駅の構内の本屋を久しぶりに覗くと、ありました!中島らもの異様な写真が表紙を飾っておりました。あな!懐かしや!亡くなられてから何年かな?2004年7月26日から3年近く経ちました。
中島らもの作品は数多く読みましたが、一体雑文はどのくらいあるのか?わからないぐらいありましょうね。新聞、雑誌などをいれるとかなりの量になるのでは?
この「異人伝」の腰巻には「寝言は寝てから言え!生き続ける魂の言葉」とあります。確かにらもの文章には「魂」がありましたねえ。酒の臭いのする魂!
裏面には・・・
・・・52歳は「失っていく」年。けれど逆に一種のすがすがしさがある。2004年7月に52歳で亡くなった著者が、死の直前に人生をふり返り、酒とクスリ、社会と家族、娯楽作家の業、そして自らの「死」と「生きること」を直感的に語る。死ぬのも怖くない。貧乏も怖くない。ただ愛が怖い。中島らも最後のメッセージ。・・・・とあります。
内容は以下のごとしであります。読みやすい、わかりやすい、癒されます。
第1章 おれは天才だった(家には「プール」があった;十歳で性の目覚め ほか);
第2章 酒とクスリとフーテンと(酒屋のおじさんからアル中ビビビ!;酒修行 ほか);
第3章 社会と家族(嫁はんとの出逢い;学生結婚~就職 ほか);
第4章 娯楽作家の業(朝起きたら、小説ができてる;『酒気帯び車椅子』 ほか);
第5章 らもの現実、そして未来(里親になった;世の中は不可解だらけ ほか)
社会人になる前頃から、「中島らも」という存在そのものに癒されましたね。知らない間に「勇気」をもらうというか、「まあ生きているのもいいかな」という安心感でしょうか。
彼の存在の深さが分かる書籍であります。それは自分の過去を顧みることであり、自分の存在の深さが分かるかもしれません。
文庫本になり、税込み600円は安いかな?そんな安さを、中島らもは喜んでいることでありましょう。