Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

読み出したら止まらない・・・・フォーサイスの「アヴェンジャー」

2011-10-11 21:04:26 | 日々徒然

アヴェンジャー〈上〉 (角川文庫)
フレデリック フォーサイス
角川書店


フレデリック・フォーサイスの国際サスペンス小説・「アヴェンジャー」は、最近読んだ沢山の本の中で
もっとも面白かった一冊でした。

あまりの面白さに途中で止められず、文字通りメシを食う時間も惜しんで上下2冊を読了しました。
コソボ・クロアチア紛争の現実を縦軸に、ヴェトナム戦争の過去を横軸に、壮大なスケールで物語が展開
しますが、「一瞬たりとも活字から目が離せない」という状態になるのは、この小説に現実から遊離した部分
がまったくなく、これが小説だとは思えない、リアリティに満ちた語り口によるところが大だからでしょう。

「現実に進行中の国際紛争や歴史的な事実」に立脚し、ストーリーを大胆に展開してゆくフォーサイスの
手法は、これまでの「ジャッカルの日」、「オデッサ・ファイル」、「戦争の犬たち」など、どの著作にも共通
しています。
しかし、この「アヴェンジャー」はその国際サスペンス小説としての完成度の点で、ダントツだと思われます。

因みに、太平洋戦争で、日本軍は、米軍が戦線に投入した新鋭の雷撃機に悩まされましたが、その新鋭機が
「アヴェンジャー(復讐者)」というネーミングでした。真珠湾以降、緒戦でゼロ戦を主力とする日本軍に
押されっ放しだった米軍が、新鋭機にアヴェンジャーと名づけたのもうなづける気がします。

ま、この年齢(とし)になっても、面白くて途中で止められない程の本が次々と出てきたり、
心を揺さぶられるような音楽との出会いが頻繁にあるというのは幸せなことかもしれません。


あの年の10月10日も晴れていた・・・。

2011-10-10 13:39:04 | 日々徒然

(2011.10.10 文京区音羽・護国寺)

あれからもう47年が過ぎてしまいましたなあ・・。

1964年10月10日、東京オリンピック開会式の朝、私は英領ギアナ選手団団長付き通訳として特別席で選手団長と
一緒に開会式を観ていました。
当時、私は大学3年生でした。 東京五輪組織委員会が大学生を対象に各国の選手団長付き通訳を募集し、
私はその破格のアルバイト料に魅せられ、ゼミの教授を何とか説得し大学を1ケ月半休んで、英領ギアナ選手団団長
付き通訳のバイトを手にいれたのでした。

英領ギアナ選手団は、団長、コーチ、選手の、きっぱり3人だけのミニミニ選手団で、羽田空港へ出迎えに行った私は、
彼ら3人が話しているのが、到底英語だとは思えず、「何語ですか?」と聞いてしまったほど物凄いの英語でした。
(英領ギアナは、この東京五輪の1年半後に、英国から独立して「ガイアナ」となりました)。

あの英領ギアナからのただ一人の選手は、開会式の翌日に行われた重量挙げの予選でさっさと敗退してしまいました。
しかしそれからの約3週間、閉会式後まで、3人の選手団はのんびりゆっくりと選手村に滞在し、もちろん、
私も(それがお仕事なので)、彼らと一緒に選手村で楽しい日々を送りました。

奇しくも、本日も早朝まで雨でしたが昼間は絶好のオリンピック晴れで、47年前の今日とそっくり同じパターン。
よく晴れた秋空を見上げながら、47年前の今日を懐かしく思い出しました。