
(文京区目白台・フォーシーズンズホテルのエントランス付近)
私はジャズ喫茶と名曲喫茶が好きです。
その理由は、そのお店の存在理由を音楽によってハッキリと主張しているから。
もし、ソウルミュージック喫茶やシャンソン喫茶、それにファド喫茶、などが
あれば私は絶対に入り浸りになるのだけれど・・・。
ともあれ、この日は渋谷の名曲喫茶・ライオンへ出掛けました。
私がリクエストしたのは、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」
です。
この曲はいろいろな人の演奏を、かれこれ、40年以上聴き続けています。
生の演奏もCD演奏もイヤというほど(多分1,000回以上)聴きました。
正直言って、耳タコ状態です。
それでも今日、この曲を聴いて、背筋がゾクッとする程の感動を覚えました。
特に第二楽章のあの形容しがたい静謐に満ちた旋律が流れると、分ってはいるものの、
音の集積のあまりの美しさに心がふるえました。
長く人生稼業をやっていて、酸いも辛いもタップリの経験を経た中年男の心を
ふるわせるモーツァルトの音楽って、一体何なのでしょう?
(私が特に大好きなのは、第二楽章の始まりの部分です。)
世の中は、例えば音楽の場合、どの作曲家のどの演奏で誰の指揮が良い(悪い)
などと言った、余りにもくだらない瑣末な議論に溢れすぎています。
だが、そんなことはどうでもいい !
私たちは、モーツァルトが(バッハが)、本当に何もない空白から、あの音楽の数々を創造したという事実をもう一度真摯に受け止めるべきだと思います。
偉大な音楽家が「ゼロの状態から、魔法のように人々を無限大の感動に誘う音楽を創造した」という事実に謙虚であるべきです。
![]() | モーツァルト : フルートとハープのための協奏曲シュタットルマイヤー(ハンス), ジンマン(デイヴィッド), アドリヤン(アンドラーシュ), ミュンヘン室内管弦楽団, ミルドニアン(スザンナ), イギリス室内管弦楽団, メイエ(ポール), モーツァルトコロムビアミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |