
(2007.04.03 有楽町線江戸川橋駅付近の神田川)
つい先日満開を迎えたサクラも、もう早くも「サクラ吹雪」となって、散り始めています。
ふと垣間見た神田川は散ったサクラで真っ白な流れになっていました。
「花の命は短くて・・・」と言いますが、サクラほど進退の鮮やかな花はない
でしょうなあ・・。また、ぱっと咲いてぱっと散る、そのいさぎよさゆえにこそ、
この花は私達日本人のメンタリティに合うのでしょうなあ・・。
サクラは春の到来と共に人々の夢と期待を一新に受け、華麗に人々の目の前に
デビューします。その登場の仕方こそカッコ良くダンディーです。
でもこの時季以外、夏も秋も冬も、人々がその存在すら忘れるほど地味で寡黙に
日々を過ごしますが、1年のほんの数日間だけは、この世の清楚さ、この世の
妖艶さを体現したかのように、一気に、そう一気に、咲くのです。
人々の熱狂の想いが注がれるのは1年の中でほんの4・5日です(まさに
夢のような4・5日です)。
一陣の風や雨と一緒に、サクラはあたかもあの饗宴がうたかたの幻影だったかの
ように消え去ってしまうのです。
私は満開のサクラも好きだけど、散り行くサクラの花吹雪の中で一杯飲むのも、
オツだと思うのです(どっちにしても飲むことになるのだけど・・)。
花のシャワーを浴びながら、人の世の栄枯盛衰、人生のはかなさ、生きることの意味を、酔いの回った頭で想いながら、ね。

(2007.04.02 青山霊園)
桜に対する私達日本人の共通項として、
①私達は今年の桜がいつ咲き始めるか、に重大な関心を寄せている
②その為、政府機関である気象庁がわざわざ「開花宣言」をし、私達の間では
「今日、開花宣言あったよ!」がこの時季の合言葉となる
③この時季に限り、一流国際ホテルでも下町の飲食店でも「桜メニュ」が登場する
④満開になると「お花見」は季節限定の社会現象となり国民的行事ともなる
⑤私達は桜に対して、言うに言われぬ特別の感情を抱いている。それは、
長い冬が終わり春が来てうれしい!という感情の発露だけでなく、
3月にまつわって小中高の学校の卒業や就職、故郷を後にする旅立ち、
恋人との別れ、などの「別れのシーン」と、ほぼ同時に、入学・入社や
新しい出会い、などの「始まりのシーン」とが全てサクラが咲いたり散ったり
するビジュアル・シーンと重なるからでしょう。
その為、私達日本人はサクラにまつわる悲喜こもごもをDNAとして伝承し
もちろん自分達の子々孫々までこの美しい伝統が受け継がれるのです。
何という素晴らしい人たちでしょう、私達日本人は!
(少々、難はありますけどね、もちろん・・)。
私の知る限り、このように全国津図浦々、花を咲かせた木の下に老いも若きも
皆が集まって酒を酌み交わしたり
食事をしたり(つまり宴をくりひろげたり)する国民って日本人だけですね。
何という素晴らしい風習でしょう、これは!
それに大地の上にどっかと座り円陣を組んで大騒ぎしながら飲み交わす酒って
ホントにうまいんですよね。
飲みながら、ふと視線を上げると目に焼き付く美しい夜桜・・。
今年の桜もそろそろ終盤だけど、いつかそう遠くない将来、九州から北海道まで
「桜前線の追っかけ旅」をやってみたい。
(秋には逆に北海道から九州へ、紅葉を求めての旅だね、当然・・・)
しかし一体いつ働くのだろう・・・?

(2007.04.01 アークヒルズ桜坂)
ここは(否、ここも)、本来は夜桜の方が良い場所でしょうなあ。
何年か前、サクラが満開の夜に、軽くキハチで飲んだワインで気持ち良く酔った
足取りでサクラ坂をフラフラを歩いた事がありました。
あのときのサクラは本当に幻想的で、この世のものとは思えないほどきれいでした。
ワインに酔い、サクラにも酔った晩でした。
ここは適度にアップダウンがある上に、道が直角に折れ曲がったりしている。
そのせいで、カーブを曲がるたびに目の前に思いがけない美しさのサクラが
出現し、それも淡い照明にほんのり浮かんで、それはそれは幻想的なんだよ。
ここもやっぱり二人で歩きたい道だよね、絶対に。

(2007.04.01 白金・八芳園)
アクセス:地下鉄南北線白金台駅下車・徒歩3分
特長 :和の雰囲気を味わいたければここがベスト
日曜日とあって、本日の八芳園は大変に混んでいました。
もちろん本日挙式のカップルもあって、全体に華やいだ雰囲気でした。
ここのロビーにある「スラッシュカフェ」と「えんじゅ」は、ライトアップされたサクラを見るベストスポットとして、
最近多くのメディアに紹介されています。
私もここ何年かはサクラの季節になるとここに必ず来るファンの一人です。
来年はウィークデーの夜、満開になるちょっと前に来てみよう!
今日は昼間でしたが,日本庭園に大満足しました。
ソメイヨシノもシダレザクラも、「今日がピークですよ、今日が今年一番の
見頃ですよ!」という感じで咲き誇っていました。
それにしても、こうして美しい日本庭園や渋い茶屋風の日本家屋や、その屋根に
ハラリとさしかかる満開のサクラの花などを見ると、なんかこう無条件でうれしく
なってしまい、「よし、よくぞ今年も咲いてくれたぞ! でかした!」と
腹の底から季節を噛み締め、喜ぶ自分が居ることに気付きます。
いろいろ難はあるものの、この国は良い国ではありますなあ・・・。
「日本人に生まれてよかった・・・!」


(2007.03.30 目黒川)
アクセス:東横線・日比谷線中目黒駅下車・徒歩2分
特長 :目黒川をはさんでおしゃれなブティック・カフェが多い
東京にはサクラの名所は多いですが、上野が庶民のサクラの代表格だと
すれば、目黒川は恋人達のサクラ、とでも言えましょうか・・。
ここでは、ひとりポツンと夜桜を見ながらそぞろ歩くのは、ちょっと厳しいものが
ありますなあ。
宵闇が目黒川界隈を包む頃になると、照明に照らし出されて川の中空まで枝を
伸ばしたサクラが夜の闇に浮かび上がります。
人々は美しい夜桜を見て何を思うのでしょうか?
目黒川の夜桜の饗宴は、人をつかの間のロマンティストに、また、
哲学者にもしてくれるようです。


(2007.03.29 播磨坂)
アクセス:地下鉄丸の内線茗荷谷駅下車・徒歩8分
特長 :高低差のある幅広の坂道に長いサクラのトンネルが続く。
「見事!」という他に言葉のない美しいサクラ並木はこの小石川の町
にしっくりと溶け込んでいます。
サクラ並木は広い道路の左右と、おまけに道路の真ん中の遊歩道にもあって
高低差約30mの坂道となっています。
そのためにどこから見てもここのサクラ並木の眺望は抜群で、まるでサクラの
海を見渡すような感じになります。
個人的には私は坂の上から下へのうねるようなサクラの流れが好きです。
もし突然にこの場所にやって来ても、サクラの下で酒盛りをする場所は至る所
ですぐに見つかりますよ。
ここは突然にブラリと来て、近くのスーパーでビール等を仕入れて(ついでに
そのスーパーで不要なダンボールでも貰って)、お一人様千円もあれば即席の
お花見宴会が出来ますぞ。
満開のサクラの下でお花見宴会をやって、その後で長いサクラのトンネルの下を
そぞろ歩く・・・なんてえのは、いい了見だと思いやすよ、へい。

(2007.03.28 北の丸公園)

アクセス:地下鉄九段下駅下車・徒歩5分
特長 :日本武道館を目指して歩くと自然に着きます
九段下駅のエスカレーターは九段の長い坂道のほぼ中央まで私達を運んで
くれ、地上に出ると目の前に江戸城のお堀と一面のハナダイコンのムラサキ色、
頭上のサクラのトンネルが迎えてくれます(上の写真)。
私は約20年間、九段下の会社に勤務しましたので、サクラの時季のこの光景
はおなじみのものです。
(この時季、お昼休みは毎日お弁当を買って北の丸公園や千鳥が淵でお花見ランチ
としゃれ込んだものです・・・いろんな女の子を誘ってね)。
北の丸公園の端っこはお濠をはさんで対岸に千鳥が淵遊歩道を見下ろす感じと
なります。こちらのサクラ、間にお濠の水、そしてあちらのサクラと、本当に
ここはサクラ一色の豪華さです(下の写真)。
それにしてもサクラという花は古い日本の城郭・白壁や木造建築・石垣などに、
実にしっくりと雰囲気が合いますね。
それから水辺の風景にもよく馴染みますね。きっと古来から何百年もそうした
絵のような組み合わせが繰り返されていくうちに、それが原風景となって
私達日本人のDNAとなって伝承されたのでしょうなあ・・・。

(2007.03.28 上野公園)
アクセス:分るよね?
特長 :東京一のお花見名所
これが本日午後3時頃の上野公園の映像です。
本日、水曜日の真昼間であるのに拘わらず、スゴイ人出でした(私もその
スゴイ人出に寄与した一人であります)。
そして夜を待たず、昼間からガンガン飲んで盛り上がっているお花見グループも
沢山いましたねえ。
結構、結構、一年に一度じゃないすか!
満開のサクラの下で皆でパッと盛り上がりましょうよ!
見ているうちに、つられて私も妻と一緒に昼間からビールをグイグイと
あおっちまいましたぜ。
それにしてもお花見に来る人たちって、皆なニコニコと幸せそのものの表情
ですね。 皆な何ていい顔してるんだろ!

(2007.03.28 神田川越しに見る芭蕉庵)
アクセス:地下鉄有楽町線江戸川橋駅下車・徒歩10分
特長 :神田川沿いに約500mの桜並木が続きその中ほどに芭蕉庵がある。
サクラ咲くこの時季、私の目の色は変わります(血走ってきます)。
因みに私の目の色が変わるシーズンは、サクラ咲く3~4月、新緑の4~5月、
紅葉の10~11月と年間3回ほどございます。
この時季、私は血走った目をして、「今日はどこの公園が見頃だ」とか、
「どこそこの寺のシダレザクラは?」などと気もそぞろで仕事など手につかなく
なります。
私を雇用しようとお考えになる奇特な社長さんが居ましたら、この点だけは
お気をつけたほうがよろしいと思います。
さてサクラフリークの私が、サクラの開花の知らせを聞いて真っ先に駆けつける
スポットの第一が、この芭蕉庵および芭蕉庵に通じる神田川沿いの風情ある小道
です。
芭蕉庵はこの時季には無料開放されますので、騙されたと思ってぜひ一度
足を運ばれる事をお薦めします。
純和風の美しい庭園を見ながら200円の甘酒でも飲んで静かに一時を過ごす
のも悪くないですよ。
この庭園のあちこちには芭蕉自身または芭蕉のお弟子さんが作った句を
楽しめるような仕掛けになっています。
俳人として世に出たばかりの若き芭蕉が、当時の藤堂家の神田川治水工事にも
携わり、深川に移り住むまでの約4年をこの場所で過ごしたと知るにつけ、
ここの一つ一つの木や草までもが由緒いわれがあるように思ってしまうのは
私だけでしょうか?