2010年の木村和司監督のコーチ時代から、5年間マリノスに関わってきました。
山形(8、9位)、大宮(12位)、FC(16位)での監督としての成績、和司さんとの確執。
監督就任に際して、全くいいイメージはなかった。
そして、シーズンが始まっても攻撃の形が見えない感覚に苛立った。
彼の試合後のコメントと、実際の試合での攻撃についての違和感に、
不信感を拭えなかった。
しかし、昨季からペナ角を取るというキーワードを合言葉に、
攻撃は確かに活性化した。少し時間が掛かったが、攻撃の戦術的な面白さが見えてきた。
この辺りで不信感よりも応援したい気持ちの方が強くなった。
結果的に、リーグ優勝まであと一歩、天皇杯戴冠を達成した。
だが、今季はマルキーニョスが抜け、代替のFWを補強したが、穴は埋めきれなかった。
クラブとしては、何としても代表クラスやエースクラスのFWを取るべきだったし、
監督としては、手持ちのFWの才能を開花させるか、FWの個に頼らない攻撃の戦術を準備するべきだった。
こう考えると、今季の成績については、監督の責任だけではないのは明白だろう。
つまり強化部にも半分はある。それ以上かもしれない。
樋口さんのサッカーを見た時。
攻撃の形が見えない。
交代が遅い、効果的ではなく、準備不足を露呈。
セットプレーのバリエーションを感じない。
パワープレーやカウンターを実行すべき時はあるが、
それの準備を全く感じない。
不満を上げればきりがない。
しかし、過去を振り返っても、監督について、100%満足する事など、現実的ではない。
狂信的でなければ、良いところも悪いところもあるのが普通だ。
樋口さんは、人間的に優しく、気持ちの理解もある人であるし、真面目であると思う。
実績的にも 降格には無縁であったし、優勝争いもあり、天皇杯をJ始まって以来の獲得と、
有能であると思う。
残念なのは過去に指揮したチームにおいて、攻撃の構築の手法が出来ていて、
それをマリノスに落とし込むという流れでなかった事である。
むしろ、この攻撃の構築の手法はマリノスで作られた様に見える。
樋口マリノスはもうあと2試合。しかし、樋口さんのサッカー人生はまだ終わらないだろう。
他のチームでマリノスで培った攻撃を表現されたら、見たいと思う。
マリノスが好きだから、安い報酬でも、マリノスの監督をやってくれたのだと思う。
マリノスが好きだから、守備に安定感があったのだと思う。
あと2試合お願い致します。