Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

4月に聴く曲・・・・ ③フランソワ・クープランの「恋のうぐいす」

2007-04-25 22:34:41 | たまに聴くならこの一枚



「恋のうぐいす」。

何というユニークで、しかも美しい響きの曲名でしょうか。
この標題を見ただけで「一体、300年も前のルイ王朝時代に、フランソワ・クープラン氏はどんな想いでこの曲を創り、この標題を与えたのだろうか?」と、興味は尽きません。
クラブサン(チェンバロ)曲集の他の曲と同じく、この曲の標題についてもクープラン氏自身の説明は一切残存しておらず、私達は標題と曲そのものの美しさに浸りながらも、あれこれと連想を巡らすばかりです。
でも謎だからこそ、それはそれで良いのでしょうなあ・・・。

この曲は非常なスローテンポですが、優美かつ典雅な趣(おもむき)がしますし、
中世のフランス宮廷を彷彿とさせます。
どの部分をとっても、曲想そのものがまるっきり「浮世離れ」し、すぐには心に
落とし込めないかもしれません。
しかし、その超然とした曲の美しさには、それだけで胸を打たれます・・・少なくとも私の場合は。
(もう少し後の時代になると、音楽はより饒舌で時には感情過多にもなりますが、
この時代の音楽は未だ素朴さに溢れているように思えます)。

ところで、なぜこの曲が「4月に聴く曲」なのかって?
それは、この曲を聞くとまさに萌え出たばかりの新緑の林と、そこで飛び回る
うぐいすを連想するから。
また、この曲のみずみずしさ、純粋な美しさといったものこそ4月の今聴くのに
ふさわしいと思えるのです。

この曲を作ったフランソワ・クープランこそ、あの天国的な美しさの名曲「ルソン・ド・テネブル」を作曲した人です。
こちらもぜひお薦めしたいと思います。
(尤も、「ルソン・ド・・・」の方は、秋または冬に聴くのがよりふさわしい、と
私には思えますが・・・・)。

恋の夜うぐいす ― ラモー、クープラン
ヴェイロン=ラクロワ(ロベール), ラモー
ワーナーミュージック・ジャパン

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4月に聴く曲 ・・・・ ②サラ・ヴォーンの「パリの4月」

2007-04-19 14:35:41 | たまに聴くならこの一枚
「April In Paris・パリの4月」というジャズヴォーカルの有名曲は、
エラ・フィッツジェラルド、フランク・シナトラ、ヘレン・メリルなど多くの
歌手たちによって歌われています。
しかし私は、サラ・ヴォーンのものが一番好きです。
というよりも、「これしかないっしょ・・!」というくらいに好きです。

その理由は、この歌の持つ独特の「やるせなさ・切なさ・胸が締めつけられるような想い」といったような感情を、
サラ・ヴォーンくらい見事に叙情的に歌い上げて
いる人は絶対に居ない、これからも出ないと、自信を持って言い切れるから
・・です。


パリの4月。
私はパリの春の本当のすばらしさを知らなかった。
心が歌いだす春。
頬を寄せ合う春。
暖かい抱擁の春。

私は知らなかった、
パリの4月に出会うまで。


4月にパリへ行ったのは随分と以前の話です。
街路樹(マロニエ)の新緑が眩しいくらいにきれいで、日が沈む頃の時間になると
おしゃれな町灯りに萌え出した新緑が映えて、それはそれはきれいでした。
4月とは言えやや肌寒い大気の中、おしゃれな通りを歩く恋人たちも、一人で
歩く男性も、やたらにサマになっていてどのシーンも絵になる、そんな印象
でした。

サラ・ヴォーンの歌がピカイチで聴く人を痺れさせてくれるのは当然としても、
合間に入るクリフォード・ブラウンのトランペットとジミー・ジョーンズの
ピアノも心に沁みます。

パリの魅力は、人それぞれ語り尽くせないほどあるのでしょうが、私にとっては
私が出会った4月のパリの記憶と共に、この歌こそパリの魅力の全てを歌い上げているように思えます。

Sarah Vaughan with Clifford Brown
Sarah Vaughan and Clifford Brown
EmArcy

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4月に聴く曲 ・・・・① ソニー・クラークの「4月の思い出」

2007-04-15 16:55:56 | たまに聴くならこの一枚


私の場合、4月と言うと何故か夕暮れ・街灯り・花の香りと連想が浮かびます。

この季節、日照時間もグンと延びて暗くなるのも遅くなります。
花は一斉に咲き、木々は芽吹き、街は活気づき、私はフラリと街へ出ます。
4月は誰でも心が騒ぎ、ウキウキする時ではありますが、その反面でチョッピリ
「さみしさ」も残りますね。
それは楽しさの絶頂に感じる「憂い」みたいな、或いは過ぎ去った思い出の
「ほろ苦さ」といったものかも知れません。

この曲・「I'll Remember April」を聴いて、ソニー・クラークのピアノから
そんな事を感じました。
ベースもドラムスも参加せず、ソニー・クラークは完全にソロ・ピアノでこの曲
を演奏しています。
「これはジャズのスタンダード曲だよ」と言われなければ気が付かないくらいに
ジャズっぽくなく、ゆっくりと物憂げにさえ聴こえるソニー・クラークの
ピアノタッチはまるで先へ進むのを迷いつつ、ためらっているかのように
聴こえます。

さりげなく、すうっと聞き逃してしまいそうなこの演奏、この曲。
でも聴きこめば聴き込むほどに、ソニーのあの憂いを帯びたピアノタッチは
耳に残ります。

4月という月も、私達の人生も、そんなものかも知れません・・・。


ソニー・クラーク・トリオ (紙ジャケ仕様)
ソニー・クラーク, ポール・チェンバース, フィリー・ジョー・ジョーンズ
東芝EMI

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今日はお釈迦様の誕生日・はな祭り

2007-04-08 23:00:41 | 東京さんぽ・春


今日はお釈迦さまの誕生日を祝う潅仏会(かんぶつえ)・はな祭りです。
昨日サクラの事を採り上げた護国寺へ行ってみました。

護国寺正門の所には、今日のために特別なセットが用意され、近所の若いお母さんが
お子さんと一緒にお釈迦様像の頭から甘茶を何杯もかけていました。
やはり今日は子供さんを連れたお母さんやお父さんの参拝の方が多いようでした。

午後になると山門から本堂までの正装したお坊さん達の長い行列が始まり、
お稚児さん達がそれに続きましたが、仏教のお祭りとしてはとてもフレンドリー
かつ家族全員参加型で、全体に格式ばった厳粛さというよりも、祝典的な印象
を持ちました。
潅仏会は初めて観ましたが、お坊さん達がとても艶やかでカラフルな僧衣を身につけられ、
更にはシンパルのような楽器のジャンジャンという音、ホルンのようなほら貝
のブォーという音感的な盛り上げとも相俟って、地味目な印象とは全く違うため、認識を新たにしました。


’07年のサクラ ・・・ ⑫ 護国寺

2007-04-08 21:56:06 | 東京さんぽ・春


数日前に「今年のサクラに決別する」みたいな記事を書いてしまいましたが、
おっとどっこい、まだ満開の桜が健在でした。

これは江戸時代中期に建立された護国寺の中にある鐘楼(鐘突き堂)とその前
にある八重桜ですが、これが素晴らしくきれいでした。
都内のソメイヨシノは完全に散りつつあり、一部は葉桜状態ですが、ここ護国寺
のサクラは全てソメイヨシノ以外の種類で今まさに満開状態です。

また本堂横のシダレザクラはまだまだこれからという感じで三分咲きといった感じ
です。サダレザクラ全体が、西の空に沈みかけている夕日に照らされて舞台の
照明のように浮かび上がって見え、シルエットが見事な美しさでした。

忙しくて今年のサクラを見損ねた人、もっともっと今年のサクラを観たい人は、
いますぐ地下鉄有楽町線の護国寺駅すぐ近くの「護国寺」へ急いで行って下さい!
(特に大きなシダレザクラは今やっと咲き始めた感じですよ!)


’07年のサクラ ・・・ ⑪ サクラ君、来年また会おうな

2007-04-05 21:58:44 | 東京さんぽ・春

(2007.04.05 四谷・上智大学近くで)


昨日夕方から雷雨と強風、それに時ならぬ雪までおまけについて、すっかり
葉桜になりました。
今朝の道路は散ったサクラで一面、雪が降り積もったように真っ白でした。

サクラ君、毎年の事ですが今年もご苦労様でした。
あなたほど私を含め皆さんの気持ちを熱くし、癒してくれる花を他に知りません。
私個人としてもこの紙面を借りて心からアリガトウと申し上げます。

来年の春、心身ともに元気であなたを迎えられるように私もがんばります。
来年もまた会いましょう!

’07年のサクラ ・・・ ⑩ 神田川

2007-04-04 20:55:56 | 東京さんぽ・春

(2007.04.03 有楽町線江戸川橋駅付近の神田川)

つい先日満開を迎えたサクラも、もう早くも「サクラ吹雪」となって、散り始めています。 
ふと垣間見た神田川は散ったサクラで真っ白な流れになっていました。

「花の命は短くて・・・」と言いますが、サクラほど進退の鮮やかな花はない
でしょうなあ・・。また、ぱっと咲いてぱっと散る、そのいさぎよさゆえにこそ、
この花は私達日本人のメンタリティに合うのでしょうなあ・・。

サクラは春の到来と共に人々の夢と期待を一新に受け、華麗に人々の目の前に
デビューします。その登場の仕方こそカッコ良くダンディーです。
でもこの時季以外、夏も秋も冬も、人々がその存在すら忘れるほど地味で寡黙に
日々を過ごしますが、1年のほんの数日間だけは、この世の清楚さ、この世の
妖艶さを体現したかのように、一気に、そう一気に、咲くのです。
人々の熱狂の想いが注がれるのは1年の中でほんの4・5日です(まさに
夢のような4・5日です)。
一陣の風や雨と一緒に、サクラはあたかもあの饗宴がうたかたの幻影だったかの
ように消え去ってしまうのです。

私は満開のサクラも好きだけど、散り行くサクラの花吹雪の中で一杯飲むのも、
オツだと思うのです(どっちにしても飲むことになるのだけど・・)。
花のシャワーを浴びながら、人の世の栄枯盛衰、人生のはかなさ、生きることの意味を、酔いの回った頭で想いながら、ね。

’07年のサクラ ・・・ ⑨ 青山霊園

2007-04-03 14:37:05 | 東京さんぽ・春

(2007.04.02 青山霊園)

桜に対する私達日本人の共通項として、
 ①私達は今年の桜がいつ咲き始めるか、に重大な関心を寄せている
 ②その為、政府機関である気象庁がわざわざ「開花宣言」をし、私達の間では
  「今日、開花宣言あったよ!」がこの時季の合言葉となる
 ③この時季に限り、一流国際ホテルでも下町の飲食店でも「桜メニュ」が登場する
 ④満開になると「お花見」は季節限定の社会現象となり国民的行事ともなる
 ⑤私達は桜に対して、言うに言われぬ特別の感情を抱いている。それは、
  長い冬が終わり春が来てうれしい!という感情の発露だけでなく、
  3月にまつわって小中高の学校の卒業や就職、故郷を後にする旅立ち、
  恋人との別れ、などの「別れのシーン」と、ほぼ同時に、入学・入社や
  新しい出会い、などの「始まりのシーン」とが全てサクラが咲いたり散ったり
  するビジュアル・シーンと重なるからでしょう。
  その為、私達日本人はサクラにまつわる悲喜こもごもをDNAとして伝承し
  もちろん自分達の子々孫々までこの美しい伝統が受け継がれるのです。

何という素晴らしい人たちでしょう、私達日本人は!
(少々、難はありますけどね、もちろん・・)。

私の知る限り、このように全国津図浦々、花を咲かせた木の下に老いも若きも
皆が集まって酒を酌み交わしたり
食事をしたり(つまり宴をくりひろげたり)する国民って日本人だけですね。
何という素晴らしい風習でしょう、これは!
それに大地の上にどっかと座り円陣を組んで大騒ぎしながら飲み交わす酒って
ホントにうまいんですよね。
飲みながら、ふと視線を上げると目に焼き付く美しい夜桜・・。

今年の桜もそろそろ終盤だけど、いつかそう遠くない将来、九州から北海道まで
「桜前線の追っかけ旅」をやってみたい。
(秋には逆に北海道から九州へ、紅葉を求めての旅だね、当然・・・)

しかし一体いつ働くのだろう・・・?

'07年のサクラ ・・・ ⑧ アークヒルズ・桜坂

2007-04-02 22:16:57 | 東京さんぽ・春

(2007.04.01 アークヒルズ桜坂)

ここは(否、ここも)、本来は夜桜の方が良い場所でしょうなあ。

何年か前、サクラが満開の夜に、軽くキハチで飲んだワインで気持ち良く酔った
足取りでサクラ坂をフラフラを歩いた事がありました。
あのときのサクラは本当に幻想的で、この世のものとは思えないほどきれいでした。
ワインに酔い、サクラにも酔った晩でした。

ここは適度にアップダウンがある上に、道が直角に折れ曲がったりしている。
そのせいで、カーブを曲がるたびに目の前に思いがけない美しさのサクラが
出現し、それも淡い照明にほんのり浮かんで、それはそれは幻想的なんだよ。
ここもやっぱり二人で歩きたい道だよね、絶対に。

’07年のサクラ ・・・ ⑦ 八芳園

2007-04-01 21:49:28 | 東京さんぽ・春

(2007.04.01 白金・八芳園)

アクセス:地下鉄南北線白金台駅下車・徒歩3分
特長  :和の雰囲気を味わいたければここがベスト

日曜日とあって、本日の八芳園は大変に混んでいました。
もちろん本日挙式のカップルもあって、全体に華やいだ雰囲気でした。

ここのロビーにある「スラッシュカフェ」と「えんじゅ」は、ライトアップされたサクラを見るベストスポットとして、
最近多くのメディアに紹介されています。
私もここ何年かはサクラの季節になるとここに必ず来るファンの一人です。
来年はウィークデーの夜、満開になるちょっと前に来てみよう!

今日は昼間でしたが,日本庭園に大満足しました。

ソメイヨシノもシダレザクラも、「今日がピークですよ、今日が今年一番の
見頃ですよ!」という感じで咲き誇っていました。
それにしても、こうして美しい日本庭園や渋い茶屋風の日本家屋や、その屋根に
ハラリとさしかかる満開のサクラの花などを見ると、なんかこう無条件でうれしく
なってしまい、「よし、よくぞ今年も咲いてくれたぞ! でかした!」と
腹の底から季節を噛み締め、喜ぶ自分が居ることに気付きます。
いろいろ難はあるものの、この国は良い国ではありますなあ・・・。

「日本人に生まれてよかった・・・!」