阪神間で暮らす

テレビを持たず、ラジオを聞きながら新聞を読んでます

I am not Abe.   米軍基地の危険性をハブが証明

2015-09-07 | 日記


 世界に対し、安倍首相がやっていることが本当の日本の姿じゃない、と言う事を広げるために 『 I am not Abe、 』 と声をあげる。

 安倍政権の進める戦争法案に反対します。

 安倍政権が進めるアメリカのためのTPP参加に反対します。
        
  忘れていませんよ、12年の選挙時に貼られたポスター、どうなっているでしょう。
  「日本を耕す自民党」と言うのは外資に対し日本から搾取しやすいようにする。事か?
  「ウソつかない。」自体が嘘

  元官僚の古賀茂明氏は氏の著書「国家の暴走」に安倍首相の事を
  「この人物は、いとも簡単に、しかも堂々と、嘘をつける人間なのだ。」と書いている。


  TPP、ISD条項で日本の国家主権は破壊されコングロマリットの餌食に
  
  農業だけじゃないよ、食料、医療、特許、環境、労働、投資、衛生植物検疫、越境サービス など21分野

  自民党が2012年暮れの衆議院選挙で公約したTPPに関して、自民党のウェッブを思い出そう。
   
 拡大すると
   



 〈あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。世界によって自分が変えられないようにするためである〉ガンジー

9/07(月)


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安倍首相、衆参同日選を否定 憲法改正、悲願と強調

 安倍晋三首相は6日放送の読売テレビ番組で、憲法改正が悲願と重ねて強調した上で、来年夏の参院選に合わせた衆参同日選挙の可能性について「考えていない」と否定した。番組は首相が4日に大阪市を訪れた際に収録された。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設については「普天間の危険性除去のために、移転先は、辺野古以外は残念ながらないというのが結論だ」と強調。9日までの国と沖縄県の集中協議期間を利用し「冷静に議論したい」と述べた。

 ロシアのプーチン大統領との首脳会談に関し「適切な時期に実現したい」と重ねて意欲を示した。
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 橋下と同じく嘘を言う事になんらためらいのない安倍首相、これを読み解くと衆参同日選をやる!と言う事。
 野党の皆さん、自公対野党一人の決戦だ!


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安倍首相 テレビ出演 あす政府側説明

 安倍晋三首相が4日の参院平和安全法制特別委員会の審議中、大阪市で読売テレビの番組に出演していたことについて、民主党の大野元裕参院議員は6日のNHK番組で「首相は時間がないから(審議に)出られないと言っていたのに大阪まで行ってテレビに出た。これでは真摯(しんし)に説明する態度には見えない」と批判した。

 これに対し、自民党の佐藤正久参院議員は「与野党の合意で首相の(4日の審議への)出席は求めていなかった。法案の理解を得るためテレビを使ったのだろう」と釈明。経緯については8日の特別委の理事会で政府側が説明すると述べ理解を求めた
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 時間がないなどと言いながら大阪まで行って下らない番組に出ていた、国民に対する説明にはなっていない。
 大阪橋下と公明へのリップサービス。


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「理解不十分でも」 高村氏、安保法案成立に意欲

 自民党の高村正彦副総裁は6日、青森市内での講演で、安全保障関連法案に関し、国民の理解が得られなくても今国会中に成立させる方針を強調した。「国民のために必要だ。十分に理解が得られていなくても決めないといけない」と述べた。

 同時に「国民の理解を得られなければ次の選挙で政権を失う。それが民主的統制だ」と述べ、次期衆院選で審判を受けたいとの意向を示した。
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 丁寧に説明し理解を得る、と言いながらのらりくらりと説明になっていない事を言いながら、最後は力でねじ伏せか。


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野田聖子氏、総裁選公約を提出 推薦人はまだ確保できず

 8日に告示を迎える自民党総裁選で、立候補に意欲を見せる野田聖子前総務会長が7日までに、総裁選の公約を党本部に提出していたことがわかった。ただ、立候補に必要な推薦人20人は確保できておらず、野田陣営は協力を呼びかける動きを強めている。

 党関係者によると、総裁選の規定では、告示日に届け出を済ませた候補者は、総裁選の公約となる「所見」を示し、党が機関紙に掲載することになっている。党が中身を事前にチェックする必要があり、野田陣営からも所見が提出されたという。野田氏の持論の「多様性」ある社会や、女性政策などが盛り込まれているとみられる。

 立候補に必要な推薦人は十数人を集めた模様だが、まだ20人には届いておらず、無派閥の議員らを中心に精力的に協力を呼びかけているようだ。
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 野田聖子前総務会長は安保法制には賛成票を投じており安倍に勝ってもいずれにしても同じ。


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イスラエル、難民受け入れず 国境にフェンス建設開始

 イスラエルのネタニヤフ首相は6日、欧州各国に押し寄せるシリアなどからの難民への対応に関連し、「我々は不法移民やテロに対し、国境を管理しなければならない」と述べ、受け入れない考えを示した。

 ネタニヤフ首相は閣議で「シリアやアフリカからの難民の人道的な悲劇に無関心ではない」としつつ、「非常に小さな国で、人口動態的、地理的な奥行きに欠ける。不法移民やテロリストが殺到することは許されない」と述べた。ネタニヤフ首相はヨルダンとの国境沿いでフェンス建設を始めたことも明らかにした。

 地元報道によると、野党・労働党のヘルツォグ党首がシリア難民を受け入れるよう政府に要求していた。パレスチナ自治政府のアッバス議長も、シリア国内のパレスチナ難民がヨルダン川西岸地区に入ることをイスラエルが認めるように働きかけていた。
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 身勝手な小国、イスラエル。自分たちはパレスチナ人を追い出して移民してきたのを忘れている。


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有害物質 沖縄・浦添のハブからPCB 米軍基地内外に発生源か

 沖縄県浦添市周辺で捕獲されたハブの体内に、有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)や、毒性が高く使用が禁止されている農薬のDDTが高濃度で蓄積している例があることが、名桜大(沖縄県)と愛媛大の研究グループによる分析で明らかになった。市北西部にある米軍基地周辺の約1平方キロの範囲内に限られ、田代豊・名桜大教授は「基地内かその近くに汚染物質の発生源があるとみられる」と指摘。詳細な調査が必要になりそうだ。

 グループは、行動範囲が比較的狭く、食物連鎖の上位に位置する動物の汚染状況が、生息地の有害物質汚染の指標となることに注目。2013年10月から14年12月の間に浦添市内で捕獲された雄のハブ12匹全てのハブから有害物質が検出され、脂肪組織中のPCB濃度が1グラム当たり2マイクログラム(1マイクロは100万分の1)超、DDTとその関連物質の濃度が同0・5マイクログラム超という高濃度の5匹は、全て米海兵隊基地「牧港補給地区(キャンプ・キンザー)」の近くで捕獲されたものだった。過去に使われたPCBを含む変圧器などの機器が汚染源となることが多く、塗料に含まれていたPCBなども考えられるという。

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■ことば
 ◇ポリ塩化ビフェニール(PCB)

 有機塩素化合物の一種。熱に強く、変圧器の絶縁油、可塑剤や塗料、複写伝票に使われるノーカーボン紙の溶剤などに広く使われた。だが毒性が強く分解されにくいことから、1970年代には日本を含めほとんどの国で生産や使用が禁止された。禁止後も変圧器などに含まれるPCBが未処理のまま残されており、保管中に環境中に漏れ出したりすることが問題になっている。
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 米軍基地は危険物の宝庫、先日も米軍は否定したが枯葉剤のドラム缶が埋められていたと元米兵が訴えていた。

 



昨日の神戸  
最低気温  20.8度(09:30 前日差-0.7度)
最高気温  25.5度(00:05 前日差-4.0度)

  今朝の神戸最低気温 22.3度 (05:05) 9月中旬並
  
今日の神戸の  
   日の出     5時36分 (昨日 5時35分)
   日の入り   18時19分 (昨日18時20分)

          日の出日の入りで各1分短くなった
          


 停滞前線がまた本土寄りに来、小雨や曇り、昨日「台風まで成長しないと思う」とした熱帯低気圧が台風18号に。
      


 ほぼ一日曇り、夕方小雨になっているがパラパラ程度。
 

 台風が二つになった。
      


 強い台風17号(キロ)ウェーク島近海で西北西に20km/hで進んでいる、中心気圧955hPa。
   
 5日間進路予報では日本の東方海上で北の方へ進路を変える模様。
       

 熱帯低気圧から台風に成った18号(アータウ、アメリカ、嵐雲)は硫黄島の西海上を北北西に20km/hで進んでいる、中心気圧は1000hPaに。
   
      








安保法案の欠陥を衝く/倉持麟太郎 その四 (最終回)

2015-09-07 | いろいろ
より

 倉持麟太郎 (くらもち・りんたろう) 1983年生まれ。慶大法を経て中大法科大学院卒。安保法案に反対する若手の論客として知られ、衆院特別委にも参考人として呼ばれた。

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<第16回>昨年7月の閣議決定は明確な「自衛隊法違反」だ

 今回の安保法制のエンジンとなって法制を走らせているのは、いわゆる「限定的集団的自衛権の行使」を認めた昨年7月1日の閣議決定である。従来の憲法9条解釈の心臓であった47年政府見解は、集団的自衛権を否定しているが、その「基本的論理」は変更せずに、「安全保障環境の変化」を理由に、集団的自衛権の限定的行使が許されるという強弁は、あらゆる観点から完全にアウトのむちゃくちゃな論理である。
      
 47年見解は、個別的自衛権を前提として、我が国が必要最小限度の自衛の措置をとりうるのは「外国からの武力攻撃」に対してであり、「そうだとすれば」集団的自衛権は認められない、としている。政府はこの「外国からの武力攻撃」に「我が国に対する」と書いていない点に狙いをつけた。つまり、47年見解で自衛権発動条件として予定していたのは「外国からの武力」だけであって、「我が国に対する」とは書いていないから、ここに「我が国と密接な関係にある他国に対する」武力攻撃も「含んでいた」と読み替え、限定的集団的自衛権を無理やり生み出した。

 国会では、当時の内閣法制局長官を含め47年見解作成当事者たちが「我が国に対する」外国の武力攻撃を認識して起案したという点につき議論がされているが、「認識」論以前に、自衛権発動が「我が国に対する」攻撃を前提としていたことを圧倒的明示的に立証するものがある。自衛隊法(昭和29年成立)だ。我が国の防衛法制の法体系を支える自衛隊法76条1項(防衛出動)の要件たる「武力攻撃」が「我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という)」と定義されているのだ。

 一般名詞たる「武力攻撃」をわざわざ「我が国に対する」武力攻撃と定義するのは、立法論・法律論としてもかなり奇妙かつクドいが、自衛権発動要件たる外国からの武力攻撃を「我が国に対する」ものという装置を法律に埋め込まなければ自衛隊法は憲法9条違反になるからだ。9条にとって自衛隊法がジャストサイズ合憲となるための立法技術である。法の効力論からいっても、憲法を頂点に頂く日本法体系のピラミッドから言えば、憲法→法律→政府見解であって、憲法に反する法律はもちろん、法律に反する政府見解は違法無効だ。

 つまり、47年見解は当然に自衛隊法の枠内にあり、「我が国に対する」武力攻撃を前提としているのはまさに論じるまでもない。すると、「我が国と密接な関係にある他国」への武力攻撃も自衛権行使要件とした昨年の閣議決定は、自衛隊法違反の違法無効な閣議決定である。この国の「法の支配」は瀕死状態である。
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<第17回>安倍首相は過去の自分の質問を忘れたのか?

 「101回目のプロポーズ」というドラマがあったが、あれは最後にプロポーズが成功する。しかし、何回アタックしてもダメなものはダメな場合もある。
      
 我が国の法体系上、自衛権行使の前提たる「外国の武力攻撃」とは、「我が国に対する」ものであることを自明の前提としていることは前稿で書いた。このことは、過去の国会審議での起案当事者を含めた歴代法制局長官の答弁等でも明らかである。

 まず、47年見解起案に携わった吉國、角田両元内閣法制局長官が「日本への侵略行為が発生して、そこで初めて自衛の措置が発動する」(昭和47年9月14日吉國)、「我が国に対する武力攻撃がなければ、我が国の自衛権の発動はない」(昭和56年6月3日角田)と答弁している。その後、政府は、スポーツの祭典よろしく数年ごとに「限定的」なものも含めた集団的自衛権の行使可能性を問い続けてきたが、ことごとく否定されてきた歴史がある。

 小泉総理時代には「個別的自衛権に接着している…集団的自衛権」(つまり現政府の“限定的”集団的自衛権より狭い)も「許されない」(平成16年5月28日)という政府見解を出しているし、安倍総理自身、首相就任前にこんな質問をして、退けられている。つまり、自衛のための武力行使の「必要最小限度」は「数量的概念」(伸び縮みする)という前提のもと、「必要最小限度…の範囲の中に入る集団的自衛権」は「絶対にだめだ」というわけではないのではないか、という問いである。当時の秋山内閣法制局長官は、集団的自衛権は「必要最小限度」を超える(旧第3要件)から行使不可能なのではなく、「自衛権行使の第一要件、すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないものでございます」と答弁し(平成16年1月26日)、我が国への攻撃がないのに我が国が自衛権を行使することは、必要最小限度かという問題に立ち入る以前に違憲だと明言した。安倍総理はこのやりとりを忘れてしまったのだろうか。

 政権交代があっても維持されてきた47年政府見解は、「我が国に対する」武力攻撃なく自衛権発動を認める“集団的自衛権”を禁止しているのであり、集団的自衛権がいかに「限定的」なものであっても許されないという法制局の判断は今や、憲法解釈規範を構成している。

 集団的自衛権行使は可能か、という「アタック」が成功しないのは、憲法9条の壁があるからであり、解釈改憲でその「壁」を迂回すれば、もはや踏みとどまるべき線はなくなってしまう。
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<第18回>横畠法制局長官のリーガルマインドは痛まないのか

 今日は数学の授業だ。方程式について学ぼう。中学生にもわかる。
      
 いわゆる我が国の個別的自衛権発動要件を定めた(昭和)47年見解における旧3要件は、(1)あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処し、(2)国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、(3)その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである、としている。

 これに対し、新3要件は「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が覆される明白な危険があること」を(1)とした((2)(3)要件は旧3要件と同じ)。

 政府(及び横畠内閣法制局長官)は、旧3要件と新3要件の「基本的論理」に変更はなく、安全保障環境の変化という事実認識に変化があったことから、「あてはめ」を変えただけだと繰り返す。法律家はある事案等の結論を導くときに、それを判断する「規範(基本的論理)」を定立し、そこに事実をあてはめて結論を出す。つまり、「規範(基本的論理)」とは、数学でいう「方程式」で、事実は「関数」だ。方程式が同じなら、同じ関数を何度入れても同じ答えが出る“はず”である。

 では、旧3要件の(1)と新3要件の(1)という方程式にホルムズ海峡での機雷敷設という関数を代入してみよう。旧(1)では、外国の武力攻撃すなわち国民の権利が根底から覆されることなので、遠くホルムズ海峡に機雷敷設されただけではどうやっても(1)を満たさないが、新(1)では満たす可能性がある(政府複数答弁)。2つの方程式に同じ事実を代入して、違う結論が出ているということは、方程式=基本的論理が違うのである。

 さらに言えば、横畠長官は47年見解の旧3要件を含んだ基本的論理について「憲法改正をしなければ変えることのできない、まさにそういうものである」と答弁している(平成27年6月15日)。

 今見たように、基本的論理は変更しているのだから、言葉通り、憲法改正を経なければならないはずだが、もちろんその姿勢はなく、「変更はない」と嘘をつく。横畠長官はもともと検察官であり、法律学小辞典の編集代表にもなっている生粋の法律家である。己のリーガルマインドは痛まないのか。内閣法制局から「法の番人」の看板を剥ぎ、脳死状態におとしめた安倍内閣の罪は重い。
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<第19回>法文と現実の矛盾、乖離はまるで答えのない謎かけだ

 プッチーニのオペラ「トゥーランドット」で、姫は求婚者に解けない謎かけをする。
      
 「氷のように冷たいが、周囲を焼き焦がすものは?」

 解けなければ、求婚者の命はない。今回の法案や国会審議を見ていると、このオペラを思い出してしまう。

 事態対処法3条4項には、「存立危機事態においては、存立危機武力攻撃を排除しつつ、その速やかな終結を図らなければならない」と規定されている。「終結」を図るための武力行使はもちろん、「必要最小限度」だ。政府の答弁をつなぎ合わせると、他国の領土領空領海には入れず、敵基地は個別的自衛権でさえ攻撃はしないとしている。

 安倍首相の答弁によると、日本を守る米艦への攻撃という「明白な危険」で存立危機事態は認定(7月15日)されるが、法律上、存立危機事態を「終結」させる「義務」がある中、存立危機事態の原因たる敵基地を攻撃せずに、他国の領土領空領海に入らずに、どうやって存立危機事態を終結させるのか。トゥーランドットの謎かけレベルに回答不能だ。

 本論稿でも繰り返し危険性を指摘してきた自衛隊法95条の2、「自衛官」による「米軍等の武器等防護」についても、去る8月21日の委員会での中谷大臣の答弁は謎かけだった。95条の2は「平時の規定」(このような明文はない)で、有事では使えないから、「米国等の船舶等がミサイル等でやられた場合、それが戦闘行為でないと判断した場合は防護ができる」という驚愕の答弁をしている。戦闘行為ではないミサイルなどありえるのか。

 また、戦闘行為か否かの分水嶺は組織的な武力攻撃か否かだという。「国または国に準じる組織」による攻撃でなければ武力行使にならず、従って、その場合に限って、95条の2で反撃できるというのだが、テロとの戦いの場合、どうやって即座に判断するのか。まったく現実味がない。

 冒頭の謎かけの答えは「トゥーランドット姫!」であり、オペラでは見事正解した求婚者のカラフは逆にトゥーランドットに謎かけをして、有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を歌い、夜が明けて2人は結ばれる。法文と現実の矛盾・乖離、実現不可能な答弁という「謎かけ」に答えなどなく、現政府・本法制では、この国に夜明けは来ない。
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<第20回>政治家の良心とは何か、矜持はないのか、胸は痛まないのか

 冷戦期、ソ連が芸術的優位性誇示のため威信をかけて開催した第1回チャイコフスキー国際ピアノコンクール。もちろんソ連政府はソ連人の優勝を予定していた。しかし、審査員だったスビャトスラフ・リヒテルは、西側からきたアメリカ人ピアニスト、クライバーンに満点を、他の者すべてに0点の点数をつけ、クライバーンが優勝した。リヒテルは政治には屈しなかった、それは、彼が“芸術家”だったからだ。
      
 前稿まで見てきたとおり、集団的自衛権、後方支援、自衛官の武器使用を中心として、10本を1本にしたこの法案には不可分・不可避的に“違憲性”や“法の欠缺”という爆弾がちりばめられている。

 本法案は、今後、自衛隊員等が訴訟提起をして、違憲判決が下された場合、アメリカとの約束は結果的に果たせなくなるというリスクを抱え続ける。真に日米同盟を大切であると考えるならば、このような爆弾を抱えた法案を成立させることで、「約束に応えた」とするのは、パートナーシップとしてあまりに不誠実ではないか。「希望の同盟」を支える法案やそのために出動する自衛隊の基盤が、ここまで不透明かつ薄弱で本当にいいのか。与党議員の胸は痛まないのか。

 政治家の良心とは何か、「最終的な憲法解釈権者は最高裁」といって合憲性判断を放棄する姿勢に、「国権の最高機関」の構成員の矜持はあるのか。「立法府」がリーガルマインドを脱ぎ捨てることに胸は痛まないのか。

 与党議員は、本当に皆真摯にこの法案を読んだか。国家が主権を維持し、我々国民を守るということは党派的イデオロギーや専門分野は関係ないはずだ。安全保障環境の変化等の「必要性」以上にこの法案の合憲性や法理的妥当性・整合性を国民一人一人に説明できるくらい法案を読んだのか、胸に手を当てて考えたときに、その胸は痛まないか。

 クライバーンを優勝させたリヒテルは、音楽以外の何物にも仕えてはいなかった。だからこそ、政治的圧力には屈せず、彼の音楽的良心のみに基づいて、優勝者を選んだ。政治家や公権力担当者が仕えるのは、我々国民であり、権力の源泉たる憲法である。政権与党の自民党議員も、本来多様であるはずで、「大きな流れ」にあらがうことなく、“政治家”として真に尊重し死守すべき価値から目を背けていないか。わずかに湧き出る泉も下流ではもうあらがえない濁流となる。

 私は日本の政治、そして日本の政治家を信じている。“正義”や“立憲主義”への奉仕者として、この濁流に逆らう勇気を持たれんことを。私は信じている。
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(おわり)