東野圭吾の小説である。
キムタクと長澤まさみ主演で映画化されており、
ちょっと読んでみようかなぁと思ったのだった。
マスカレード・シリーズの初編であり、このあと
マスカレード・イブ、マスカレード・ナイトと続く。
ホテル・コルテシア東京を舞台に従業員に成りすまし、
捜査に当たる新田浩介刑事と教育担当になる優秀なフロント係の
山岸尚美を中心に、殺人事件を防ぐ物語。
連続殺人事件の現場に残された犯人からのメッセージを解読し、
次はホテル・コルテシア東京で起きると推理した警察は、
ホテルに新田刑事を送り込む。
中心となるのは殺人事件であるがホテルにやって来る様々なお客様との、
エピソードを交え、山岸に教育された新田刑事が刑事から
ホテルマンになっていく様子も面白い。
山岸が捜査に首を突っ込んできるが、その新鮮な着眼点が、
捜査のヒントになる事もあった。
以下、ネタバレしますので、読みたくない方は読まないでください。
最初の2つの殺人事件と第3・第4の殺人事件の犯人が別々であり、
ある人物が2組の犯人を操り、自分の殺人と一連と見せかけて行く。
正体不明の犯人が第4の殺人で誰をターゲットにしているのかが
最後まで分からないのであるが、判った時にその動機が
今一つ弱い気がした。
女性である犯人が殺したいほど恨みを持つ男性を殺した後、
ホテルの従業員を殺そうとするのであるが、
ホテルマンはホテルの職務に忠実だったがゆえに、
犯人から恨みを買ってしまっていた。でもこれはホテルの
ルールでそうされただけで、ホテルマン個人を恨むのはおかしい。
殺したいと思うほどの恨みなのか??疑問である。
全体のストーリーはよくできているとは思う。また、
どうしてもキムタクと長澤まさみと思えて仕方なかった。