一昨日、ディーン・マーチンの事を書きましたが,書いたあとで
「あれではとても書き足らなかったな」と思い始めました。
私はディーン・マーチン氏には本当にお世話になったのです。
私が曲がりなりにも英語を話せるようになり、その結果、貿易など海外と
の業務に就くようになり、様々な国々へ出かけていったのも、その遠因
は、少年時代に、ディーン・マーチン氏を通して「英語」に興味を抱き、
ひいてはその背景である「外国」にも強い関心を持つようになったから
なのです。
最初、私の少年時代にはジェリー・ルイスとの「底抜けコンビ」の喜劇
映画を通して。次に、学生時代にはジェリー・ルイスとの喜劇コンビを解
消した後の、「リオ・ブラボー」や「若き獅子たち」などの映画を通して。
またそれと前後して、数々のジャズ・ポップスのヒット曲を通して。
中でも、ジョン・ウェインやリッキー・ネルソンと競演した西部劇「リオ・
ブラボー」は、これまでに何10回も観ましたね。
この映画のスクリプト(台本)を買ってきて、アル中の保安官・
「ボラチョン」役のディーン・マーチンのセリフは全部丸暗記しました。
終いには、彼がスクリーン上でセリフを言う一瞬前に、私が映画館で
ジョン・ウェインと小声で会話をしたりしました。
もちろん、映画のサントラで使われた主題歌「ライフルと愛馬」は
彼の独特の節回しの歌い方で覚えました。
映画の彼は、「リオ・ブラボー」の役どころのように、弱みを克服しながら
まじめに生きていく男、というイメージが伝わってきます。
しかし歌手としての彼について言うなら、彼のあの独特の「くつろぎ感」
だけは、どんな歌手も真似できない天性の才能だと思います。
その意味で、こんな多才で、どんな時も人の心を暖かく包める人は、今後も
まず出てはこないのではと思われるのですが・・。