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カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「羆嵐」吉村昭

2024年12月03日 21時54分59秒 | 本 / BOOKS

1977年に発行された吉村昭の小説で、
1915年(大正4年)にに北海道苫前郡苫前村三毛別六線沢
(現在の苫前町三渓)でヒグマが開拓民を襲った
三毛別羆事件をモデルにした作品である。

「羆」はヒグマの事でヒグマを狩ったあとに嵐が吹き荒れると言う
言い伝えによる。

ちょっと前に熊谷達也のマタギ三部作を読み、
吉村氏の作品にも熊を扱ったものがあった事を思い出し、
読んでみたのだが、ちょうど読んでいる時に、
秋田県のスーパーに熊が出没した。

動物愛護の観点から駆除に対してクレームが出ているようだが、
「羆嵐」を読んだらそんな事は行っている場合ではないと思うだろう。

体長2.7m、体重383Kgの雄のエゾヒグマは、
2日間で7人を殺害し3人に重傷を負わせている。

警察の指揮の基に30人ほどの猟師を集めて山に入り、
熊狩りをしたが失敗に終わっている。

小説の中では一匹狼で酒癖が悪く前科のある札付きの乱暴者、
銀四郎として登場するベテランの猟師が仕留めている。
彼は熊の習性を熟知しており、熊の行動を読んで居場所を推理し、
川下から背後に回り確実に仕留める距離から心臓を撃ったが、
それでも巨大な羆は絶命せず振り返り向かってきた。
銀四郎は正面から眉間に二発目を撃ち、ようやく羆を倒した。

小説では、羆が襲った人間を餌として捕食する様子も
詳しく記しており、背筋が凍るほどの恐怖が伝わってくる。
恐らくその場にいたら腰が抜けて失禁する事はもちろん、
気絶してしまうだろう。

動物園で飼われている熊ではなく、
野生の熊がどれほど危険なのか、
身近に出没したらどうなのかを考えれば、
山に返してあげて・・・・などと言えない事が判る。

 


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