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Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

モーツァルトの音楽はすごい!

2006-12-15 01:22:52 | たまに聴くならこの一枚

(文京区目白台・フォーシーズンズホテルのエントランス付近)


私はジャズ喫茶と名曲喫茶が好きです。
その理由は、そのお店の存在理由を音楽によってハッキリと主張しているから。
もし、ソウルミュージック喫茶やシャンソン喫茶、それにファド喫茶、などが
あれば私は絶対に入り浸りになるのだけれど・・・。

ともあれ、この日は渋谷の名曲喫茶・ライオンへ出掛けました。
私がリクエストしたのは、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」
です。

この曲はいろいろな人の演奏を、かれこれ、40年以上聴き続けています。
生の演奏もCD演奏もイヤというほど(多分1,000回以上)聴きました。
正直言って、耳タコ状態です。
それでも今日、この曲を聴いて、背筋がゾクッとする程の感動を覚えました。
特に第二楽章のあの形容しがたい静謐に満ちた旋律が流れると、分ってはいるものの、
音の集積のあまりの美しさに心がふるえました。

長く人生稼業をやっていて、酸いも辛いもタップリの経験を経た中年男の心を
ふるわせるモーツァルトの音楽って、一体何なのでしょう?
(私が特に大好きなのは、第二楽章の始まりの部分です。)

世の中は、例えば音楽の場合、どの作曲家のどの演奏で誰の指揮が良い(悪い)
などと言った、余りにもくだらない瑣末な議論に溢れすぎています。
だが、そんなことはどうでもいい !

私たちは、モーツァルトが(バッハが)、本当に何もない空白から、あの音楽の数々を創造したという事実をもう一度真摯に受け止めるべきだと思います。
偉大な音楽家が「ゼロの状態から、魔法のように人々を無限大の感動に誘う音楽を創造した」という事実に謙虚であるべきです。

モーツァルト : フルートとハープのための協奏曲
シュタットルマイヤー(ハンス), ジンマン(デイヴィッド), アドリヤン(アンドラーシュ), ミュンヘン室内管弦楽団, ミルドニアン(スザンナ), イギリス室内管弦楽団, メイエ(ポール), モーツァルト
コロムビアミュージックエンタテインメント

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アーロン・ネヴィルの「アヴェ・マリア」

2006-12-03 23:37:26 | たまに聴くならこの一枚



今日、車を走らせていたら不意に車のFM放送からこの曲が流れてきました。
車窓から見える田園風景は晩秋そのもの。
真っ赤な紅葉が残る木々や分厚く落ち葉の積もった林・・。
この曲がいい感じで流れ、晩秋の風景に実にピッタリでした。

誰でも知っているグノー作曲の「アヴェ・マリア」はもちろんクラシックの名曲
で私も小学校(か中学?)の時に習った記憶があります。
歌としても有名ですが最近ではチェロでもよくソロ演奏されていますね。

カントリー/ソウルの歌手であるアーロン・ネヴィルは、あの「アーロン風」としか言いようのない独特なスタイルで
このクラシックの名曲を「アーロン風」に歌い上げています。
歌詞は全て原曲通り(ラテン語/イタリア語?)、コワモテのアーロンの風貌からは
想像すらできないテナーの優しげな歌い方で、そのミスマッチ感覚が何とも言えず良いです。
ソウルフルで魂に響きます。
しみじみとして、心に沁みます。

晩秋の風景の中をドライブしながらこの曲を聴いたせいでしょうか、この曲は
今のこの季節にドンピシャな感じがします。
これこそ、今聴きたいイチオシの曲です。

ゴスペル・ルーツ
アーロン・ネヴィル
東芝EMI

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エグモント序曲に感動!

2006-10-16 23:58:19 | たまに聴くならこの一枚


30年ぶりに、ベートーベンの9つの交響曲・その他を気合を入れて聴きました。

音の一つ一つに至るまで心の底に響き、受けとめました。
ベートーベンをこのように体で聴き、ズンと音を立てて腹の底に収められた
ことが非常にうれしかった。
「これだ、これだよ!」と思えたこと、そのこと自体がうれしかった。

中でも私が震えるほどに感動を新たにしたのは、シンフォニー群ではなくて、
「エグモント序曲」でした。
全身に一気に冷水を浴び、パンパン!と手で顔をはたいて、さあやるぞ!と
立ち上がった時の感じがします。
颯爽として潔い。
白刃を抜き放ち、ビュッと音を立てて一閃させた感じ。

長い長い間、モーツァルトとバッハの創りだす音の世界に浸かっていました。
そしてモダン・ジャズの世界にも・・。

これから30~40年前にワープし、バイトで稼いだなけなしの金で買った
ベートーベンのLPをメシも喰わずに聴いていたあの時分に戻ってみようかなあ・・。

ベートーヴェン:交響曲全集&序曲集
ジンマン(デイヴィッド), Zinman & Zurich Tonhalle O, チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団, チューリヒ・トーンハレ管弦楽団 ジンマン(デイヴィッド), ベートーヴェン
BMG JAPAN

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ミッドナイト・ブルー

2006-08-24 00:18:49 | たまに聴くならこの一枚


深夜、一人でバーのカウンターに座る・・。

久し振りに仲間と共に良く飲んだ、そしてよく語り合った。
良い時間を過ごしたその実感がある。
だがその充実の時間の後で、ふとその余韻を一人静かに楽しみたくなって、
見知らぬ町の見知らぬバーのドアを押したくなった・・。
そんな記憶、あなたにはないだろうか?

そんな時、あなたなら何を飲み、何を聴きたい・・?

私なら迷うことなく、シャンパンを飲み、ケニー・バレルのミッドナイト・ブルーをかけてくれ、とバーテンダー氏に頼むだろう。
そんなCDは用意してないとバーテンダー氏が言ったら、黙ってその場を去った方が良いが、
もし彼がケニー・バレルの渋いサウンドを背景に、「お客さん、シャンパンならこれがお薦めっすよ」と即答してくれるようなら、偶然飛び込んだそのバーはあなたの生涯の行き着けにして間違いのあろう筈がない。

九段下の、バー・「グロット」はそんなバーで、バーテンダー氏の大木さんはそんな話の良く分かる人です。
このブログで読んだんだけど、と訪ねていけば、きっとシャンパンの一杯位はサービスしてくれそうだ(か、どうかは分からないけど試してみる価値はある)。

ケニー・バレルのブルージーで都会的なギターが流れ、そのギターに悠然とした感じでハモるスタンリー・タレンタインの
テナー・サックス・・。
何とも良いねえ・・、この感じ・・。慌てず騒がず、余裕タップリの感じが良い。
このブルージーな感覚こそ、深夜のジャズバーにぴったりですなあ。
6番目の「ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥー・ユー」なんかを
聴くと、「もうどうにでもしてくれ」という程に良い。
もう理性は不要で、ついもう一杯飲みたくなりますわ・・。

ミッドナイト・ブルー
ケニー・バレル, メジャー・ホリーJr., スタンリー・タレンタイン, ビル・イングリッシュ, レイ・バレット
東芝EMI

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イブニング・イン・ザ・パーク

2006-08-14 22:50:33 | たまに聴くならこの一枚


今日は夕方から石神井公園へ散歩に出掛けました。
暑かった一日もようやく終わりかけ、池を渡って心地よい風が吹いています。
ヒグラシの鳴く声も耳に気持ちよく涼しげに聞えました。

暗くなりかけた水辺のベンチに座って、よく冷えたビールを一気に飲みました。
その時、大空を見上げた私の目に映った夕焼けの空の美しさ!



いろいろな問題は山積みだし、これからの未来に対する不安もある(尤も、私の場合は年齢もこれあり、
その持ち時間は大分少なくなりつつあるけど・・)。
でもこうして汗を流して働けて、散歩も出来て、夕日を見て感動する気持ちも残っているのって、
ちょっと良いかもしれないな、と思いました。

こういう感じって、何かジャズの曲であったよな?って考えていたら、曲のメロディーラインが頭に浮かびました。 
このCDを買ったのはすごく以前のことだけど、一時はそのヨーロッパ調のメランコリックな感じが気に入って毎日聞いていました。
何よりも、夕暮れの中で見かけた美しい夕焼けの空と、夕闇の迫る中で美しいシルエットになった公園の
木々のイメージが、この曲の雰囲気にピッタリでした。

パリ北駅着、印象
ケニー・ドリュー・トリオ
エムアンドアイカンパニー

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Riders On The Storm

2006-08-12 23:07:37 | たまに聴くならこの一枚


真昼の東京を強烈な雷雨が襲った。
すさまじい閃光に続いて、恐ろしく重い落雷の音が腹に響き、真っ黒な暗雲が空を覆う。
この写真を屋上で撮った直後、叩きつけるような雨が降り始めた。

このような嵐の日には、ドアーズの「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」を思い出す。
ドアーズのカリスマ的なヴォーカル、ジム・モリソンの最後のレコーディングだった(この曲を収録した数週間後、
モリソンはフランスで突然の死を遂げた)。


Riders on the storm
Riders on the storm
Into this house we're born
Into this world we're thrown
Like a dog without a bone
An actor out alone
Riders on the storm

There's a killer on the road
His brain is squirmin' like a toad
Take a long holiday
Let your children play
If ya give this man a ride
Sweet memory will die
Killer on the road, yeah

このリリックも、モリソンの歌も、落雷や雨の効果音も、レイ・マンザレクのキーボード音も、全体として
「ゾクッとするような凄み」に満ち、私の心を捕らえて離さない。
この歌詞が究極的に意味する所は、残念ながら私の英語力不足もあって完全には分からない(モリソンがランボーの詩に強い影響を受け、「死」というものに向き合った曲が多いことは分かるのだけど)。

人の突然の死も、それをもたらす不条理も、永遠に続くかのように思われる平和な日常の中に潜んでいて、
或る日全く唐突にその存在を私たちの前に現す。
結局、ジム・モリソンは自分のこの曲で、そんな警鐘を鳴らしたかったのだろうか・・? 

夏の日の突然の雷雨は、私に、思いがけずこの曲のことを連想ゲームのように思い出させた。

L.A. Woman
The Doors
Warner

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ビヨンド・ザ・シー (海の彼方へ)

2006-06-08 00:03:12 | たまに聴くならこの一枚


すごく久し振りに海を見ました。

佐原水生植物園から車をほんの一走りさせると、サッカーで有名な鹿島市。
巨大なサッカースタジアムの脇の高台から、チラッと太平洋が見え、そこから
波打ち際まではあっという間でした。
ハマヒルガオの群落の先に狭い砂浜があり、その先は視界をさえぎるものとて
ない大海原です。

私は少年時代のすべてを、太平洋岸の小都市の海辺で過ごしました。
自宅から海岸まで自転車で2分。 毎日、必ず海を見て過ごしました。

ボビー・ダーリンの「Beyond the sea」はその頃よくラジオから流れていた
曲です。 ボビー・ダーリンの歌声に豊かなアメリカを想い、いつかは海の彼方
の国へ行きたい、と切望したものでした。

海を見るとこの曲を思い出し、この曲を聞くと海を思い出し、それは海の彼方の
遠い異国に夢を馳せつつ、現実とのギャップに苦闘していた少年時代の自分の記憶につながります。

That`s All
Bobby Darin
Atlantic

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妙(たえ)に美しき5月に

2006-05-02 13:10:47 | たまに聴くならこの一枚
5月になりましたね。
5月といえば、まず想い起こされるのは、ロベルト・シューマンの歌曲集・
「詩人の恋」の中の第1曲である、「Im wunderschoenen Monat Mai・・妙(たえ)
に美しき5月に」でありますね。

ハイネの詩にシューマンが作曲したこの曲は、ハイネの詩の美しさにも増して
シューマンの歌曲の美しさによって私も大好きな曲です。
吉田秀和氏のエッセイにもある通り、この詩の表題にある、「ブンダーシェーネン・・」の最もきれいな邦訳は「妙(たえ)に美しい・・」であると私も
思います。

  妙(たえ)に美しい5月に
  すべての蕾が開きはじめるとき
  僕の心の中に
  この恋が芽生えた

  妙(たえ)に美しい5月に
  すべての鳥たちが歌いはじめるとき
  僕は彼女に
  僕の想いを打ち明けた

この曲は、フリッツ・ブンダーリヒの歌が最高だと思います。
この歌を歌うブンダーリヒ自身が、恋を打ち明ける若い詩人であるかのように
感じられ、この演奏を超える演奏はないのではとさえ思われます。

何年も前の5月にドイツを旅行した時に、驚くほど色鮮やかな北国ドイツの
新緑やいっせいに咲き出した花々の、その美しさに驚嘆しました。
「ハイネもシューマンも、この美しさに心を打たれ詩を書き、歌を作ったのだ」
と納得できました。

シューマン:詩人の恋
ヴンダーリヒ(フリッツ), ギーゼン(フーベルト), シューマン
ユニバーサルクラシック

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瞑想にふけるネコ

2006-03-05 22:20:17 | たまに聴くならこの一枚


夕方の散歩中に瞑想するネコを見かけました。

ここは文京区関口のフォーシーズンズ・ホテルの庭続きにある「芭蕉庵」
の土塀です。俳人・松尾芭蕉が何年かここに庵(いおり)を構え住んだ
そうですが、神田川の治水工事に携わったという説もあります。
小さな庵ですが、小さな潜り戸を一歩入ると、そこは芭蕉ゆかりの俳句の
世界そのものを垣間見ることが出来ます。

このネコはかなりのご老体のようですが、いつもこの同じ場所でみかけます。
場所が場所だけに、春の夕日を気持ちよく浴びて、一句ひねっているのかも
知れません。
いや、きっとそうに違いありませんね。



モーツァルトのクラリネット協奏曲

2006-03-04 13:20:21 | たまに聴くならこの一枚
曇りや雨の続く3月初めのある日、新宿御苑の大温室へ出掛けました。
外の寒空が嘘のように、この大温室の中には南国の樹木や花々が
咲き乱れています。
その中でも、インド原産のブルー・セージという濃い青色の花に魅了
されました。南国の空なのか、深い海の色なのか、そのブルーの花びらは
何とも言えない妖しい魅力を秘めているように感じました。



緑の溢れる温室を歩くうちに、映画「グリーン・カード」の中の、あの
シーンを思い出しました。

アメリカのグリーンカードを得るために見知らぬ偽装結婚の相手(アンディ・
マクダウェル)を訪ねるジェラール・ドパルデュー。訪ねる住所は
ニューヨークの高層ビルの中に突然出現する大温室。
カメラは、圧倒的な緑の木々の中を、確かめるように、また、驚きつつ、
ゆっくりと歩くドパルデューを追います。
そのシーンにかぶせる形で、クラリネット協奏曲の中の「アダージォ」が
ゆっくりとゆっくりと流れます。

まるで、モーツァルトがこの映画のこのシーンのためにこの曲を作ったかの
ように、深い底から音が上へ上へと湧き上がるかのように、クラリネットの
澄んだ響きが流れます。

モーツァルトは(そしてこの曲は特に)、混じりけのないナチュラルさ、
純度100%の透明さ、ピュアな美しさ、を感じます。
だからこそ私たちは、それを、「神のような」と形容したくなるのでしょう。

モーツァルトが創造した、モーツァルト・ワールドを体現させてくれる
音楽は600曲以上あるわけですが、この曲の「アダージォ」は間違いなく
私にとってベスト10に入る曲だと思います。

例えようもなく美しく気高い曲ですが、これを作ったモーツァルトも人間。
平凡な私とは比べようもありませんが、私も同じ人間なのだと考えると
何やら、とてもうれしく楽しくなります。

ブルー・セージの異国的な青い色を見ながら、しばしの間、
そんなことを考えました。

ノクターン・モーツァルト
オムニバス(クラシック), マイヤー(ザビーネ), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, モーツァルト, アバド(クラウディオ), シンフォニア・ヴァルソヴィア, ポミエ(ジャン=ベルナール), ロンドン室内管弦楽団, ワーレングリーン(クリストファー), ロンドン室内管楽合奏団
東芝EMI

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