していない。

俺も歳を重ねたなと実感している、優勝するかもしれない前夜。
明日もいつも通り、サッカーのある週末だ。

ただし、市民の歌を歌っている時、最高の場所へ~と歌っている時、目は潤むかもしれない。

前夜の気持ちを綴っておきたい。

APT(アクチュアルプレーイングタイム)がJ1最短のマリノス

2013-09-22 21:04:05 | 横浜Fマリノス
最近言われている指標の1つとして、よく挙げられている、APT。

マリノスはAPTが短い=つまらないサッカーをしている。

そういう事ではない。

昨年から言われている事の様だが、文面を下記サイトから引用するとこういう事。

+Qualityプロジェクト
http://www.j-league.or.jp/plusquality/


Jリーグでは2012シーズンより、試合自体の魅力向上を目指すための新たな取り組みとして、「+Qualityプロジェクト」(プラスクオリティープロジェクト)を発足しました。
同プロジェクトでは、選手、監督、審判、クラブ、リーグが一体となり、試合中の異議行為や遅延行為などお客様にとって不快となりうるプレーをなくし、フェアで、クリーンで、スピーディーで、タフな試合の実現を目指しています。


ちなみに、わかりにくい「アクチュアル」。

直訳としては、

アクチュアル=現実の,実際上の,事実上の
http://ejje.weblio.jp/content/actual

という意味で、プレイングタイムは説明する必要もないだろう。

しかし、「APTが長い=ボールが動いている=試合が面白い」という事ではない。

つまり上記の説明を補足するのであれば、マリーシアな時間は考慮されないという事だ。
今は劣勢だからルールの範囲内で時間を使おう。もっとわかりやすく言えば、今は劣勢、落ち着く時間が必要だから通常よりも数十秒多く使おうというのは、ルール違反ではない。

セットプレーのチャンスをちゃんと活かす為には、緩急が大事だ。
セットプレーはいつも急げばいいというものではない。
じっくりとヘディングの強い選手とアイコンタクトを取るのか、速攻的に身近に居た選手とショートコーナー等でダイレクトに崩すのかで、全く違う。
今は優勢だから、早くするのか遅くするのかも、経験値に裏付けされたものだ。

単純にいつもいつも早くリスタート(スローイン、CK、FKなど)をすれば面白いものではない。

これは玄人な見方かもしれない。
マリノスで言えば、中澤、栗原、富澤、マルキーニョスというヘディングの強い選手がいる。
1回目のCKは、中澤がニア(ボールに近い方)に走るが、2回目はファー(遠い方)に走るなどの駆け引きがある。
俊輔などはCKで、ニア、ニア、ファーと蹴って決めるなどの駆け引きがある。

再度言うが、

「マリノスはAPT(ボールを動かしている時間)が短い=つまらないサッカーをしている。」

という事ではないのだ。

執拗な時間稼ぎや、判定に抗議するのは、審判のレベルや人間性を置いておいても、控えなければならない。
ルールを守ってこそ、審判のルールの執行の仕方にモノが言える。
ルールを守っていながらそのルールを批判する者を、誰も批判はできないだろう。


偏差値やIQという言葉をご存知だろうか。
何れも指標であり、それ自体は悪ではない。

これらの指標の意味を理解せずに、人を安易に批判する事こそ、過ちとして理解する事だと思う。

指標で安易に全てを判断はできない。
1つの目安だ。

マリノスが、APTを短くして、審判に抗議して時間稼ぎをする、セットプレーでも出来る限り時間稼ぎをして、
勝利を手にしようとなどしていない。
ルールの範囲内で、勝つ事の為にやる事は真のマリーシアなのだと思う。

今の代表にない緩急のないメンタリティーとさえ思う。