場所:東京都豊島区・目白庭園(2006.02.19)
日曜日の朝、コーヒーを飲みながら「東京 花の名所12カ月」という
本を読んでいたら、「目白庭園」なる所で、早春に「サンシュユ」と言う
花が見れる、という記載がありました。
私にとって未知の花であるこの「サンシュユ」をぜひどこかで見たいと
思っていたので、すぐにその本を片手に目白に向かいました。
偶然、目白駅から「目白庭園」へ向かう道は、私がかつて(数十年前に)
目白に住んでいた頃の下宿に向かう道でした。
「あの頃、毎日、毎晩、何百回となくこの道を往復したんだなあ・・」、
「そういえば、一人で出掛けた残雪の奥秩父から、命からがら帰ってきて、
とぼとぼとこの道を歩いたっけ・・」とほろ苦く思い出しました。
もう殆どセピア色になりかけたあの頃の出来ごとを辿っているうちに、
「目白庭園」へ着いてしまいました。
(私の「目白時代」には、この庭園は未だありませんでした)。
目指す「サンシュユ」は未だ開花していなかったものの、私の頭上一杯に
広がった黄色の蕾みと、今にも花開きそうな芽吹きに、十分満足しました。
純和風の回遊式庭園の南向きの斜面には、たった今、咲き出したばかりの
ような「ボケ」の花が見れました。
フト気付くと、枯れ草・枯れ枝の灰色の地面から、様々な木や花の芽吹く
春の気配が感じられ、庭園の中は紅梅(ピンク)、ボケ(赤)、ロウバイ
(黄色)などの鮮やかな彩りが早い春の訪れを主張しています。
数奇屋風の庵(いおり)からは、練習中らしい琴の音が漏れ聞こえ、
なんとも良い感じでした。
因みに日曜日の午前中、この庭園(入園は無料)には30分くらい居まし
たが、私の他にはもう一組の来園者しか見かけませんでした。
目白駅からも徒歩5分と近く、ぜひ多くの花々が咲き出す4月頃に
お出掛けになったらいかがでしょうか?