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Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

6月に聴く曲・・・・①Here's That Rainy Day (D・ジョーダン)

2007-06-19 00:07:38 | たまに聴くならこの一枚


何年か前の今頃、梅雨時のシトシト雨の降る夜、日付が変わりそうなかなり遅い
時間に、行きつけのバー「グロット」へ行った事がありました。
バーテンの大木さんが黙って、私の愛聴盤のこのCDをかけてくれました。

都会の、深夜のバー(それもこんな雨降りの夜)っていうのは、ホントに
雰囲気が良くて、遠い外国の異空間みたいです。
そんな夜更けに、地下のバーで一人で飲むものといったら、シングルモルト・ウィスキーのロックしかありません。
居心地の良い地下のバーだから、外の雨の降る音なんか聞こえるはずがないんだけど、手に持ったグラスの中の氷が
ウィスキーに出会って溶け出す時の「ピシッ」という音なんかが、何故か雨の音に聞こえたりして・・・。
いいんだなあ、これが。
もちろんこの時のお耳のお供は、デューク・ジョーダンの「Flight To Denmark」
というCDに決まってます。
雨の夜に雨にちなんだ曲を静かに聴く・・・これって最高にいいんですよ。

デューク・ジョーダンは映画「危険な関係」のテーマ曲がかなりヒットした後、
パタリと名前も出なくなり、かなり不遇な時を過ごしたらしい(ジャズで生活も
難しくなってNYのタクシー運転手などもやったらしい)。
その後デンマークへ渡り、10年を彼の地で過ごし、このCDは彼が再び米国へ
戻ったその復帰第一作目なのだそうです。

長い下積みの生活や異郷の地での毎日など、彼がどう感じたのかは知る由もない。
でも言えることは、「このCDのどの曲も素晴らしい!」、この事です。
枯淡の境地と言おうか、肩に張った力など全く感じさせないのに、聴く人の心に
肉薄してくる、あの澄んだピアノの音・・・。

雨の日の夜、しみじみと一人で聴きたい曲です。

Flight to Denmark
Duke Jordan
Video Arts

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5月に聴く曲②・・・・アンドレ・ギャニオンの「雨ふりのあとで」

2007-05-28 10:51:17 | たまに聴くならこの一枚


梅雨のようなシトシト雨の朝、文京区白山(はくさん)の白山神社へ今年のアジサイの色づき加減を見に行きました。

6月のシーズンになると大勢の人がアジサイを見に押し寄せる白山神社も
シーズン前・5月下旬の雨降りの朝とあって、歩いているのは私だけ。
でも、私の好きなブルーのアジサイは色づき始めていました!

私が好きなのはブルーのアジサイだけ、それも雨降りの日に限定です。

雨降りの日は当然暗い。
しかしブルー・アジサイの花弁や、濃緑色の葉に落ちた雨粒は雨の日でも
(雨の日だからこそ)妖しくキラキラと輝いています。
この日、色づき始めのアジサイは明るい地中海ブルーで、まだ純白の部分を
半分くらい残していました。
6月中頃に見られる深い海の色とは違いますが、これはこれできれいなもの
ですなあ・・・。

淡いブルーのアジサイに見入りながら、私の頭の中ではアンドレ・ギャニオンの
「雨ふりのあとで」の印象的な旋律が鳴っていました。

アンドレ・ギャニオン/作品集4「静かな雨を見つめて」
アンドレ・ギャニオン
キティMME

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5月に聴く曲 ・・・ ①エミルー・ハリスの「緑の牧場」

2007-05-23 10:53:06 | たまに聴くならこの一枚


暑くもなく寒くもなく、良い季節になりました。
梅雨入り前の今こそ、1年中で最も理想的な過ごし易い時なのでしょうなあ・・。

野も山も新鮮な緑で覆われ、特に標高の高い高原や山岳地帯では今が新緑の
季節です。

エミルー・ハリスの「Green Pastures(緑の牧場)」こそ、今のような時にピッタリです。 この歌からは、香しい緑の匂い、ピリッと身体の引き締まるような冷涼な高原の大気を感じます。
素晴らしいのはエミルーの歌だけでなく、それを支える豪華なバックの面々です。

まずリッキー・スキャッグスがデュエットでハモります(これが素晴らしい!)。
そこへ大姉御のドリー・パートンがハーモニーコーラスで合いの手を入れます。
ガットギターはウィリー・ネルソン。
そしてリッキー・スキャッグスはエミルーとデュエットしながらアコースティックギターを鳴らします。

これは神を称える宗教色のある内容の曲ですが、そんな事はどうでもよろしい。
5月の爽やかな空気を胸いっぱいに吸ってしみじみと味わいたい曲です。
「カントリーソング」というジャンルにあまり馴染みがない人でも(そういう人
にはなおさら)、聴いて欲しい曲ですなあ。

ついでながら、この輸入版CDに収録されている曲はどれもこれも甲乙つけ難く
素晴らしいですが、その中でも特に1曲目の「Roses In The Snow(雪に映えるバラの如く)」も、8曲目の「Jordan(ヨルダン越えて)」も絶対のお薦めですぞ!

Roses in the Snow
Emmylou Harris
Warner Bros.

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4月に聴く曲・・・・ ③フランソワ・クープランの「恋のうぐいす」

2007-04-25 22:34:41 | たまに聴くならこの一枚



「恋のうぐいす」。

何というユニークで、しかも美しい響きの曲名でしょうか。
この標題を見ただけで「一体、300年も前のルイ王朝時代に、フランソワ・クープラン氏はどんな想いでこの曲を創り、この標題を与えたのだろうか?」と、興味は尽きません。
クラブサン(チェンバロ)曲集の他の曲と同じく、この曲の標題についてもクープラン氏自身の説明は一切残存しておらず、私達は標題と曲そのものの美しさに浸りながらも、あれこれと連想を巡らすばかりです。
でも謎だからこそ、それはそれで良いのでしょうなあ・・・。

この曲は非常なスローテンポですが、優美かつ典雅な趣(おもむき)がしますし、
中世のフランス宮廷を彷彿とさせます。
どの部分をとっても、曲想そのものがまるっきり「浮世離れ」し、すぐには心に
落とし込めないかもしれません。
しかし、その超然とした曲の美しさには、それだけで胸を打たれます・・・少なくとも私の場合は。
(もう少し後の時代になると、音楽はより饒舌で時には感情過多にもなりますが、
この時代の音楽は未だ素朴さに溢れているように思えます)。

ところで、なぜこの曲が「4月に聴く曲」なのかって?
それは、この曲を聞くとまさに萌え出たばかりの新緑の林と、そこで飛び回る
うぐいすを連想するから。
また、この曲のみずみずしさ、純粋な美しさといったものこそ4月の今聴くのに
ふさわしいと思えるのです。

この曲を作ったフランソワ・クープランこそ、あの天国的な美しさの名曲「ルソン・ド・テネブル」を作曲した人です。
こちらもぜひお薦めしたいと思います。
(尤も、「ルソン・ド・・・」の方は、秋または冬に聴くのがよりふさわしい、と
私には思えますが・・・・)。

恋の夜うぐいす ― ラモー、クープラン
ヴェイロン=ラクロワ(ロベール), ラモー
ワーナーミュージック・ジャパン

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4月に聴く曲 ・・・・ ②サラ・ヴォーンの「パリの4月」

2007-04-19 14:35:41 | たまに聴くならこの一枚
「April In Paris・パリの4月」というジャズヴォーカルの有名曲は、
エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラ、ヘレン・メリルなど多くの
歌手たちによって歌われています。
しかし私は、サラ・ヴォーンのものが一番好きです。
というよりも、「これしかないっしょ・・!」というくらいに好きです。

その理由は、この歌の持つ独特の「やるせなさ・切なさ・胸が締めつけられるような想い」といったような感情を、
サラ・ヴォーンくらい見事に叙情的に歌い上げて
いる人は絶対に居ない、これからも出ないと、自信を持って言い切れるから
・・です。


パリの4月。
私はパリの春の本当のすばらしさを知らなかった。
心が歌いだす春。
頬を寄せ合う春。
暖かい抱擁の春。

私は知らなかった、
パリの4月に出会うまで。


4月にパリへ行ったのは随分と以前の話です。
街路樹(マロニエ)の新緑が眩しいくらいにきれいで、日が沈む頃の時間になると
おしゃれな町灯りに萌え出した新緑が映えて、それはそれはきれいでした。
4月とは言えやや肌寒い大気の中、おしゃれな通りを歩く恋人たちも、一人で
歩く男性も、やたらにサマになっていてどのシーンも絵になる、そんな印象
でした。

サラ・ヴォーンの歌がピカイチで聴く人を痺れさせてくれるのは当然としても、
合間に入るクリフォード・ブラウンのトランペットとジミー・ジョーンズの
ピアノも心に沁みます。

パリの魅力は、人それぞれ語り尽くせないほどあるのでしょうが、私にとっては
私が出会った4月のパリの記憶と共に、この歌こそパリの魅力の全てを歌い上げているように思えます。

Sarah Vaughan with Clifford Brown
Sarah Vaughan and Clifford Brown
EmArcy

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4月に聴く曲 ・・・・① ソニー・クラークの「4月の思い出」

2007-04-15 16:55:56 | たまに聴くならこの一枚


私の場合、4月と言うと何故か夕暮れ・街灯り・花の香りと連想が浮かびます。

この季節、日照時間もグンと延びて暗くなるのも遅くなります。
花は一斉に咲き、木々は芽吹き、街は活気づき、私はフラリと街へ出ます。
4月は誰でも心が騒ぎ、ウキウキする時ではありますが、その反面でチョッピリ
「さみしさ」も残りますね。
それは楽しさの絶頂に感じる「憂い」みたいな、或いは過ぎ去った思い出の
「ほろ苦さ」といったものかも知れません。

この曲・「I'll Remember April」を聴いて、ソニー・クラークのピアノから
そんな事を感じました。
ベースもドラムスも参加せず、ソニー・クラークは完全にソロ・ピアノでこの曲
を演奏しています。
「これはジャズのスタンダード曲だよ」と言われなければ気が付かないくらいに
ジャズっぽくなく、ゆっくりと物憂げにさえ聴こえるソニー・クラークの
ピアノタッチはまるで先へ進むのを迷いつつ、ためらっているかのように
聴こえます。

さりげなく、すうっと聞き逃してしまいそうなこの演奏、この曲。
でも聴きこめば聴き込むほどに、ソニーのあの憂いを帯びたピアノタッチは
耳に残ります。

4月という月も、私達の人生も、そんなものかも知れません・・・。


ソニー・クラーク・トリオ (紙ジャケ仕様)
ソニー・クラーク, ポール・チェンバース, フィリー・ジョー・ジョーンズ
東芝EMI

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エミルー・ハリスのカントリーソングを聴こう!

2007-03-10 21:07:37 | たまに聴くならこの一枚

(2007.03.09 コブシの花)

このように真っ青な空に純白のコブシの花がくっきりと浮かぶのを見ると
コブシ → 春 → 緑の山々 → カントリーミュージック
という、ごく単純な連鎖が瞬時に私の頭に浮かぶ訳けでありますね。

私は、この「カントリーミュージック」というジャンルが、クラシックや
ジャズ、ソウルなどと並んで、馬鹿に好きなんですよ。
一つにはカントリーミュージックに特有の、バンジョーやフィドル、ギター
などの楽器演奏を背景に、カントリー歌手達が醸し出す独特の雰囲気が
たまらなく好き、と言うこともあります。
その歌の向こうに、緑の野山、真っ青に澄んだ空、サラッと乾いた空気、
乾し草の匂い、パチパチとはぜる焚き火の音、薪の燃える煙くさい匂い、などを
連想してしまいます。

そのようなカントリーミュージックの歌手達の中でも、私が特に好きなのが
エミルー・ハリスです。
(この人がジョージ・ジョーンズとやったデュエット曲なんて、もうハア・・・。最高ですよ!)
今回、皆さんにぜひご紹介したいのは、「Songs Of The West」という、
タイトルからして既に気合の入っているエミルーの魅力一杯の一枚です。
収録されている10曲の中でどれがお薦めかって・・・?
私が特に好きで好きでたまらないのは、2曲目の「カウガール・ブルース」
(Even Cowgirls Get The Blues) です。
これはユサ・サーマン主演の同名の映画での挿入歌でもありました。

7番目の「シマロンのバラ」(Rose Of Cimarron)もたまらなく良いですね・・。

とにかく、このCDこそカントリーミュージックの魅力、ひいてはエミルーの
魅力がぎっちり詰まった1枚です。
蛇足ながら、このCDはお休みの日などに緑豊かな田舎の道で山々や田園風景の
中をゆっくりとドライブしながらお聴きになると更に一段と良いことを
申し添えておきます。

Songs of the West
Emmylou Harris
Warner Western

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黄昏の夜景にはジャズが似合う

2007-01-24 22:44:35 | たまに聴くならこの一枚
朝から冴えない曇り空の一日でした。
しかし午後3時頃になって、突然、まばゆいばかりの陽光が差して来ました。
「ヤバイ! こんな日はきっとすごくきれいな夕焼けになるぞ」と私の本能が
教えます。とりあえず急遽、デジカメを手に汐留を目指しました。
実は私と同様に、やや夕日フリーク気味の娘からの情報で、「カレッタ汐留から
東京湾方面の夕暮れ時の景色がきれいみたいだよ」とのタレ込みがあったのです。

カレッタ汐留46階・無料展望台からの眺望は素晴らしかったです。
私が期待したほど天候は回復せず、モヤ(霧?)がかかったような夕暮れでしたが、それがまた独特の味のある夕暮れを演出しました。

地平線の彼方の空には夕日の名残りがほんのりと残り、東京湾を囲むような高層ビル群やレインボーブリッジには灯りが点り、黄昏時の空は刻一刻とブルーから
暗い夕闇へと拡がっていきます。
これこそ私の好きな、トワイライトです。


(2007.1.24 港区東新橋・カレッタ汐留46階からお台場方面の展望)


この瞬間、この景色に合う音楽といったら、やはりジャズしかないっしょ?
それもエロール・ガーナーの傑作・「ミスティ」しか、ないっしょ?

ジャズピアニストであるエロール・ガーナーは、ニューヨークからシカゴへの
飛行機の中で、それも飛行機がシカゴ・オヘア空港へ着陸する前の旋回中に
窓の外に美しく広がる、シカゴの町の夜景からヒントを得てこの曲を作曲した
のだそうです。きっと、その夜景の中のシカゴの空はモヤっていた(Misty)ので
しょう。

何とも言えず美しい曲ですが、私にはこの曲は今日みたいに、完全に夜のとばり
が降りる前の、昼間の残照が淡く残る黄昏時の海辺で聴くのが最高かと思います。

ミスティ
エロール・ガーナー, ワイアット・ルーサー, ユージン・ファッツ・ハード
ユニバーサルクラシック

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ある日の夕食

2006-12-22 21:30:52 | たまに聴くならこの一枚

(2006.12.20 丸の内1丁目)


我が家では、ボーズ社のWave Radio/CDというのが食卓の近くにあって、
食事中はこいつからCDやFM放送を聴いています。
(もう少しマシな小型ステレオもありますが、殆どの音楽は食卓でボーズから
聴いています)。

いつも思いつくままCDの中の1曲~数曲を聴きながら食事をしたり、一杯
飲んだりします。
因みに本日、夕食しながら聴いたメニューは次の通りでした。

1.エミルー・ハリス  「All Fall Down」        カントリー
2.トム・ウェイツ   「Tom Traubert's Blues」     ロック
3.レナード・コーエン 「Boogie Street」        ブルース
4.ピム・ヤコブス・トリオ 「Come Fly With Me」     ジャズ
5.ステイシー・ケント 「Isn't It A Pity?」       ジャズ
6.スカルラッティ   「村治佳織のギター」       クラシック
7.ボブ・マーリ-   「Jammin'」            レゲエ
8.イーグルス     「言い出せなくて」        ロック
9.モーツァルト    「恋を知る程の殿方なら」     クラシック

「本当に良いものを少しづつ味わう」というのが私の音楽や食べ物に対する
嗜好です。 理由は簡単、その方がよりリッチで理にかなっているから。

でも、世の中にはまだまだ無数の「これだけは絶対にはずせない」という音楽
や絵画、映画、本、などがあり、それ以上に沢山の見逃せない場所や
ビュースポットがあるのは確かです。
それらの大部分を、(自分の持ち時間の関係で)、見れないまま体験出来ないままに
この世からバイバイせざるを得ない事を思うと,暗然たる思いがします。

ああ、年末ジャンボよ、一度でいいから当たってくれ!(マジで)・・。


レナード・コーエンにハマった!

2006-12-20 21:50:33 | たまに聴くならこの一枚

(2006.12.20 豊洲)

レナード・コーエンにハマっています。
特に「Ten New Songs」というCDアルバムに・・。

このCDは、冒頭の収録曲・「In My Secret Life」という歌で始まります。
女性コーラスが軽いギターに乗って「僕の秘密の人生では・・」のフレーズを
繰り返した後、レナード・コーエンがあの超低音で「今朝、あなたの夢を見た」と
ゆっくりと歌い始めます。
いいなあ、この瞬間が・・。 大脳の中枢をゾクゾクッと刺激される。 
なんとも言えない独特の存在感があります。

またコーエン自身の手による、あの意味ありげで難解な歌詞がいいですなあ・・。
♪ I saw you this morning.
   You were moving so fast.
  Can't seem to loosen my grip
  On the past.
  And I miss you so much.
  There's no one in sight.
  And we're still making love
  In My Secret Life.      ♪

コーエンの歌い方って、若者の歌と違い、シャウトもなく強い主張もない。
しかし70才という年輪から発せられる、にじみ出るような強烈なオーラを
歌のあちこちに感じます。

灯りをかなり落とした静かなバーの片隅で、一人カウンターに座りヴァルベニーを
ロックで飲りながら、冒頭の曲・「In My Secret Life」や、9番目に収録の「Boogie Street」を聴いたら、
もうたまらんでしょうなあ・・・。
(この「ブギー・ストリート」も絶対のお薦め。 すんごくいいです)

テン・ニュー・ソングズ
レナード・コーエン
ソニーミュージックエンタテインメント

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