すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

ジュゼッペ・トルナトーレ「ニュー・シネマ・パラダイス」

2005-08-27 08:45:07 | 映画評
世界は全てが正しかった、あの日


ちょっと、ホンワカした気分になりたいと見てみました「ニューシネマパラダイス」。


感想。
あぁ、あんまりホンワカしてないなぁ………。


というか、けっこう残酷な話だね。

「貧乏だけど映画好きな子供が、映写技師アルフレードの導かれて、映画の仕事に就く」というのが、かなり大雑把なストーリーなんだけど。
その「映画の仕事に就く」過程が、むごくてね。

主人公のトトは、銀行家の娘エレナに惚れています。
で、彼の家は貧乏だから、当然、エレナの家族に反対される。ついには、二人の仲を引き裂くために、銀行家である父は村を出ていこうとする。トトに会いたい一心のエレナは、どうにか彼のいる映画館に行きます。
しかし、運悪く、トトもエレナに会いに映画館を出たところ。そのため、映画館にはアルフレードしかいません。

で、アルフレードは、このままエレナと結びついたのでは、トトは永遠にこの村から出ていくことはないだろうと考えて、嘘をつくんですな。

「恋の門」でも、「愛」と「夢」の両立が度々障害として登場したけど、「愛」と「夢」は両立しないんですかねぇ~。


それは、さておき。

物語は、「現在 → 過去 → 現在」という風に展開します。
この展開って「初恋のきた道」と同じだなぁ~、と漠然と思っていました。(よくある展開だけど)

が、ちょっと考えると主人公の保護者が、盲目ってことも同じだったりします。
未来のある若者(主人公)と、それを導こうとする盲目の保護者。

この構図には、なんか神話的意味がこめられているのか?


後、銀行家の娘エレナが結婚した相手が、共産主義者の息子というのは、監督の皮肉? それとも風刺?


まぁ、などと、どうでもいいことを書いてきましたが、基本的には、「失った過去を振り返る物語」です。
あの、無制限に現実の明るさを信じていた幼年期を懐かしみたい気分のときには、ちょうどいいのでは?


ちなみに、「恋の門」の感想は、こちら。
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (1)」なつかしいなぁ、「ペーゲー」
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (2)」夫婦喧嘩は犬も……
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (3)」父、登場。
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (4)」芸術は爆発だぁ!
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (5)」「この作品の存在そのものが芸術たり得ている」かぁ…………
羽生生純「恋の門 ハンディ版 (6)」田嶋陽子がなんと言おうと、普通の女性は白馬の王子様を待っているのでしょうか?

松尾スズキ「恋の門」原作のあつさ(あつくるしさ)は、半減しております


ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版

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