高知の自然 Nature Column In Kochi

南四国で見かけた蛾をおもに紹介していましたが、現在更新を中止しています。

アカマダラヨトウ

2009年09月08日 10時27分20秒 | Weblog
今朝、飼育ケースをのぞいてみると昨日採取した蛹から2頭のアカマダラヨトウが羽化していた。

白地に赤いまだら模様は他に似た種がなく特徴的で魅力高い。

日本では伊豆諸島、本州の紀伊半島南部、四国、対馬、九州から沖縄にかけて分布している。
幼虫はハマオモトやタマスダレを食べる。

同じ植物を食べるハマオモトヨトウと比べるとさらに南方系の種といえるだろう。
ハマオモトヨトウが高知県の太平洋沿岸全体で見つかるのに比べて、アカマダラヨトウは局地的な分布発生をしている。

ハマオモトヨトウと違って蛹は真冬でも羽化してしまい蛹越冬の習慣はついていない。
当然冬の寒さに弱いが、四国南部では毎年見られるので何とか細々と死なずに越冬しているのではないだろうか。

幼虫はハマオモトの葉の縁を食べるのでハマオモトヨトウの食痕と区別できる。

成虫が灯火に飛来するかどうかはさだかではない。

(蛹採取:宇佐町 2009.9.7  撮影:自宅 2009.9.8)

ハマオモトヨトウ

2009年09月08日 10時12分35秒 | Weblog
ハマオモトについている幼虫や蛹を探して葉をめくっているとハマオモトヨトウの成虫が止まっているのに気がついた。

本州、四国、九州、種子島、屋久島の分布している。
幼虫はハマオモト、タマスダレ、アマリリスを食べる。

蛹越冬で、成虫は春から秋遅くまで発生し時折灯火にも飛来することがある。
高知県では海岸に面した道筋のハマオモトではどこでもよく幼虫が見つかる。

幼虫は葉の中ほどにぽっかり穴をあけるように食害するので、食痕を見るとすぐにわかる。

(撮影:宇佐町 2009.9.7)

2009年09月08日 09時40分38秒 | Weblog
残暑が厳しいけれどよく晴れていたので気分転換も兼ねて、昼間久しぶりに近場をドライブしてまわった。

まずは道筋のキョウチクトウを見る。昨年秋はキョウチクトウスズメが大発生してが、今年は現時点ではどこも食害して様子は見あたらない。

次はクロマダラソテツシジミを探してソテツを見てまわる。
今年の夏は高知県東部の室戸岬で発生が確認されている。
この分では高知市に進出するのは時間の問題であろう。
海岸付近も含めて調べたが、高知市西部や南部ではまだ確認できなかった。

一方、ハマオモトを見るとかなり食害されている。
そこは昨年アカマダラヨトウが見つかった場所で、葉の食痕を見ると越冬した同じアカマダラヨトウのようだ。
葉は見苦しいためか、すでにほとんど切り取られていて幼虫は見あたらなかったが、それでも切り取られた葉の付け根から蛹を見つけることができた。

画像左の赤みを帯びた11個の蛹がアカマダラヨトウ(一夜置いたため2つ羽化した抜け殻が混じっている。)、右の4個の黒い蛹がハマオモトヨトウである。


(蛹採取:宇佐町 2009.9.7  撮影:自宅 2009.9.8)