(某年9月初旬 北軽井沢・Jazz Cafe Bird)
朝起きて窓を開けると、「さぁー」と高原のような爽やかな空気が流れ込みます。
青く晴れ渡った空、フランスパンのような真っ白な雲(朝一番、お腹が空いています)。
今日の予想最高気温は28℃、最低気温は23℃。
僅か2週間前の狂ったような暑熱の日々を振り返ると、天国的な快適さではあります。
リンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリス、ドリー・パートンのカントリーミュージックの名歌手3人が競演する名盤・「TRIO II」は、澄んだ大気、高い空、
爽やかな風、を連想させる珠玉のようなCDです。
誰でもこれを聴いたら、薪のはぜるパチパチという音や、木が燃える時の煙たい匂いや、夜空に昇る焚き火の煙や、手を伸ばせば届きそうな沢山の星、
などを連想して、「そうだ、今度の週末は山でキャンプしてみようかな」という思いに駆られる事でしょう。
この一枚のCDはその音楽の完成度の高さゆえに、それくらい私達の心情に肉迫してきます。
このCD作成時(1999年)にリンダ・ロンシュタットとドリー・パートンは共に53才、エミルー・ハリスは52歳だったようですが、
そのエネルギーに満ち叙情性溢れた歌い方からはそれぞれの年令は全く信じられない思いがします。
この魅力に溢れた全10曲のアルバムの中で、私が特に好きなのは、1曲目の「Lover's Return」とそれに続く2曲目の「High Sierra」です。
リンダがゆったりと力強く謳いあげ、エミルーとドリーがバック・コーラスでハモる、という夢のような素晴らしさです
特に「ハイ・シエラ」では(3曲目のエミルーの歌・「Do I Ever Cross Your Mind」でも)、後にカントリーの名歌手となり活躍中のアリソン・クラウスが
フィドルを弾いているのも凄いことです。
因みに私は「TRIO I」も持っていますが、アルバムの完成度や音楽性は「TRO II」の方がはるかに優れているように思えます。
このCDこそ、「もし貴方が一つだけ無人島に持っていくとしたら何を・・?」というよくある架空の問いに応えるものです(そんな無人島にCDを聴く設備
などもともと無いのでは?という野暮なことは言わないで下さい・・・)。
Trio II (Two)Asylum Recordsこのアイテムの詳細を見る |