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Sunset Cafeへようこそ

いつか、夕日の美しい絶景の地にカフェを・・と願う私のバーチャル・カフェ。未知の音楽と人との出会う場所。

ブラームスの「間奏曲 イ長調」は紅葉の美そのもの。

2007-12-09 13:23:18 | たまに聴くならこの一枚
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(2007.12.09 新宿御苑)

初冬の柔らかな日差しを受けたあずまやで、年配のご夫婦が仲良く紅葉を
見ながらお話しに興じられていました。
余りにも絵になる風景だったので、あずまやの背後から一枚写真を撮らせて
貰いました。この写真に題名をつけるとすれば、「仲良しさん」でしょうかな。

ところでこの微笑ましい年配ご夫婦を見ていて、思わず、ブラームスが晩年に
作曲したピアノ小品集の中の「間奏曲 イ長調」をイメージしました。
ゆっくり過ぎるほどゆっくりとしたポゴレリチの演奏は、一音づつを物凄く丁寧に
「全ての力をためるように」弾かれます。
その静かな静かな曲の序奏部分から、一転して激情に駆られたかのような激しい
部分を経て、曲は再び穏やかなエンディングに向かっていきます。

・晩年の功なり名を遂げたブラームスも、ふと立ち止まって、来し方を振り返り、
 フゥーと大きな息をついて、一気にこの曲を書き上げたのではなかろうか?
 この曲が「間奏曲」であるのは、その観点からも、「人生の間奏曲」の
 意味合いが込められているのだろうか?
・美しい紅葉を前にし、年配のご夫婦も、「やっと一息つけるところまで来たね」
 と仲良く話し合っているのではなかろうか?
 であればこのシーンこそ、ご夫婦にとっての「間奏曲」なのでは?
・ここを先途と色鮮やかに紅葉した木々も、間もなく全ての葉を散らし、長い
 冬の眠りに入ってしまうことだろう。
 だがそれは春の芽吹き、いっせいに咲き始める開花のための休止期間なのだと
 すれば、これも自然の木々にとっての「間奏曲」ではなかろうか?

世間的には早くも年の瀬。
しかしあえて慌しい時の流れに逆らって、ここはじっくりと立ち止まって、
一息つけようじゃありませんか。
この曲は、そんな時こそ聴く人を最高の思索に誘ってくれるに違いありません。





この曲は、今、聴くためにある ・・・・ 「Autumn Leaves」

2007-12-02 20:50:22 | たまに聴くならこの一枚

(2007.12.02 日比谷公園)

12月になったとはいえ、東京では正にこの数日こそが、燃え尽きようとする
2007年の紅葉の最後の日々というところでしょうなあ。

焚き火でも、燃え尽きる前に一度ハッとするほど狂おしく激しく燃えあがるもの
なのですなあ。
燃え上がるほどに美しく紅葉した木々の葉が、無常に吹く風に、ハラハラと散ってゆくのを見るのは,
なんとも切ないものですなあ・・。

ところで、ジャズ演奏の「枯葉」、いいですなあ・・。
美しく、切なく,哀しい。
この曲を聴きつつ、今こそ、文字通り散り行く枯葉を眺めながらグイッと一杯、やりましょうよ!

マイルス・デイビスのミュートを利かせたトランペット、あれ,最高ですね。
胸にぐっと来て、思わず泣きが入りそうになる所ですぜ。
イブ・モンタンのセリフ入りの「枯葉」も良いけど、あれって余りにかっこよく
まとまり過ぎて、すぐに終わってしまって余韻を楽しめないです。
その点、ジャズ版の「枯葉」は、11分の長尺で、一杯飲みながら聴くのに
丁度よろしい(また、飲む話になってしまった)。

何にせよ、「今この曲を聴かなくていつ聴くの?」というくらいに、これは
今聴きたい曲ですなあ。

2007年・安曇野の秋 ・・・・ ⑧ 旅のお供はテレマンのCD

2007-11-13 22:53:10 | たまに聴くならこの一枚

(落ち葉のミートローフ・長野県南安曇郡池田町郊外)

安曇野を満喫するには移動手段としての車が絶対に必要ですが、それにもまして雄大な景観の中で
車を走らせつつどんな音楽を聴くかは、かなり重要なことです。

今回、私が選んだのはブリュッヘン、レオンハルト、ビルスマ、などの室内楽の
名手たちが腕をふるって演奏しているテレマンのトリオ・ソナタ集(CD2枚組)
でした。 と言うより、これだけの稀代の名手たちが実に楽しそうにいそいそと
「音楽している」様子が伝わってくるCDなんて、どう考えたってこの先100年位あり得ない。
目の前の紅葉もさることながら、まさに「一期一会」と言う言葉
が腑に落ちる、素晴らしい演奏です。

この先もちょっとこの素晴らしい演奏は再現不可能なのは間違いないでせう。
せせらぎのほとりや、遠く新雪の峰を望む田舎道や、体まで染まりそうな真っ赤
な紅葉の山道を走るにつけて、ブロックフレーテやフラウト・トラヴェルソの
素朴な調べが一層その演出を盛り上げてくれました。

トリオ・ソナタがあまりにも紅葉の風景にしっくりと、ぴったりと収まるので
「もしかしたらテレマンは300年前にもこんな紅葉を見てそのイメージから
作曲したのでは?」と思えるほどでした。
東京へ帰ってからも、このCDを聴くと条件反射のように安曇野のあの道、あの
森、あの山々の風景が想いだされます。

まだ試した事はありませんが、穂高駅の近くで自転車を借りて、あの辺りの森の
中をこのトリオ・ソナタを聴きながらゆっくりと自転車を走らせるのも悪くなさそうです。










10月に聴く曲 ・・・・ ドメニコ・スカルラッティのソナタ集

2007-10-22 22:27:32 | たまに聴くならこの一枚

(2007.10.21 茗荷谷・教育の森公園のハナミズキ)

カラッと晴れわたった青空に映える紅葉。
少し肌に冷たいが、凛として澄んだ秋の空気。

こんな今の季節に驚くほどしっくりするのがスカルラッティのソナタ群です。
それもイーヴォ・ポゴレリチの弾くスカルラッティに限ります。
透明感のあるポゴレリチの演奏は秋の風情に心憎いほど似合います。
特にK.8, K.11, K.380 などのソナタは、まるでスカルラッティが日本の秋をイメージして作曲し、
ポゴレリチも今の季節をイメージしながら演奏しているかの
ように私には聴こえます。

ホロヴィッツのような巨匠や、フジコ・ヘミングのような鬼才と云われる人など
数多くのピアニストがスカルラッティを弾き、それこそ無数のCDが売り出されて
います。
しかし私に言わせれば本当の本物、最も素晴らしいのはポゴレリチの弾く演奏
しかありません。
10年以上も前に、東京でポゴレリチの演奏会に行きモーツァルトとリストを
聴きました。それはそれで良かったけど、嵐のような拍手に応えてアンコールで
演奏したのがスカルラッティのソナタでした。
あの時の鮮烈なスカルラッティの音の冴えは、いまだに私の耳に残っています。

このCDはその感動が甦る素晴らしい逸品です。今はもうすっかりオジサンに
なってしまったポゴレリチ。16年前のこの演奏は彼自身にとっても、
このような冴えたスカルラッティを現在では再演できないのではと思ってしまいます。

何はさておいてもこの一枚を買い求め、秋空の下で心ゆくまで聴いて聴いて
聴き明かして欲しいと心の底から思います。












コウタンのテーマ曲 ・・・・・ 「Can Can You Party」

2007-09-15 16:57:06 | たまに聴くならこの一枚


3才半のコウタンをお風呂に入れるのに毎日苦労してます。
「お風呂に入ろう」というと、必ず「ヤダ!」と逃げ回ります。
(いったん入ると上機嫌で大はしゃぎするんだが・・・)

そこで、渋るコウタンを「さぁ、さぁ、さぁ!、音楽が始まったよ!」と
うまく乗せ、軽やかなロックのリズムに乗ってサッサと服を脱がせ、あれよあれよ
という間に風呂場にブチ込む方式が開発されました。
その際のテーマミュージックが、JIVE BUNNY オールディーズ・マスターミキサー
というCDで、その出だし(フレンチ・カンカン)がかかると、コウタンは素早く
服を脱ぎだすようになりました。
最近では「コウタン、お風呂入ろうか?」というと、ウンウン、と言いながら
「ヨーイドン、やって!」と言います。
そんな訳でこのCDはいつの間にか「ヨーイドンの」と呼ばれ、コウタンの
「お風呂入りの儀」の欠かせないツールとなりました。

コウタンがお風呂から出た後は静かめな曲、例えばフォーレのピアノ曲や
バッハの無伴奏チェロソナタをかけたりします。
でも、どうでもいいけど、この家には聴く曲のポリシーって言うか、一貫性というものがないね。

Can Can You Party
Jive Bunny and the Mastermixers
Stardust

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8月に聴く曲② ・・・・・ ハービー・ハンコックの「処女航海」

2007-08-27 23:14:01 | たまに聴くならこの一枚
最近、私はランチの後は必ず近くのタリーズ・コーヒーへ行きます。
タリーズのコーヒーが特に好きなわけではないけど、ここでいつも流しているジャズが好きなのですね。

今日はいつものようにオーダーの順番待ちで列に並んでいると、とても良い感じのイントロの部分が流れてきました。
「おぉ!これは良いねえ!」と独り言を言っているうちにそれがハービー.ハンコックの「Maiden Voyage(処女航海)」の冒頭部分だと気付きました。

階段をゆっくりと昇り、また、そっと降りて行くような、あの三連音符で繰り返す独特なテーマ。
本当に初めての航海にそっと海へ滑り出していくスクーナー船のような・・・。
曲の中盤ではほんの短い間ですけど、フレディ・ハバードのトランペットが炸裂しジョージ・コールマンのテナーサックスが嵐のように吼えます。
そして再びあの独特なテーマが登場し、初めての海に船出したスクーナー船は静かに視界から遠ざかっていく・・・。

涼しげなこの曲がこんなに意識の内に入ってくるなんて、気がつけば新宿の空にも秋色が忍びよって、どうやら今年の夏も峠を越したようですな。

もうすぐ9月。秋はすぐそこです。

処女航海
ハービー・ハンコック,ロン・カーター,フレディ・ハバード,ジョージ・コールマン,アンソニー・ウィリアムス
EMIミュージック・ジャパン

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8月に聴く曲 ・・・・・・ ① テレマンの「水上の音楽」

2007-08-19 14:36:22 | たまに聴くならこの一枚

(2007.08.13 長野県安曇野市・万水川)

ようやく酷暑のピークは超えたようですが夏の暑さはまだまだ続きます。
そしていかにも夏らしい音楽といえば、海や水にまつわる曲、例えば、
・ヘンデルの「水上の音楽」
・ドビュッシーの「海」
などがつとに有名ですが、私としてはテレマンの「水上の音楽」を推したい所です。

何を隠そう(何も隠す必要もないけど)、私は大のテレマン・ファンです。
そしてテレマンの代表作・「食卓の音楽」と同様に、この曲もテレマンの大特徴
である、壮大さ・のびやかさ・開放感・躍動的なリズム、などに満ちて真に魅力的な曲です。
テレマンの作風は少し後のバッハと比べると、明らかに異質であり、バッハの音楽が包含するような精神性・芸術性・宗教性には欠けると私は思います。
しかし逆にそこがテレマンの持ち味であり、私はそのような違いが明確であるからこそ、テレマンが大好きです。

例えば私は休日のドライブの時など、よくテレマンを聴きながら田園の中で車を
走らせたりするのが好きです。
(こういう言い方は不遜かも知れませんが、田園の中で聴くテレマンはまるでカントリーミュージックを聴く感覚と一緒で、森や林を抜けるドライブで、実にしっくりと合うのです)。

ピケット指揮の演奏も実に爽やかで、一陣の涼風のようです。
やはり夏にはこういう開放的でのびやかな音楽が体にもよろしいようで・・・。

テレマン/組曲ハ長調「水上の音楽」(ハンブルクの潮の満干)
ベズノシューク(パブロ),ニュー・ロンドン・コンソート,テレマン,ピケット(フィリップ),クラーク(アンドルー)
ユニバーサルクラシック

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7月に聴く曲 ・・・・ ② カスケーズの「悲しき雨音」

2007-07-20 15:56:48 | たまに聴くならこの一枚

(2006.07.17 安曇野堀金村・烏川渓谷)

台風一過後の梅雨明けとはならず、その後もぐずついた梅雨空が続いています。
そろそろドカンと太平洋高気圧の一つや二つ、張り出してみいや!という気持ち
です。

とはいえ、若い頃とは違って、雨降りの日が続いても余裕があります。
暗雲垂れ込める空を見ても、「降らば降れ、照れば照れ。よかよか・・。
ホー、ホッホッホッ !」と笑っていられるのは流石と言うか、馬鹿というか。

こんな雨降りの日は、いっそのこと、雨にちなんだ曲ばかり聴いて雨を
楽しみましょうよ!
・ショパンの          「前奏曲・雨だれ」
・ブラームスの         「ヴァイオリンソナタ・雨の歌」
・ビリー・エクスタインの    「雨のジョージア」
・ドアーズの          「ライダーズ・オン・ザ・ストーム」
・ジョニー・レイの       「雨に歩けば」
・ジリオラ・チンクェッティの  「雨」
・カスケーズの         「悲しき雨音」

カスケーズの「悲しき雨音」はイントロで落雷と雨の音が効果音で入った
オールディーズで、私の少年時代に大ヒットした曲です。
その頃は毎日この曲がラジオから流れていたので、今この曲を聴くと条件反射の
ようにその頃の出来事が次々と浮かんできます。

今ではもう忘れたい出来事・・。
恥ずかしくて、でもそっととっておきたい思い出・・。
思い出しても胸がキュンとなるあの日のこと・・。

雨は時として人をとても感傷的にするようです。



7月に聴く曲 ・・・・ ① Isn't It A Pity? (ステイシー・ケント)

2007-07-01 19:46:40 | たまに聴くならこの一枚

(東京都文京区・椿山荘)

もしかしたら、このブログの読者の中で「ホントに、究極の癒しになるような、シットリして身も心も休まるようなジャズボーカルの
CDはないかしらん?」と探しあぐねている人はいないだろうか?
(案外そうした人が多い事を私は知っています)。

そんな人に私が絶対の自信を持ってお薦めしたいのが、スティシー・ケントの
「ドリームスヴィル」というCDです。
このCDに収められている12曲全てがスローテンポの、ちょっと室内の照明を落としてワインでも片手に聴きたい曲ばかりです。
が、その中でも私がイチオシなのは3番目に収録されている、「Isn't It A Pity ?」というナンバーです。

曲名は、「ちょっと残念ね?」、「それって哀しくない?」という位の意味でしょうか? 
とにかくオシャレで粋な歌詞に溢れています。

♪ 私は私、あなたはあなた、これまでずっと違う人生を歩んできた。
  あなたがハイネを読んでいたとき、私は中国のどこかに居て、
  毎夜ショーペンハウエルの哲学書に没頭していた。
  でもそれも今日で終わりね。
  今日あなたに出合って、私の運命が変わった。
  二人がもっと早く出会えたらどんなに良かったでしょう!

というようなスローバラードの恋の歌です。
(ハイネやショーペンハウエルがジャズバラードの歌詞に出てくるのも意外だけど
何ともサマになっています)。

スティシー・ケントはニューヨーク出身のアメリカ人女性との事ですが、英国に住み英国人のジム・トムリンソン
(このアルバムでサックスを吹いている)の奥様でもあります。
スティシーの歌の中で「あなたともっと早く出会いたかった!」と色っぽく(でも健康的に)歌っているのは夫君のジムのことなのでしょう。
何か妬けるなあ・・・。

ところでこれが何故「7月に聴く曲」なのかって・・・?   知らん!!


バラード~ドリームズヴィル~
ステイシー・ケント, ジム・トムリンソン, コリン・オクスレー, デビッド・ニュートン, サイモン・ソープ, ジャスパー・クヴィバーグ
キングレコード

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6月に聴く曲 ②・・・・・ ミッドナイト・スペシャル(ジミー・スミス)

2007-06-28 23:45:04 | たまに聴くならこの一枚

(2007・06.27 お台場・テレコムセンター付近から)

ジャズは夜、それも深夜、に良く似合う。
間違っても朝一番に聴くもの、ではないですね。

例えば嬌声と煙草の煙が立ち込める深夜のバー。
例えば夜の街に行き交う車のテールランプの淡い灯火。
そして例えば深夜、疾走する車の中。
ジャズが流れるとしっくりする状況って、いろいろありますよね。

ところで、私が密かに「夜の三部作」と名付けている夜系ジャズの3曲が
あります。3曲とも私が大好きなナンバーです。
 ①ミッドナイト・スペシャル (ジミー・スミスのオルガン)
 ②ミッドナイト・ブルー   (ケニー・バレルのギター)
 ③ブルース・イン・ザ・ナイト(ソニー・クラークのピアノ)

最近私は(特に週末などの深夜に)、自宅で一杯飲みながら上記3枚のCDをヘッドホンで聞くことが多い。
お飲み物は、タリスカー10年をオンザロックスで。

皆さんもぜひヘッドホンで、深夜、出来るだけ大きな音量で上記3曲のどれかを聴いてみてください。 
きっと「震えがくるほど良い」、ということを実感されることでしょう。
①の「ミッドナイト・スペシャル」は特にジミー・スミスのオルガンはもちろん、
ケニー・バレルのブルージーなギターも、カッコ良さここに極まれりの感のある
スタンリー・タレンタインのテナーサックスも凄いですよ!
余りのカッコ良さに興奮して、眠れなくなるかも・・・。
(だから、週末の夜に聴いてくださいね!)。

ところで、何故この曲が「6月に聴く曲」なのかって? ・・・ 知らん!!



ミッドナイト・スペシャル
ジミー・スミス, ケニー・バレル, スタンリー・タレンタイン, ドナルド・ベイリー
東芝EMI

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